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続いて、ミ号のステージに颯爽と現れた姿に、観客がどよめく。
(おい、あれ、ヴァイオリニストの……)
(
深林 真瞭
?)
(なんでこんな所に……寝子島在住とは聞いていたが……)
(おいおい、豪華すぎるだろう、今回のイベント……)
観客たちの混乱と興奮をよそに、鮮やかなドレスに身を纏った真瞭は、壇上から笑顔を向ける。
悠然として、艶やかなその姿は、彼女が充実した日々を送っていることを伺わせる。
彼女に従うアンサンブルが着席し、それぞれに楽器の調整を行う。
真瞭も含め、町長からの依頼に応じた、一流のミュージシャンだ。
クラシック業界の裏事情に通じたゴシップ好きでなくても、
深林 真瞭
の近辺を騒がせた諸々のスキャンダルは、耳に入るところであった。
所属楽団での意見の相違、人間関係のトラブル、そして脱退……。
天性の芸術家、生粋の音楽の使徒である
深林 真瞭
にとって、そうした俗世のよしなしごとは、単に彼女の凜質をすり減らし、病ませることに過ぎなかった。
トラブルの大きさよりも、そうしたことがらに巻き込まれて、自分のバイオリンの音が濁ってしまうことに、真瞭は深い憂いを抱いていた。
独立する――。
だれの束縛も受けず、心の趣くまま、自分のバイオリンを求める人のもとで、音楽を演奏する――。
プロの音楽家ならば、だれもが一度は願う。
だが、実現は不可能。
大手の楽団の後ろ盾がなければ、自分を売り出すことはできない。
そのリスクを背負い、真瞭はついに独立を選んだ。
これ以上、自分のバイオリンを濁らせるわけにはいかない――。
金銭、名声、それらをすべてなげうってでも、彼女が望んだことは、自分のバイオリンを守ることだったのだ。
口さがない噂、根も葉もないネットの中傷を構いつけず、真瞭はさっさと独立し、寝子島で活動を開始した。
元いた楽団、その周辺の人間からの嫌がらせもあったらしいが、真瞭には全く痛痒とならなかった。
寝子島の潮風を浴びて、降り注ぐ陽光の中でのバイオリンのレッスン。
心ゆくまでバイオリンを弾くことが、いかに彼女が欲していたことで、いかに彼女を癒やすかを、痛感した。
ソロ活動を開始したと聞いた彼女のもとに、多数のオファーが舞い込んだが、彼女はそれを慎重に吟味した。
少しでも自分の意に染まぬものならば丁重に辞退し、逆に地方の小規模なコンサートでも、その主催団体が良い人であり、良い仕事に恵まれたと感じたならば、謝礼の額に拠らず出向いて、バイオリンを披露した。
バイオリンと共にあり、バイオリンとともに生きる日々。
昔の、バイオリンが本当に好きで、バイオリンのことしか考えていなかった自分を取り戻せた気がした。
時折、寝子島でであるさまざまな奇妙な事件も、自分の霊感の着想となり、バイオリンの表現の幅を広げるきっかけとなった。
自分なりの表現をひたすら追い求める日々に、
深林 真瞭
は沈潜していったのだ。
バイオリンを構え、弓を当てる。
二の腕の白さと、大きく結わえ上げた髪、首筋からのぞく項の輝きが、観客の目を打った。
「子猫ちゃん、元気してるみたいだね。演奏が終わったら、オレと遊ぼうぜ」
ぱっと散った光から姿を見せるのは、チャラ男の音楽の精、エリック。
「およびじゃないわ。この間私に振られたのに、まだ懲りないの?」
艶然と笑い、エリックに目を向ける真瞭。
「君はオレの心を掴んでしまったんだ」
「黙って、そこで私の演奏を聴いていなさい」
見え透いたお世辞に構いつけず、真瞭はバイオリンに神経を集中させる。
(ますは、小品から――)
柔らかく流れ始めたバイオリンの音色に、一同が感嘆の声を上げる。
エルガー『愛の挨拶』。
『威風堂々』の作曲者としても知られるエルガーの、婚約者に当てた作品として知られる佳品だ。
のちにエルガーの妻となった彼女は、日記に「天才の面倒を見るというのは、いかなる女性にとっても生涯の仕事として十分なものです」と記したという。
優雅で繊細なバイオリンの音色は、観客を次第に魅了していく。
「ヒュー! すごいね!」
曲が終わり、熱烈な拍手が彼女を包んだ。
エリックも賛嘆の拍手を惜しまない。
「びっくりした。オレはクラシックに興味ないんだけど、こんなに感動したのは初めてだぜ」
「音の精のくせに、クラシックに興味がないの?」
苦笑して、ふたたび真瞭は弓を構える。
とても調子がいい。
自分自身の、何かが吹っ切れたようだ。
いまの私は、爆発するエネルギーが心のそこから湧き上がってくるようだ。
――よし。
ふっと、強く息を切る。
と同時に、電撃的な速度で、彼女は演奏を開始する。
圧倒的な音響が寝子島の空を領する。
ここまで情熱的に、力強い音をバイオリンは奏でることができるのか。
身体そのものを一つの楽器と化し、身をよじるようにして音楽を奏でる彼女の劇場に、観客は唖然となる。
メンデルスゾーン、バイオリン協奏曲。
本来、このイントロのバイオリンソロパートは、繊細に優雅に奏でられる。
だが一部の女性バイオリニストは、このソロパートを激情を高ぶらせて、一気に演奏する。
その迫力溢れる演奏によって、このバイオリン協奏曲は相貌を一変させるのだ。
柔らかく各パートがリレーすると思わせた構成は、息もつかせぬ緊迫したつながりへ。
吹き荒れる怒濤の音塊があふれかえり、緊張の途切れぬままに次の楽章に移行する。
だが、この演奏を可能にするのは、バイオリニストの卓絶した技術が必要だ。
真瞭はソロパートを楽々と弾きこなし、そのうねりの中で次のフレーズを奏でる。
自分のバイオリンが、自分自身で制御できなくなりつつあるのを真瞭は感じる。
バイオリンは、扱いにくい楽器の典型とも言われる。Fiddle――小型のバイオリンは、英語圏では「扱いにくい」という形容詞として使われる。
このところ、真瞭は自分のバイオリンが、いっそう自分の手に負えないようなしろものになりつつあるのを、感じる。
多分、気のせいではない――判っている。
手に負えなくなりつつあるのは、あらゆる束縛から解き放たれ、この寝子島の地に根を下ろし、どこまでも気ままに演奏する、この私。
バイオリンと徹底的に戯れ、どこまでも天衣無縫に、音楽の神に奉仕し続ける、この私。
激情とともに楽章を弾き終え、オーボエのかすれた音が響き渡り、音楽の終結を伝えた。
一瞬の間の後、万雷の拍手が巻き起こる。
「たいしたもんだ! さすがオレの子猫ちゃん! 惚れ直しちまったよ!」
プラカード「◎」を掲げるエリック。
割れんばかりの歓呼の声に応じ、真瞭は深い感動が身内を満たしていくのを感じた。
このあとは、ベートーベンのロマンス、そしてブラームスと続き、どれも重量級の楽曲が続く。
――かかってきなさい。どれでも、やりこなしてみせる。
敢然としたまなざしを、真瞭は宙に向けた。
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担当ゲームマスター
ぱーすぺ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
神話・伝説
お色気
定員
1000人
参加キャラクター数
19人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年07月12日
参加申し込みの期限
2020年07月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年07月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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