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キラキラチアリーディング! 応援パレパレパレード♪
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「……なっ、なんで俺が……」
アコースティック・ギターを抱えて、ステージトラック・レ号の上に引き出されたのは、気弱そうな眼鏡の少女。
だがその様子、口調、ふるまいは男性以外の何ものでもない。
七瀬 春華
……いまは柊という名の男性人格である彼は、自分をここに連れてきた張本人に、怒りを向ける。
自分を最もよく知る相手。
自分の、もう一人の人格。
『パレードがあるらしいから見に行ってくるといいよ。楽しんできてね』
目を覚まして机を見ると、走り書きがあった。
見間違えるはずもない。自分の筆跡なのだから。
それにしても春華……ずいぶん楽しげな調子で手紙を残したに違いない。
ガラスに写った、気弱な少女の寝起き顔を見る。
この女が上機嫌な時は、大抵ろくな事が起こらないのだが……。
(まあ、せっかくだし行ってみるか……)
あまり何の期待もせずに。パレードに出かけたところ。
「おう、姉ちゃん! 手伝ってくれ!」
「君は実に、このステージに向いている気がするよぉ~」
サンマとマンボウのペアに無理矢理、トラックの壇上に上らされたのだ。
(暴れて逃げようか……)
そんな剣呑な思いが浮かぶが、
(騒ぎは起こすなと日頃から春華に言われてるしな)
なにより、楽しそうな家族連れの多いパレードの気分を壊すことはしたくない。
「ちっ、わかったよ!」
腹を決めた七瀬、ギターを構える。
するとそれを待っていたかのように、聞き覚えのあるメロディーが流れ始める。
「それでは歌って歌って頂きましょう! 元気いっぱい、歌は――」
「キャー! 頑張って――!」
MCのマイクパフォーマンスに割って入り、フジコちゃんこと富士山 権三が野太い声を上げる。
サンバなファッションに身を包んだ彼、その歌は彼のフェイバリットだったのだ。
七瀬が選んだのは、少し前のヒット曲。
ラテン調の複雑なアレンジが、アップテンポの曲調を彩る。
悲劇的な二人の出会いから、破滅の恋までをまっしぐらに歌い上げる、ロマンチックな曲だ。
だが、その超絶技巧故に、カラオケで素人が歌いきるのはほぼ不可能。
ボーカロイドのアレンジもテクニックを必要とし、作られる動画は僅か。
動画サイトからブレイク……のような昨今のはやりに乗らなかった、知る人ぞ知る曲という位置づけなのだ。
「かっこよく歌ってね――ん!」
カラオケボックスで無残に撃沈を繰り返したフジコちゃん、意欲に満ちた少女の出現に声援を送る。
(ようし――)
七瀬は息を吸った。
――もしも……
一節歌い上げただけで、感嘆ににた声が、さざめきのように客席に拡がった。
七瀬自身の性質は、まぎれもなく春華―――女性のもの。
だがその本質は、柊――男性のそれだ。
かすれる高音は力強く。
響き渡る低音ははかなげに。
男性と女性、両者の長所を生かした独特の歌唱法で、七瀬は困難を極める楽曲に、深い表現を与えていた。
ギターの調べに合わせて、バンジョーの音色とギターの響きが加わる。
生演奏のカラオケなんて、ここ最近は見られないが、本格的な奏者の力を借りて歌うのは、格別の豪華さだ。
歌は続く。
悲劇を予感した出会い。
やがて来る破滅を知りつつも、恋にのめり込んでゆく二人。
その官能と、憂鬱。
ラテンの曲調は哀切で、バンジョーの明るい響きがかえって虚無の思いをあおり立てる。
季節は夏から秋、そして冬へ。
七瀬は歌い続ける。
巧みな息づかい。繊細なささやき。
技巧的でありつつも、情熱に満ちたうたいぶりに、いつしか観客は聞き惚れてしまっている。
たたみかけられるのは「もしも」のリフレイン。
後悔しつつも逢瀬を重ねずにはいられない二人は、ありえたはずの二人の幸福な姿を想像する。
もしも、こうでなかったら。
もしも、ああでなかったら。
そうした想像を、戯れにも繰り広げることこそが、今ある自分たちの幸福を陰らせることだと知りつつも、二人は想像を止めることができない。
やがて来る激しい破局。
痛切なバイオリンとギターが、二人の破局を彩る。
七瀬の絶叫は最高潮。
その瞬間。
「――」
光を纏った、少年の姿がステージに現れる。
派手な格好をした少年。
「音の精……」
かすれたささやきが、どこからか漏れる。
(…なるほど、これが噂に聞いた……)
歌にのめり込みながら、どこか冷静に七瀬は考える。
この島でこんな不思議現象は珍しくないので、特に驚きはしない。
「ダンスで手伝うぜ!」
爆走ボーイの音の精、ディーンはラテンの曲調にダンスで答える。
力強いテクニックに満ちたダンスは、どんな音楽にもよくあうのだ。
「――むしろ盛り上げてくれてるみたいだし、ありがたいもんだ」
そして、最後の一節がもの悲しげに響き渡る。
――もし別の出会い方をしていたら
――笑顔で手を取り合えただろうか
そのままギターのソロがもの悲しく響き、あとは沈黙。
客席が一瞬静まりかえった。
「キャー! サイコー!」
続けて、狂ったようなフジコの拍手が響き渡る。
その拍手は、瞬く間に大きなうねりになって、七瀬に押し寄せた。
「やるな、あんた。男顔負けのロックビートだぜ」
音の精、ディーンが息を切らしながら、七瀬にサミングアップを送った。
「あ、ああ……」
息を切らし、防戦とする七瀬。
その脳裏には、先ほどの歌の一節が、ぐるぐると巡り続けている。
――もし別の出会い方をしていたら
――笑顔で手を取り合えただろうか
(俺と春華も、そうだろうか……)
ひょっとして、今回のこのステージも、春華のお膳立てなのかもしれないな……。
そんな、らちもない想像が頭をよぎる。
その時、ステージの端の鏡面になった部分から、春華の笑顔がのぞけた。
たしかに、笑っているように見えた。
春華が笑ってくれたのなら、それでいいかもしれないな――そんなことを、柊は考えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
ぱーすぺ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
神話・伝説
お色気
定員
1000人
参加キャラクター数
19人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月12日
参加申し込みの期限
2020年07月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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