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決めろ！ 必殺ポーズ！！ ―戦隊ヒーローは君だ―
起：楽守戦隊カマエルンジャー 第２５話 『囚われの五十嵐博士を救え！』
乾いた風が吹く採石場っぽい場所。悪の秘密組織【混沌の使徒（アスポラルオブカオス）】の一団はそこにいた。
対立している戦隊の戦士たちを待つクロウクィーン（四十九院 鸞）はちらり、と後ろを見て……二度見して口をぽっかり開けた。
十字架に貼り付けていた筈の五十嵐博士（五十嵐 尚輝）の姿がないのである。
「！ 裏切り者がいるとでもいうのかしら？」
いつのまにか乗馬用の鞭を手にし、戦闘員に蠱惑的な笑みを向けるクロウクィーン。その傍らで引きつった笑顔を浮かべている猫獣人は内心で呟いた。
（あー、またクロウクィーンが怒ってるよぉ……）
彼の耳が無意識にぺたん、と伏せられる。
説明しよう！ 彼は怪人ネコバンジョー！ 【混沌の使徒】の幹部の一人である！！ 普段は一般的な男子高校生に擬態しているがその正体は鋭い爪を持つ猫獣人系怪人！ 招き猫のような右手をあげるポーズから、そのまま右手を空へ勢いよく突き上げるのが決めポーズだ！
そんな彼の様子にクロウクィーンはびしっ！ と鞭を鳴らした。
「貴方も幹部でしょう？ これぐらいの事で怯える訳ないわよね？」
「あはは、そんなわけないでしょう？」（うぅ、青筋たってる……ちょっと怖い）
と明るい笑顔で応じるネコバンジョーではあるものの、内心引いていた……が、次に聞こえる声に大きなため息を吐くことになる。
「あぁ、ドクター五十嵐なら磔にしているよ？ こっちでね」
どこかのんびりとした中性的な声。その正体は白い髪の女性だ。彼女はそう言って明らかに場違いなマッサージチェア（リクライニング機能付き）に拘束された五十嵐博士を見せつけた。
「どこが磔なのよ」
「いいや、磔さ。このマッサージチェアにね！」（どやっ）
ウインクをぱっちり１つ決める彼女。実を言うと、彼女もまた【混沌の使徒】の一幹部なのである。
「ふん、貴女が出る幕でもなくってよ、ジャックドサンタ」
つまらない冗談はよして、とクロウクィーンが鼻を鳴らす。だがジャックドサンタ（旅鴉 月詠）は楽し気に笑うだけである。
（うぅ、クロウクィーンの機嫌が悪いと部下にまで当たるしなぁ……）
ネコバンジョーはなんとなく胃がしくしくし始め、そっとお腹を庇った。そして、小さくため息を吐く。
「あーあ。ダークナイトさぁん……、どこいっちゃったんだよぉ」
彼は、ふといなくなってしまったもう一人の幹部の名を紡いだ。
その頃、崖の上では……。
「……五十嵐博士は、そこにいるんだね」
「予想以上に敵、多くない？」
小柄な男の子と、ツインテールが目立つ乙女が崖下の様子を見ながら話し合う。同じようにしていた赤毛の少女がごくり、と息を飲んだ。
（むふー！ ヒーローになれるなんてすごいッス！）
……どうやら、この状況に胸がわくわくしているようだ。
『君たちの活躍に、期待している。五十嵐博士を頼んだぞ、諸君！』
熱く語り掛けるのは、彼らを時に優しく見守り、時に厳しく指導するバルツァ司令（テオドロス・バルツァ）。彼は声に切実さを滲ませながら３人に頼むのだった。
曖浜 瑠樹、落合 まゆら、古尾 桐子……彼らこそが、『楽守（らっかみ）戦隊 カマエルンジャー』である。
「大丈夫かな……？」
まゆらが、敵の数に表情を険しくする。だが、桐子はにっこりわらった。
「相手にとって不足なしっす！ うちらに掛かれば五十嵐博士もぱぱっと救助できるっすよ！」
頼もしい笑みを浮かべる桐子。瑠樹とまゆらは彼女と頷き合った。
「それじゃあ、カマエルンジャー！ 出撃っすっ！ みんな！ ウチについてくるッスー！」
「「おーっ！！」」
その頃。少し離れたところで、カマエルンジャーの３人の様子を見ている者が１人。謎の乙女（滝原 レオン）は３人がみているものが何か気づき、小さくため息を吐く。
（嫌な予感が、するわね……。それにしても）
どこか愁いを帯びた眼差しの乙女は、クロウクィーンを見てぽつりとつぶやいた。
「相変わらずやってくれるわね、クロウクィーン」
はたして、カマエルンジャーの敵なのか、味方なのか……。
そして、物陰からクロウクィーンたちを見ている者が。恵御納 夏朝である。彼女はカマエルンジャーを何かとサポートしてくれる仲間の一人である。
（戦隊の知識は、ちょっとなんだけど……いけるかな）
と内心で気にしている一方、心配になったことが。というのも眼前に集う怪人たちの中にとある女性教師の姿を見たのだ。
（……四十九院先生？ そんな……！ まさか『もうどうでもいい駄鳥烏神』の残滓か何かに操られて……？）
夏朝は、ぐっ、と胸元で手を握りしめた。
