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私立探偵の悩みごと相談所
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結局、それぞれ思い思いのプレゼントを用意した一行は、天利とそろってフィリアの迎えに向かっていた。
「……一応、ちゃんと髪の毛、整えて来たんですね。いいと思いますよ、さっぱりしてて」
どことなくからかい気味の感想を述べたのは
綾辻 綾花
。
「でも、スーツは相変わらずヨレヨレだねぇ」
御剣 刀
も天利を眺める。
「いいんだよ。最初からあまり飛ばしてると後がもたねぇのさ」
「それはあるかも知れませんねー。天利さんの場合、すぐボロが出るだろうから……でも第一印象も大事ですよー?」
綾花は天利の周りをくるくる回って、まるで普段と違うところを見つけ出そうとしているようだ。
「それで……」
そこに
恵御納 夏朝
が口を挟んだ。
「結局のところ、どうして天利さんはフィリアさんと一緒に暮らせなかったの? 実年齢と身体の年齢が違うのは分かったけど、病気とかだったら傍にいたほうが良かったんじゃ」
夏朝の疑問は尤もだ。当然のように同行している
トワ・E・ライトフェロゥ
も同調する。
「そうなのデース! やっぱりFamilyは一緒にいてコソ、だと思いますねー」
その発言を聞くとはなしに聞いていた
夜海霧 楓
はぼそっと呟いた。
「こりゃまたでっけぇブーメランだな」
「何かいいマシたー?」
「いや何でも……それで?」
実際のところ、楓はフィリア本人にはさほど興味はないのだが、トワが久しぶりの友人をどうしてもオモテナシすると言い張るので、来ないわけにもいかない。せめて建設的な会話をしようと、天利を促した。
「フィリアはな……ずっと眠っていたんだ、だから成長が遅い。18年間……だから俺は俺が育った施設にフィリアを預けた……信頼できる場所だ。それに、俺は……この島を離れられねぇのさ」
説明するような、ただ呟いているような、天利の言葉。
綾花には、その背中がまるで教会で懺悔する罪人のように、やけに小さく見えた。その印象を払拭するように、夏朝の質問に質問を重ねる。
「それで、ですよ天利さん。フィリアさんはずっと眠っていたんですよね。でも、今は歩けるようになった、ていうことは、この前寝子島にフィリアさんが来ていたっていうのは一体どういう訳ですか」
「……」
天利は答えない。何かを迷っている顔だ。
「ずっと眠っていた人が目覚めてすぐ歩けるのもおかしいです。つまり、フィリアさんには何らかの不思議な能力があって……ひょっとしたら病気……の原因……それらは、奥さん譲り……なんですか?」
天利が足を止めた。視線を綾花と夏朝に向けて。固まったままだ。
睨んでいるような。泣いているような目のままで。
「……何を迷ってるのか知りませんけど。どんな事情なのか知りませんけど」
天利の胸を綾花の拳がぽす。と軽く叩く。
「この島には天利さんの事情なんか珍しくないくらい不思議なことが起こるんです。起こりまくってるんです」
ぽすぽす。
「だから、天利さんの事情ぐらい、知ったところで今さら……」
ぼすぼす。
「『そのうち話すよ』って、言ったじゃないですか……!」
ぼすん。
「何かを……誰かを……待っているの?」
そこに夏朝が口を挟んだ。苦虫を噛み潰したような天利の顔。
夏朝にも疑問だった。フィリアから話を聞いた時には『酷い父親だ』という感想も頭をよぎったが、会ってみれば娘との面会に真剣に悩むフツウの親だ。もちろん様々な事情があるのだろうが、軽い気持ちで娘を預けっぱなしにしていたとは思えない。
それならば、なぜ天利はずっとフィリアと離れ、寝子島にいたのか。綾花も言う通り、不思議な事件ばかりが多く起こるこの寝子島に。
そして今、この今の寝子島だからこそ来るであろう、何か。それを待っているのではないか。
「それに……天利さん。フィリアさんは自分のことを『フィリア』って呼ぶ時と『ワタシ』と呼ぶ時があった。あれは……」
夏朝の脳裏に真夜中の一幕が浮かぶ。妙に大人びたフィリアの言葉。
だが、その思考がぶっつりと切られる。夏朝の話を聞いた天利が一気に詰め寄って来たからだ。
「『ワタシ』……『ワタシ』って言ったのか? 『私』じゃなくて!?」
天利はその独特のイントネーションを真似てみせた。しいて言えば、日本語に不慣れな外国人のような発音。
「あ……うん。まるで、昼のフィリアさんとは別人みたいだった……」
そこまで聞いた天利は駆け出していた。先はフィリアを乗せているであろう列車が到着する場所。駅だ。
時間はまだ少しある。顔だけ綾花を振り向いて、天利は叫んだ。
「……来てくれ!!」
「……!!」
綾花はその後を走り出した。
「あ、待ってよ!!」
夏朝も続く。
「Oh! 突然のrunはセンベイトッキョデース!!」
深刻な話に入れていなかったトワも走り出した。もちろん、楓も。
