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雪空に憂う
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【別れの前に】
寒さに目を覚ます。けだるく手を伸ばしカーテンを引くと、雪景色が広がっていた。
めまいを恐れて慎重に身を起こす。昨夜は悪夢を見なかった。調子は悪くない。
布団から抜け出すと四肢は冷えたが、頭頂から脊椎に至るラインにはどうしてか、じんわりと嫌な熱を感じた。
「……?」
覚えのない感覚に、
弥逢 遊琳
はしばし惑う。が、すぐに思い至った。
この熱は、憂いだ。冷めているふりをして、どこか後ろ髪を惹かれている自分がいる。
暗がりを歩み、明かりをつける。
浮かび上がるのは見慣れた部屋だが、置かれた家具類や調度品は、どこか肌には馴染まない。遊琳はこれらを契約物と称した。自分の持ち物ではないのだ。
これらの持ち主は、今ここにはいない。しかし卓の上のカップやソファに残るぬくもりを見るに、遊琳が眠っている間にここへ来て、起きる前に出ていったのだろう。
声のひとつもかけてくれたら……と、今はもう思わない。感傷を抱けるような時期はとうに過ぎてしまった。後はゆっくりと、離れてゆくのみだ。
「ふぁ……」
あくびをかみころす間に、切れ長の瞳を思い出す。合鍵の持ち主を。
彼にはどこか、聡い遊琳にさえ図れないところがあった。不思議なほどに鋭い見識を持っていた。彼を前にすると、見透かされているようにも感じてしまう。さりとて居心地が悪いわけでもなく、冷淡な態度に隠された気配りや細やかな配慮には安堵を覚えずにいられない。
とかく不思議な存在だった。
遊琳とて複雑な感情の持ち主ではあれど、彼へ慮る心を返すもやぶさかではないはずだったが、気づけばすっかり、
「甘やかすはずが、甘やかされちゃって……」
ぽつり、独り言つ。
唐突なもの寂しさを覚え、ソファへぽふと身を横たえる。ぬくもりはまだそこにある。
捨て去るには惜しい、この居心地の良さ。
しばらく微睡んだ。起きねばと憂鬱を噛み締めるもすぐに、今日は休日であったと思い直す。
微睡みと半覚醒を行き来しながら、やはり彼のことを考えた。往々にして、この部屋を訪れる目的こそが不安に揺れる心を定めんがためであり、自然と彼の痕跡を追ってしまうのは無理からぬことだ。
それだけ、大きな存在だった。
そして、全て捨て去ろうとしている自分がここにいる。
馬鹿なことと迷わなくもない。しかし、もう決めてしまった。
ソファのぬくもりはとうに遊琳自身のものだが、図らずもしばしそれに浸った。
浸りながら、もう少し彼について思いを巡らせた。それはある意味で、自身を深く掘り下げることにも繋がった。
甘えたいのは、自分自身なのだ。しかし容易に弱い自分をさらすには憚られるから、その反動のように相手を甘やかそうとするのだ。
そして彼には遊琳のそんな潜在意識的欲求の発露を見抜かれていた節があったし、それを逆手に取られて翻弄されることさえあった。あっさりと仮面を剥ぎ取られ、遊琳は自らを繕う方法を忘れた。
そんなふうに惑うのが、心地良かった。
遊琳は自身の多分にねじくれた心根を自覚しているし、それがもとで引き起こされる悪夢のような出来事もあったが、彼はそれすら取り払ってくれた。まるで信じ難いことに。
「あの子の周りは、何かが狂って捻じ曲がっていく……」
彼を中心に形成される特異点。奥深くに覗く感情に巻き込まれたなら最後、全てが浄化されていくような……そんな益体もない想像までも浮かんだ。
それらを全て、捨て去ろうとしている。
「忘れ物は……ないかな」
立つ鳥跡を濁さずという。受けた恩に報いるべきとは思うが、彼はその対価を口にしたりはしないし、なんなら思いもよらないのかもしれない。
だからどうにも未練が残り、こうして用もなく訪れてしまう。彼が在ろうとなかろうと。
返せるものがないというのは、思いのほか胸に響いた。自身の確かな核を見失ったかのように思えて、心が冷えた。
部屋を出て鍵を閉め、振り向くと、雪はまだ降りしきっていた。雪は重く、湿り気を帯びていた。
「……大切にさせてくれたら、それでよかったのに」
口から滑り出る言葉は、どうしてこんなにも虚ろなのだろう。背にのしかかるような感覚を覚え、足取りは鈍くなる。
それでも、決めたのだ。
訪れるのが最後になるわけではないが、それでも扉から遠ざかるごとに、遊琳の胸は抑えがたくざわついた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月30日
参加申し込みの期限
2020年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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