乾いた風が吹く採石場っぽい場所。悪の秘密組織【混沌の使徒（アスポラルオブカオス）】の一団はそこにいた。
対立している戦隊の戦士たちを待つクロウクィーン（四十九院 鸞）はちらり、と後ろを見て……二度見して口をぽっかり開けた。
十字架に貼り付けていた筈の五十嵐博士（五十嵐 尚輝）の姿がないのである。
「！ 裏切り者がいるとでもいうのかしら？」
いつのまにか乗馬用の鞭を手にし、戦闘員に蠱惑的な笑みを向けるクロウクィーン。その傍らで引きつった笑顔を浮かべている猫獣人は内心で呟いた。
（あー、またクロウクィーンが怒ってるよぉ……）
彼の耳が無意識にぺたん、と伏せられる。
説明しよう！ 彼は怪人ネコバンジョー！ 【混沌の使徒】の幹部の一人である！！ 普段は一般的な男子高校生に擬態しているがその正体は鋭い爪を持つ猫獣人系怪人！ 招き猫のような右手をあげるポーズから、そのまま右手を空へ勢いよく突き上げるのが決めポーズだ！
そんな彼の様子にクロウクィーンはびしっ！ と鞭を鳴らした。
「貴方も幹部でしょう？ これぐらいの事で怯える訳ないわよね？」
「あはは、そんなわけないでしょう？」（うぅ、青筋たってる……ちょっと怖い）
と明るい笑顔で応じるネコバンジョーではあるものの、内心引いていた……が、次に聞こえる声に大きなため息を吐くことになる。
「あぁ、ドクター五十嵐なら磔にしているよ？ こっちでね」
どこかのんびりとした中性的な声。その正体は白い髪の女性だ。彼女はそう言って明らかに場違いなマッサージチェア（リクライニング機能付き）に拘束された五十嵐博士を見せつけた。
「どこが磔なのよ」
「いいや、磔さ。このマッサージチェアにね！」（どやっ）
ウインクをぱっちり１つ決める彼女。実を言うと、彼女もまた【混沌の使徒】の一幹部なのである。
「ふん、貴女が出る幕でもなくってよ、ジャックドサンタ」
つまらない冗談はよして、とクロウクィーンが鼻を鳴らす。だがジャックドサンタ（旅鴉 月詠）は楽し気に笑うだけである。
（うぅ、クロウクィーンの機嫌が悪いと部下にまで当たるしなぁ……）
ネコバンジョーはなんとなく胃がしくしくし始め、そっとお腹を庇った。そして、小さくため息を吐く。
「あーあ。ダークナイトさぁん……、どこいっちゃったんだよぉ」
彼は、ふといなくなってしまったもう一人の幹部の名を紡いだ。
その頃、崖の上では……。
「……五十嵐博士は、そこにいるんだね」
「予想以上に敵、多くない？」
小柄な男の子と、ツインテールが目立つ乙女が崖下の様子を見ながら話し合う。同じようにしていた赤毛の少女がごくり、と息を飲んだ。
（むふー！ ヒーローになれるなんてすごいッス！）
……どうやら、この状況に胸がわくわくしているようだ。
『君たちの活躍に、期待している。五十嵐博士を頼んだぞ、諸君！』
熱く語り掛けるのは、彼らを時に優しく見守り、時に厳しく指導するバルツァ司令（テオドロス・バルツァ）。彼は声に切実さを滲ませながら３人に頼むのだった。
曖浜 瑠樹、落合 まゆら、古尾 桐子……彼らこそが、『楽守（らっかみ）戦隊 カマエルンジャー』である。
「大丈夫かな……？」
まゆらが、敵の数に表情を険しくする。だが、桐子はにっこりわらった。
「相手にとって不足なしっす！ うちらに掛かれば五十嵐博士もぱぱっと救助できるっすよ！」
頼もしい笑みを浮かべる桐子。瑠樹とまゆらは彼女と頷き合った。
「それじゃあ、カマエルンジャー！ 出撃っすっ！ みんな！ ウチについてくるッスー！」
「「おーっ！！」」
その頃。少し離れたところで、カマエルンジャーの３人の様子を見ている者が１人。謎の乙女（滝原 レオン）は３人がみているものが何か気づき、小さくため息を吐く。
（嫌な予感が、するわね……。それにしても）
どこか愁いを帯びた眼差しの乙女は、クロウクィーンを見てぽつりとつぶやいた。
「相変わらずやってくれるわね、クロウクィーン」
はたして、カマエルンジャーの敵なのか、味方なのか……。
そして、物陰からクロウクィーンたちを見ている者が。恵御納 夏朝である。彼女はカマエルンジャーを何かとサポートしてくれる仲間の一人である。
（戦隊の知識は、ちょっとなんだけど……いけるかな）
と内心で気にしている一方、心配になったことが。というのも眼前に集う怪人たちの中にとある女性教師の姿を見たのだ。
（……四十九院先生？ そんな……！ まさか『
夏朝は、ぐっ、と胸元で手を握りしめた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年06月21日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年06月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年06月28日 11時00分
