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コケッコー! 新春☆初夢宝船フェア♪ ~富士編~
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【月夜に肉球、花吹雪】
「号外! 号外~! またまた『
怪人少年・猫面相
』あらわる! あの黒崎財閥の御曹司から、秘蔵のキャット・ダイヤモンドを見事盗み出したぜ!」
街を満たす喧噪に、男は深くため息をつく。
「また猫面相か……」
世には西洋の風が吹き抜け、人々は声高に自由主義や女性の権利拡大を叫びながら、大衆文化に傾倒し人生を謳歌する……そんな時代のさなかであった。
どこか浮ついた街の片隅で、男は探偵を営んでいた。
男は若く、書生上がりの成りたてだった。路地裏に構えた小汚い事務所に、手伝いのひとりも無く、いつか名うての探偵となることを夢見ながらも日々安酒に浸るばかりで、たまの仕事といえば失せもの探しやら迷子の子猫探しやらで糊口をしのいでいた。
名を上げられそうな美味い話が飛び込んできたのは、世間を騒がす怪盗の号外ビラが大通りを舞った、その翌日のことだ。
「まったく、許せん! 怪人少年・猫面相め……!」
事務所へ横柄に押しかけてきた
黒崎 俊介
はボンボンというもっぱらの噂だが、なかなかどうして行動力だけはあり余っているようだ。共も連れずにやってきたところを見るに、よほど腹に据えかねているらしい。
「先日は私のダイヤを不埒にも盗み出したかと思えば、今度は花嫁までもさらおうというのだ!」
「花嫁。ご結婚なさるんで?」
「なにをばかな。私の猫の話に決まっているだろう!」
探偵は閉口したが、この上客を逃す手はないと思い口をつぐんだ。
聞けば黒崎の飼い猫たるオス猫がこのたび番を迎え入れたが、その花嫁猫をかの猫面相が奪いにやってくるのだという。
花吹雪に肉球の判がやけに可愛らしい予告状を黒崎は忌々しげに卓へ叩きつけたが、今や探偵にとっては幸運の手紙に等しい。
「猫面相には感謝すべきかな……」
「なにか言ったかね? とにかく、あの悪辣たる盗賊をすみやかに捕まえてくれたまえ!」
世の儚きを憂い、少女は愛猫を抱きしめた。
高貴な家柄でもない。麗しく着飾っているわけでもない。
ただ人から譲り受けたのが血統書付きの由緒正しき猫だった、それだけのことだ。
「どうして? どうしてそんなことで、あなたと別れなければならないの?」
黒崎の権力に抗える者などいはしない。彼が飼い猫の花嫁を求めたなら、少女に拒むという選択肢は与えられなかった。
周りの者は黒崎を敵に回すくらいなら、猫など手離してしまえと口々に言う。しかし少女と猫の絆は強く、別れるのは容易なことではない。ゆえに少女は、この冷たい石牢がごとき黒崎邸から逃れることはできなかった。
「どうして……あら?」
窓から差し込む月影が照らすそれを拾い上げれば、少女の面は驚きに染まる。
「『今宵、花嫁をいただきに上がります。怪人少年・猫面相 ──PS。キミは街はずれの港で待っててくれな!』……えっ?」
花吹雪く肉球の判が押された、予告状であった。
かくして、忘れられぬ夜がやってきた。
「いいか、必ず花嫁を守るのだぞ! おーよちよちアールグレイちゃん、お前のお嫁さんはぜ~ったい守ってあげるからねぇ。ほら早く行かないか、探偵ごときの若造が!」
「はあ……」
探偵は幸運の手紙の効力を疑い始めていたが、ともかくこの割りの良い仕事をこなさねばならない。
「警備員は、猫の周囲をガードしてくれ。何人かは俺についてこい、屋敷内を巡回する……」
「探偵さん、ちょっといいかい? 花嫁の飼い主が見当たらないんだが……」
「なにい?」
さっそくのトラブルに探偵は眉をひそめたが、依頼主は気にするそぶりもなく、花婿の毛並みを一心に撫でつけながら言う。
「放っておけ。私が欲しいのはプリチーなアールグレイちゃんの高貴な血を後世に残すための番だ。青臭い小娘などに用はない」
「さようで」
探偵はもはや帰っていつもの安酒にずぶずぶと浸かりそのまま眠ってしまいたい衝動にかられたが、仕事にしくじればその安酒さえ手にすることかなわぬ身空になりかねない。
「よし、行くぞ。花嫁は必ず守って……」
「ね、猫がいないぞ!!」
かっ! と光条が目に突き刺さる。くらむ眼を懸命に開く探偵が見たものは、空っぽとなったケージだった。
花びらが舞い吹雪き、ぺた、ぺたぺたぺた、と警備員らの頬に肉球のスタンプが現れてゆく。
「猫を自分の駒としか思えない冷血漢のところに、こんなカワイ子ちゃんを置いとくわけにはいかねえな。
花嫁はこの俺がもらいうけるぜ!」
「き、き、貴様は猫面相~~~!? 捕らえろ! 私のアールグレイちゃんの花嫁を取り返せ! 早くしろ~~~!!」
騒がしい混乱のさなか、探偵は、颯爽と花嫁たる雌猫を連れ去ってゆく猫面相がちらとこちらを振り返り、片目をつぶってみせるのを確かに見た。
汽笛が夜の港をかき乱す。
千々と千切れそうな胸をかき抱き、少女は待つ。頭上に物言わず輝く月だけが、その苦悩を知っていた。
「よう! 待たせたかい」
「……ああっ! モモ!」
待ち侘びた再会に、少女は涙を流しながら愛猫の背に顔を埋める。
「もう手離すんじゃないぜ。じゃあな」
「あっ、待って! お礼を……」
ウィンクだけを残して、怪人少年・猫面相は去ってゆく。
なぜ、彼女の愛猫を取り戻してくれたのか? 悪への鉄槌か、はたまた動物愛護の精神からだろうか。
猫面相は語らない。ただ彼は夜の街を疾駆し、痛快な顛末を新聞屋が面白おかしく書きたてる。それだけなのだ。
「……ありがとう。猫面相……」
仕事が泡と消え、探偵は手ぶらで帰路をゆく。
叩き出される前に見た依頼人の怒りようでは、もう割りの良い仕事や探偵としての名声など夢の彼方だが、猫面相に振り回されるばかりで何もしていないのだから文句も言えまい。
とはいえ、胸はすいた。あの猫はきっと、飼い主の少女のもとへと戻ったのだろう。依頼が果たされなくて良かったと、探偵は自嘲気味に口元を歪めた。
「……ん?」
さて今夜も酒をあおって眠ってしまおうか、と思案したところで、道ばたに見慣れぬものを見かけた。
小奇麗に装飾された小箱だった。興味を惹かれ取り上げてみると、なにやらメモ書きが添えられている。
「なになに。『明智氏へ。黒崎邸での働きに感謝し、謝礼品を贈呈させていただきます。願わくは、罪なき大衆のためにお役立ていただけますよう。怪人少年・猫面相より』……こいつは」
ぱかと小箱を開けば、まばゆい輝きが目を打った。
かの屋敷より奪い去られたはずの、それはまぎれもないキャット・ダイヤモンドであった。
「……やれやれ。安酒に散財してる場合じゃないな、こりゃ」
一年後、彼は広く大衆のために開かれた探偵事務所を大通りに構え、著名な探偵として方々に引く手数多となるのだが、それはまた別の話。
今宵も月には、天高く飛翔する黒いマントの影が踊っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月21日
参加申し込みの期限
2020年05月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年05月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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