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「……ん」
戸外のざわめきに、
穂現 まう
は目を覚ました。
あたりはすでに暗い。
猫鳴館は妙に静かだ。人の気配がない。
どうも、みんな出払ってしまったようだ。
何か、楽しそうな音が聞こえてくる。
「……ん、何、音楽……?」
毛布から這い出す。
おかしな時間に昼寝をしてしまったためか、頭が妙に重い。
全身が妙な温気を帯びているような気がする。
窓の外には夜の闇が拡がっていて、その奥から、祭り囃子のようなざわめきが響いてくる。
だが、自分のまわりには誰もいない。ひどく静かだ。
「――」
なんだか、自分一人がとりのこされてしまったような、宙ぶらりんな気持ちだ。
首筋のあたりが妙に寒い。
手元のカーディガンを引っかけ、なんとなく、縦笛とオカリナを持って、まうは夜の中に歩み寄る。
(あれ、方向間違えたかな――)
パレードから遠く離れた、灯の落ちた街路を歩むまうの足取りはおぼつかない。
遠くから、明るく華やかな音が響いてくるが、そちらの方向には近づけない。
逃げ水のように、追えば追うほど、逃れていく。
大路から路地に踏み入り、側溝に足をもつれさせながら、まうは歩を進める。
いつのまにか、街は見知らぬ相貌を呈している。普段見知った路地も、夜、灯が落ちれば、それまでとは全く違った姿を見せるものだ。
遠くに犬の鳴く声が響く。
睦月の風が冷たい。胴震いが襲ってくる。
いつしか、まうの進む道は、アスファルトに舗装されたものではなく、砂利の道となり、ゆるやかに隆起し始める。
例えばシーサイドタウンに見かけるような、近代的な建物はない。闇にうずくまるような、昔風の家屋が、こんもりとした木々に覆われている。
この道は、九夜山への道。
方向感覚を失って、自分が何処を進んでいるのかも判然としなくなっても、それだけは理解できる。
闇に目を塞がれて、かえって直感のような部分が、研ぎ澄まされた案配だ。
鳥居をくぐった覚えもないのに、おそらく神社の敷地のような所に迷い出た。
(――こんなところに、神社なんてあったっけ……)
さあっと、冷たい風が吹き抜ける。
まうを誘うようなパレードの音響が、遠くから響く。
足を進めようとしたまうのほほに、何かが当たった。
ひときわ高くそびえる、トウヒの樹である。
見上げても、その上部は闇に紛れて判然としない。
(大きな木の上に上れば……見えるかな)
ほとんど本能的に、まうはトウヒの樹にしがみつく。
太い幹はところどころ節くれ立っていて、容易な足場となる。
枝を手がかりにすれば、それほど不安もなく上る事ができる。
するすると、まうは這い上っていく。
闇の中で、枝が盛大に揺れる音が響く。
かりにまうが、このとき下を覗き込んだら、そこには底知れぬ闇が拡がっていただろう。
自分がどれほど高く上ってしまったか、そもそもこんな夜中に樹に上ろうなどという危険な事を考えたのか、我に返ってパニックを起こしただろう。
このとき、まうが少しの迷いもなく、するすると樹上に上っていくことができたのは、なぜだろうか。
なにか、異様なものに導かれていたのか。
(よいしょ、よいしょ……)
トウヒの樹上、まわりの木々のうちでもひときわ高い場所にたどり着いて、まうは周囲を見渡した。
(わあ……)
闇に包まれた寝子島。
そこに、光の帯がモールのように、燦めいてる。
彼方の海が、闇に包まれて沈黙している。
モールの先は、……ここ、九夜山。自分のいる場所から、すこし離れたところ。
(九夜山に、ライブ会場がある)
(ここ数日、何か音がするとは思っていたけど………)
ライブ会場は、盛り上がりが最高潮の様子だ。
たくさんの人たちが集まっている。
何やら光の靄のようなものが沸き立っている。音の精たちが、それぞれ盛んにパフォーマンスを裁定しているのだが、とうぜんまうには見えない。
(大きな、キラキラしたねこ……ねこ?)
