this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
雪空に憂う
1
2
3
4
5
つぎへ >>
【雪降って、天輝く】
湿った重たい雪が横殴りの風に乗り、
白 真白
の頬を叩いた。島では稀に見る猛吹雪だった。
「ひゃー。すごい雪になっちゃった」
両手に提げた買い物袋は満載で、手のひらにずしりと食い込む。程なく止むだろうと予報は言うが、だからといってあまり長く外を歩きたくはない。
よろめく程の強風に耐えながら視線を巡らせると、カフェらしき看板がちらと目に付いた。
「よし、あそこまでダッシュだー」
息を切らしながら看板の下へとたどりついた時には、真白の全身は名前のとおりになっていた。
軽く雪を払ってから扉を押すと、からころと軽やかな鈴の音が真白の胸を軽くしてくれる。
「いらっしゃいませ。上着をお預かりしますね」
「あっ、すみません! 雪まみれで……」
「お気になさらず。すごい雪ですねえ」
中年の女性は、カウンターでグラスを拭っている店主らしき男性の奥さんらしい。清潔感ある装いや古式ゆかしいレトロな雰囲気に安堵しつつ、案内された窓際の席へ腰かける。
店内に真白のほか、客は一名。スピーカーから流れる静寂と紙一重のジャズは店主の趣味か。窓の外に雪は変わらず吹きつけているが、真白の胸はじんわりとあたたかい。
卓のメニューを開く。
「ふー、すっかり冷えちゃった。なんかあったかいのが欲しいなぁ……すみませーん」
「ご注文お決まりですか?」
「このホットのほうじ茶ラテと、モンブランのセットください」
「かしこまりました。少々お待ちくださいね」
堅苦しくもなく、フレンドリーにも過ぎず、絶妙な距離感。穏やかな微笑に、真白の頬も緩んだ。
ほうじ茶ラテを用意する店主の鮮やかな手並みに見とれていたら、待つのに飽きることもなく注文の品が揃う。
「わー、綺麗だ」
「ふふ。ごゆっくりどうぞ」
淡く緑がかった乳白色に、クリームがゆるく渦を巻く。
ひと口、含む。ほうじ茶の香ばしさとクリームのまろやかさが絶妙な塩梅で混ざり合い、細やかな気泡が雪めいてほどけた。
「ん、美味しい~」
滑らかなモンブランへフォークを入れながら、しばし遠国の雪深い山へなど想いを馳せる。
荷物の中に買ったばかりの小説があったことを思い出し、取り出した。
手の中に心躍る物語。かたわらには芯からあたたまるラテにケーキも。窓の外に重く垂れこめる白いカーテンさえ、それらを引き立てた。
「たまにはこういう時間もいいよね」
小さな幸せを、真白は心ゆくまで堪能した。
「……ふあっ」
ふと目を覚ます。
スピーカーは変わらず小気味よい音色を奏でているが、壁掛け時計が示す時間は、真白の記憶とずいぶん食い違っていた。
「あ、あれ。寝ちゃってた!?」
「あら。起きられました?」
あんまり気持ち良さそうに眠っていたから、と女性は笑った。
卓の上は気づかぬうち、すっかり片付けられている。
「す、すみません……あ! ほうじ茶ラテとモンブラン、すっごく美味しかったです」
「ありがとうございます。気に入っていただけて良かったわ」
こんなにも上品で素敵な女性を前に、だらしなく寝顔をさらしてしまったことに真白は少々頬が熱くなったが、女性は気にするそぶりもない。真白の苦笑いもすぐに朗らかな笑みへと変わった。
読みかけの小説にしおりを挟み、ふと窓の外へ視線をやると、明るさに思わず目を細める。
「あ、いつの間に」
風雪は鳴りを潜め、代わりに雲の切れ間からはくっきりとした光条が幾筋か差し込んでいた。
「うわぁ……」
「十分ほど前にやんだのよ。グッドタイミングね」
少しくだけて言った女性に、カウンターの店主も寡黙にうなずいた。
真白のほかに客はなく、流れる時はゆったりと落ち着いている。もう少し居たいような気もしたが、眠っていたとはいえ十分に長居した。
「そろそろ帰りますね。ごちそうさまでした……っと、ちょっとお手洗い、借りてもいいですか?」
「ええ、ご遠慮なくどうぞ」
個室へ入り、のっぴきならない事情で重たくなった下穿きを換える。難儀な後遺症には辟易とすることもある……が、少なくとも今日は心がささくれることもない。胸を満たす小さな幸せに、真白は感謝した。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
夫婦に見送られ、店を出る。
空は快晴とまでは言い難いが、雲を貫く光条はかえって幻想的とも思えた。まるで先ほど読みふけっていた小説のワンシーンだ。
晴れやかな心地で、真白は帰路を楽しんだ。
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
雪空に憂う
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月30日
参加申し込みの期限
2020年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!