【ネコミケ冬】ファビュラス！　あつまれネコミケ☆｜リアクション

【ネコミケ冬】ファビュラス！　あつまれネコミケ☆

☆引きこもりオタク系和姫チョイス！

「高校ラストのネコミケ参加だしちょっと頑張ってみたいよね　んむ」
　ということで寝子高三年の黒兎都は、コスプレ部の活動としての（自発的な）締めにふさわしい何かをしようかと思い立ちました。
　めんどくさいことが苦手な都ですが、オスプレに関してはこだわりがあります。
「何かって何だって？　……なんだろうね？」
　自分に突っ込みながら、ボケーッと都は考えました。
　そして。

（というわけで、はい。今回はちょっと装備増し増し系をチョイスしてみました）
　都が着こんだのは、引きこもりオタク系和風もどきの姫っぽい衣装でした。
　めんどくさがりの都と通じるところがある感じの性格のキャラで、思い浮かんだとき即決したのでした。
（何が今までと違うかって？　姫チョイスなんて今まで公ではしたことないのよ、コス部仲間内ではやったこともあるけども……あれ、衣装がそれなりに多めなので）
　更衣室を出るべく動き出しましたが。
「ぶっちゃけ重い、動きづらい……うち軽装系のコス多かったからなー……軽めの生地にしたつもりだったけど割と重いわこれ……」
　よろよろと広場へ向かう都。

「あとあれ、胸のサイズが足りないことに関しては質問を受け付けない、いいね？」
　モデルのキャラは適度にムチムチな体型……結構胸が大きめなのでした。
　けれど思い過ごしだったようで、みんなそんなことは気にしていない様子でした。
「姫様、こっち向いてください！」
　リクエストに応え向きを変えるときは、よろよろしてはいられません。
（一応姫様らしいところも見せなくてはならんからの）

「黒兎先輩？！」
　昼過ぎ、ギャラリーが途切れた時に赤いウィッグの少女が声をかけてきました。
「かーさちゃん」
　同じ寮の猫好きな後輩、夏朝でした。
「素敵な衣装……写真撮ってもいいですか？」
「ありがと、結構重いんよこれ。うん、いいよ撮って」
「大変ですね……それじゃ撮りますよ」
「まぁ、でもとりあえず最後だしね、楽しまんとね。テーマ的にもあってるはずだしイケるイケる、ふぉびゅらすぅ」
「ふぉびゅらす……！」
　カシャッ。
「あの、次撮らせてください！」
　気が付けば、ギャラリーが増えていました。
（黒兎先輩、高校ラストのコスプレだよね……記念に写真撮れて良かった）
　会釈してそっと去ろうとする夏朝に、都は声をかけました。
「あとで新刊とぬこの栞とシール買いに行く」
　二人は一瞬笑みを交わすのでした。
　