不意に、樹上のまうを、冷たい風が揺らした。
暖かな、楽しそうな光。
(混ざりたい……楽しそう)
でも――。
まうの心に、寂寥の風が吹いた。
(今から降りて駆けつけても……追いつけないかな)
そしてまうは、再び地上にいた。どうやって、あの樹上から降りたのか判然としない。
木々の隙間から、そちらの方向から透かして見れば、七色の光彩が鮮やかに乱れ飛んでいる。
ここでいい。ここで自分は、十分。
ここからでも、一緒に楽しめる。
「……まうまう」
闇に語りかけるようにして、ろっこんを発動させる。
すると、闇の中から、もう一人のまう、『まうまう』があらわれる。
まうと同じ姿の、もう一人の彼女。
「まうまうも、まうと一緒にわちゃわちゃ……する?」
まうの問に『まうまう』は、にっこりと頷く。
遠くから、パレードの楽しそうな音楽が響いてくる。
それに合わせて、二人のまうは、縦笛とオカリナを奏でる。
澄んだ音色が、殷々と神社の境内に響く。
二人のそっくりな少女だけの、こっそりわちゃわちゃ。
ひどくしずかで、まるで世界中に二人だけ残されてしまったようだ。
「皆に交ざってわいわいできないのは寂しいけど……こういうのも、森の妖精みたいで、少し楽しいね」
まうが笑うと、もう一人のまうも笑う。
闇の中の、二人ぼっちの、ささやかなパレード。
* * *
「……」
やっぱり、間に合わなかった。
パレードが終わった後の、片付けが始まりかけている現場に、
穂現 まう
はいた。
もう一人のまうと、二人で音楽を奏でて満足したつもりだったのだけど、やっぱり人恋しくて、街の大路へとやってきたのだ。
でも、やはりパレードは終わっていた。
みんな気ぜわしそうに、後片付けに追われていて、自分の事なんか構いつけない。
夢から覚めてしまったように、だれもかれも日常の世界に戻ろうとしている。
自分一人、ここでも取り残されてしまった感じ。
やっぱり、ここでも間に合わなかったか。
肩を落とすこともなかった。なんとなく予想はついていたから。
お弁当でも売っていたら、買おうと思ったけど……。
仕方がない。猫鳴館に戻って、お菓子か何か囓って、毛布にくるまって寝てしまおう。
そうすれば、また、日常がもどってくるから……。
「ちょっと、ちょっとあなた!」
聞きなれぬ声がして、まうは振り返った。
「あなた、ねえ、一人ぼっち?」
見ると、そこには一組の夫妻がいた。
背広に身を包んだ、がっしりした旦那さんと、まだ女の子みたいな奥さん。
奥さんの方は、なにかの衣装の上にカーディガンを羽織っている。
「知り合いなのか?」
怪訝そうな旦那さんを「ちょっと」と声をかけて、奥さんは走り寄ってくる。
「独りぼっち――なの?」
目を覗き込む。
まうは、奥さんの姿にちょっとどぎまぎする。
抜けるような肌の色、鮮やかな瞳。日本人じゃないのだろう。元気そうだが、どこか面窶れした風情もある。
「……」
「これ! これ、お弁当! あったかいお茶もあるから、食べて!」
ぐいっと、お弁当を二つ押し付けられてしまった。
まうはうなずく。
「元気だしてね! パレードなんだから!」
旦那さんと、それから娘さんに呼ばれて、奥さんは答える。
笑顔を自分に向けて、彼女は走り去った。
「どうしたんだ、一体……」
「ごめんなさい、でも、なんか放っておけなくて……」
あっけにとられるまう。
その胸には、二つのお弁当と、まだあたたかいお茶があった。
「まうまうと一緒に……たべよう」
ろっこんの効果が切れて、消えてしまったまうまうだが、自室にもどって呼び出そう。
そしたら、ふたりで食べよう。
ちょっとかわった、でもとっても一生懸命できれいな奥さんから、お弁当。
なんだかしらないけど、もらっちゃったっていえば、きっとまうまうも笑ってくれるかも。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
ぱーすぺ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
神話・伝説
お色気
定員
1000人
参加キャラクター数
19人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月12日
参加申し込みの期限
2020年07月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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