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「ある ひ の こと。
2ひき の のねずみ 『ぶろ』 と 『ぐら』 は
もり へ でかけて ゆきました」
(これでよかったのかな……)
絵本を開きながら、
鴻上 彰尋
は首をかしげる。
何か、昔読んだものとは、微妙に名前が違っているような気がするのだが。
とはいえ、あまり気にもしていられない。
絵本の内容は、その時代の子供たちの感性に合わせるために、よく変更される――などということを聞いたことがある。
大事なのは、いまこの話を聞いてくれる子供たちに、全力をつくすこと。
止まるわけにはいかない。ショウ・マスト・ゴー・オン。
なんてったって、あおいさんがいるのだから。
顔を上げると、
七夜 あおい
が自分を励ますように微笑んでくれていた。
もともと
鴻上 彰尋
は、ステージ上でパフォーマンスするつもりはなかった。
だがスマホで実況チャンネルから流れてくるステージの様子を見ているうちに、自分もなにかできるのではないか――という気分になった。
手早く着替えて、パレードの本体に向けて走る。目当ては――あれだ、あのバス。
鴻上めあてのバスは『高いド』号。
さきほどまで猫がオカリナ体操を踊り、スズメ軍団が走り回っていた、全てのステージバスの中でもっとも混迷を極めている一角だ。
ちょうど出し物がなく、一息ついているところ。
中継の動画の中であった『絵本の読み聞かせ』。
あれなら、弟と妹たちとやったことがある。
演劇のパフォーマンスなら、任せて欲しい。
スタッフに申し出て許可を貰い、そのまま壇上に上がった。
すぐに、たくさんの子供たちの視線があつまる。
中継用のハンディカメラのレンズが此方に向けられる。
軽く息をついて、平常心をとりもどす。大丈夫、いつもと同じようにやるだけ。
(えーと……)
彰尋は、客席をぐるりと見渡して、どんな童話を読み聞かせするか考える。
と、客席の中に座っている、全身を淡い色に光らせた、気弱そうな少年の姿が目にはいる。
(音の精霊――)
各ステージバスには音の精霊が乗り込み、演者をサポートしたり、裁定を伝えたりするらしい。
だが、彰尋にとってはそれよりも、おびえたような目をした少年の様子が気になった。
(『高いド』の音の精は末っ子だったか……)
確か、気弱で引っ込み思案だと聞いている。
あまり刺激の強い物語は、ショックが大きいだろう。
(こわがらないような、優しい話……)
そのとき、ライブラリのなかから、懐かしい二匹の野ねずみの表紙が目に入った。
(あれだ、あれがいいかな)
二匹の野ねずみが旅をして、ふわふわのカステラを焼き上げて、みんなで食べる物語。
夢があって、ほほえましくて、カステラの印象がずっと後にまで残った。
のちに作者のメッセージを読むことがあって「子供たちにごちそうしたい」という気持ちで書いたという話をきき、さもありなんと思った。
本を手に取ろうとして、彰尋は気づく。
野ねずみは二匹。できれば演者も、自分以外にいた方がいい……。
「あ、すごい! 読み聞かせしてる!」
その時、観客席から聞き覚えのある声がかけられる!
「あおいさん?」
彼の思い人、
七夜 あおい
。
顔を上げると、満面の笑顔で観客席から手を振りかえしてきた。
(……そうだ)
ダメ元で、彼女に野ねずみを頼んでみるというのはどうだろうか……。
演技で不安なところは、自分が手伝えば良い。
彼女の優しくて、細やかな性格は、きっと読み聞かせに向いていると思う。
「うーん……手伝えるのならうれしいけど……私に、できるかなあ……」
乗り気ではあるが、不安そうなあおいに、
「絶対うまくいくと思う」
強引にアプローチをかける。
うーん、としばらく考え込んだ後、
「わかった、じゃあ、手伝ってね!」
ようやく承諾がもらえた。
「2ひき の のねずみ は もりへ おおきな たまごを かいに ゆきました。
ぶろ ぐら、ぶろ ぐら
『やあ あすこだ』」
二匹の赤い野ねずみはさまざまな出会いを経て、大冒険をおこない、すこしずつカステラの材料を集めていった。
小麦粉、ミルク、砂糖……。
ひとつづつ材料が揃うたびに、子供たちから歓声があがった。
みんな、すっかり夢中になってしまったようだ。
卵がころころところげて、割れそうになったあたりでは、あちこちから悲鳴が起こった。
「割れなくて、よかったねー」
あおいも思わず地にもどって、そんな感想を漏らす。
川におちた卵が、なぜか水中が異常に得意な二匹の野ねずみによって拾い上げられたときは、拍手が巻き起こった。
大きな銀のボールに、小麦粉と卵を入れて、牛乳を注いで、カステラの生地を練る。
フライパンの中にバターを落とし込んで、やわらかく焼き上がるカステラ。
ほとんど官能的なくらい、甘く匂やかな食べ物。
きっとこれを聞いた子供たちは、帰ってカステラをねだるだろう。
そして、それを美味しく食べたあとで……(ちょっと想像と違う)と首をかしげるだろう。
そう、それが絵本の魔力。
想像の中で味わったカステラの味ほど、鮮明で、いつまでも残るものなんて、この世に存在しないのだ……。
「ぐらとぶろ……じゃない、『ぶろ』と『ぐら』、これでおしまい」
ぱたりと本を閉じて、にこりと笑いかけると、子供たちの拍手と、音の精の『◎』のプラカードが目に入った。
「やったね!」
あおいのVサインに、彰尋は笑顔で答えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
ぱーすぺ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
神話・伝説
お色気
定員
1000人
参加キャラクター数
19人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月12日
参加申し込みの期限
2020年07月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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