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コケッコー! 新春☆初夢宝船フェア♪ ~鷹編~
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温めたポットに紅茶葉をティースプーンに三杯。
最後の一匙を白磁のポットに傾けながら、
檜扇 舞華
はひそやかに眉をひそめた。二杯の紅茶は誰と誰のものだろう。
(……そもそも)
流麗な仕草で紅茶を淹れながら、夜色の瞳を素早く周囲に巡らせ様子を探る。
(ここはどこなんでしょーねー?)
長く伸ばした緋色の髪が流れる肩には鬱金色の飾緒も華々しい緑褐色の軍服。革のベルトを締めた腰には物々しいサーベル。
去年の夏のネコミケで纏った戦争小説の主人公の出で立ちで、何故紅茶など淹れているのだろう。
己が紅茶を淹れているワゴンの隣には重厚な設えの書棚があった。花を象った繊細なつくりのランプが煉瓦壁に提げられていた。何者かの書斎か。
正面のデスクに、女性の影があった。飴色に使い込まれた椅子の肘置きに片肘をつき、こちらに半身を向けて身じろぎもせず、窓の外を眺めている。
少女とも見紛うほどに幼くも見える白髪緋眼の彼女が、おそらくは己が紅茶を供しようとしている相手。
ズシン、と地響きに似て、煉瓦壁に隔てられたどこか遠くから砲音が聞こえた。冬曇りの空を映す窓が砕け散りそうなほどにビリビリと震える。
軍靴の足元をも震わせるその轟音に舞華はちらりと唇を尖らせるも、それだけ。瞬きひとつのうちに表情を消し、紅茶のカップを載せたトレイを手に踵を返す。コッ、と薄い敷物の下の煉瓦床が微かに鳴った。
少女が白い睫毛をゆっくりと瞬かせる。血色の瞳に己を映し、僅かに唇の端をもたげる。
少尉、と少女の唇が動いた。
「逃げても咎めないよ」
溜息に似て囁かれた言葉に、舞華は微かな笑みで返す。
「紅茶をどうぞ」
「……軍紀なぞ最早存在しないも同義。少尉を縛るものは皆無」
「冷めますよ」
軍服姿の少女の前に紅茶を置く。自分の分の紅茶カップのソーサーは片手に持つ。そうして思い至る。これは負け戦、それも終盤も終盤なのだろうと。
少女はこの国の中枢、幼さから鑑みて戦の最中に親を失い止む無く国権を継いだ帝国最後の皇女といったところ。
(なるほど)
窓の外は黒煙上がる皇城の庭。高い城壁の向こうで朱く燃えているのは、では帝都か。
庭を埋める負傷兵を窓から見下ろす。動ける者は皆無と言っていい。
(なるほどなるほどー)
いつも通りの神魂の影響か、それとも夢か。
芳しい紅茶で唇を湿す。
夢か現か、それは今、どちらでも良かった。
「っ、……」
紅茶を含みながら覚悟を決めた表情で、それでも堪えきれずに嗚咽を漏らす少女を静かに見つめる。
「我が檜扇家は古き時代より従者を配してきた家系です」
「……知っている」
舞華の言葉に、少女はこくりと顎を引いた。舞華は絶望的な状況に在って莞爾と笑む。今このとき、この少女が己の主人であるのならば。
「あたしは、檜扇の名に懸けて最後の最後まで主にお仕えします」
言葉を失くす主に、舞華は問う。生きてこの場を逃れるか、皇国に殉じるか、それとも。
「如何なさいますか」
従者が最後に口にした成就するも難い選択肢を少女は選んだ。
即ち、この戦の首謀者の首級を挙げる大事──
「承知いたしました」
主の選択肢に一切異を唱えず、軍服姿のメイドは凛とした足取りで窓辺に寄る。ズシン、と砲音が轟く。敵の鬨の声が灰色の空を震わせる。
城門が破られた。城内に兵たちの怒号が、銃声が、悲鳴が響き渡り始める。
見下ろす庭にも黒蟻じみて敵兵が雪崩れ込む。庭の負傷兵たちが必死の抵抗を試みるも、焼け石に水。
敵兵の数名が窓に映るこちらに気づいた。幾つもの銃口が向けられる。
「舞華!」
主の悲鳴にも似た声にも、舞華は窓辺から動かない。
発砲音が響く。銃弾が硝子を撃ち抜く。けれどそのどれも、舞華には当たらない。
傲岸な笑みに唇を彩らせ、軍服のメイドは敵兵ひしめく庭を睥睨する。そうして、輪舞に誘うが如く優雅にお辞儀をしてみせる。何もかもを侮るような女の仕草に、庭に敵兵たちの罵声と怒りに我を忘れて狙いも定めぬままの無闇矢鱈な発砲音が溢れた。
「では、我が主」
敵兵の声には眦ひとつも動かさず、舞華は踵を返す。どこまでも優雅に主へ手を伸ばす。
「参りましょう」
カーテンの隙間から流れ込む光に目が覚めた。
「……んー……」
布団の中で伸びをしつつ枕元の時計を確かめた途端、目覚まし音が鳴った。咄嗟に止める。
起き上がって、今しがた見ていた夢にちょっと笑う。
(だいぶ殊勝でしたねー、『我が主』)
あの『主』がリアルの主であれば、きっと今頃──
そこまで考えて、むくりと起き上がる。夢の中では軍人でありメイドであったけれど、リアルの上でも専門学校に通う学生でありメイドでもある。
(さあ、今日も)
ふと、舞華は夢の中の己に似せて優雅に笑ってみせた。窓から流れ込む一条の光に向け、すらりと白い手を伸ばす。芝居じみて言ってみせる。
「──参りましょう」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月22日
参加申し込みの期限
2020年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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