「それを言うなら専売特許だろ、集団行動を乱すなよ……何かあるかもしれないんだろ!!」
楓は気付いていた。フィリアと接触したトワに話を聞きたい天利が、なぜ楓にコンタクトを取ったのか。そこに何らかの事情がある。天利の本心としては、トワのような子供を巻き込みたくなかったのではないか。せめて護衛として楓を通したかったのではないのか。
「そうかもしれないな……用心に越したことはないか」
刀は全員を視界に収められるように最後尾を走った。刀の能力ならば、ここからでも一瞬で割り込めるからだ。
「フィリアは……まだ母親とつながってるんだ……!! アイツが消えた日から、ずっとフィリアは眠ったままだった。だからフィリアが目覚めたってことは……」
天利は走りながら話した。綾花がその後に続く。
「あれは……!!」
ホームに入ってくる列車。空から、白いものがちらちらと降ってくる。
「……雪? 天気予報では晴れだったのに」
夏朝が呟く。冬なのだから、別に雪が降ってもいい。
だが、綾花が驚いたのはそこではない。
「光……金色の……!!」
そう、空から降ってくる雪に混じって、確かにキラキラと輝く金色の光が降りてきているのだ。思えば、この間フィリアが帰っていく時も、同じ光を見た気がする。
「あの光は……」
そして綾花にとってその光は、そのさらに以前にも見たことがあった。
この島にとってはちょっとした猫にまつわる事件。空からの来訪者。金色ウサギたち。
「金色の光は、月の……」
「Oh、なんだか今日はズイブンcatがイッパイなのデース!!」
トワが叫んだ。ここは寝子島だ、猫がいくらいても不思議ではないが、確かに駅の付近に猫が多い気がする。
「いや、違う……これは!!」
楓と刀は思わず立ち止まった。すぐに違和感の正体に気付く。
「全部……白猫だ……」
「!?」
天利の後について走っていた綾花たち一行は立ち止まらざるを得ない。
それは異様な光景だった。駅前に溜まっている数十匹の白猫。空から島中に舞い降りてくる無数の金色の光。先頭にいる白猫がにゃあと鳴いた。何故だか美しい白髪の女性が脳裏に浮かんだ。
「あの白猫……ちょっと待って、あれは夢でしょ……? あれ、でも夢じゃない……?」
その白猫にも確かに見覚えがある。
綾花は頭を抱えた。
頭が痛い。
あれはいつの頃だったか、妙に毛並みのいい白猫を追いかけて夜の街をさまよったのは。
「まさか……?」
そうこうしている間に、駅に列車が入ってきた。
まるで全てを包み込むように雪が降り続ける。
頭が痛い。
島中に舞う金色の光はいくつ舞い降りてきているのだろう。
いつの間にか綾花と夏朝は支え合うようにして立っていた。
頭が痛い。
「フィリアさんはずっと眠っていた……じゃあ、あれは……フィリアさんのお母さん……?」
夏朝の呟きが白い雪にかき消されていく。
ざり、と天利の靴が音を立てた。
一歩。辛うじてまた一歩。
その間にも雪が降り積もる。やがて白猫たちは雪に隠れて見えなくなった。
少しずつ、互いの姿も見えなくなってきた。
「トワ!」
「カエデ!!」
トワと楓は何とかお互いに手をつないではぐれないようにした。
「どうなってるんだ……!!」
刀はそれでも周囲に警戒しながら、駅を睨んだ。
この異様な光景のなか、誰かが駅から出てきた気がする。
それが本当は誰だったのかは分からないけれど。
「フィリアさん……元気、だった……?」
その夏朝の呟きを最後に、全ては真っ白に覆いつくされていった。
こうして、フィリア・天利は寝子島に帰ってきたのである。
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あとがき
担当マスター:
まるよし
ファンレターはマスターページから!
皆様こんばんは。まるよしです。
今回は以前登場した天利の娘、フィリアが寝子島まで帰ってくるまでのシナリオでしたが、いかがでしたでしょうか。
あまり動きがなく、ひたすらラーメン食べてるようなシナリオでしたが、これはいつも通りでしたね。
今回のシナリオでフィリアは寝子島に帰ってきました。
次のシナリオはラストで登場した白猫に関係するシナリオになる予定です。ほどなくガイド作成に取り掛かりますので、今しばらくお待ちください。
今回は本当に皆さんフィリアのプレゼントを真剣に考えてくださっていて、本当に嬉しかったです、ありがとうございました。果たして天利はフィリアのプレゼントに何を選んだのでしょうか?
これから寝子島を舞台に天利とフィリアの話はどうなっていくのでしょう。
もしよろしければ、もう少し天利とフィリアのお話にお付き合いください。
またご縁がありましたなら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月05日
参加申し込みの期限
2020年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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