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コケッコー! 新春☆初夢宝船フェア♪ ~鷹編~
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見下ろしたはずの自分の掌が闇に呑まれて見えず、
鈴原 天音
はぱちりと瞬いた。
瞼を閉じて、開く。瞼の裏と同じ暗闇が目前に広がっていて、けれど不思議と不快感はなかった。ぺたりと座り込んだお尻の下の地面も、身体を包み込む空気も、何もかもが心地よい温もりを帯びている。
「……あれ?」
どうしてこんなに真っ暗闇なのだろう。
どうしてこんなところに座り込んでいるのだろう。
頭の中をハテナマークが埋め尽くすものの、それでも不安にはならなった。ただただ、不思議で仕方なかった。
自分の身体さえ見えない暗闇の中、ぐるりと視線を巡らせてみる。なんにも見えない。
見えないせいで動かしているのかも分からなくなるくらいの闇に、そっと手を伸ばしてみる。なんにも、触れない。
首を傾げる。変な夢を見ているのかな、ちらりとそう思った途端、頭の中のハテナマークは霧散した。
(なーんだ、なんだよー)
夢であるのなら、怖いことなんか何にもない。その気になればきっとふわりと宙に浮かぶことだってできる。あったかい暗闇の空中を、水中のように泳いでいくことだってきっと出来るに決まっている。
(なーんだ)
ころん、と横になってみる。
ふわん、と綿のように柔らかな地面に抱き留められて、天音は思わずくすくす笑った。ほら、怖くない。このあったかい暗闇の中でなら、ずっとごろごろ転がっていられる。怖いことなんか何にもない。恥ずかしいことも悲しいこともなんにも起きない。
真っ暗闇の中、自分のかたちがふわりと解ける気がした。そうなっても構わないような気がした。それはそれで、もしかしたら気持ちがいいのかもしれない。
そう思った。
そう思ったのに、天音はがばりと起き上がる。優しく包み込んでくる闇を追い払うようにポニーテールに結った髪をぶんぶん振り回す。
「……わあ!」
腹の底から声を絞り出して、そうして、思う。
(ちがう)
闇の中にひとりきりでうずくまっているのは、きっと、ちがう。
「っ……わああぁあぁあ!」
叫ぶ。声の限りに喚く。悲鳴に似て、助けを呼ぶに似て、家族を呼ぶ。友達を呼ぶ。十六にしては小柄な体いっぱいに大好きなひとたちを呼ぶ。
「ちがう! ちがうんだよ、わたし、わたしはっ、……」
心に切れ切れに浮かぶ思いをうまく言葉に変換できないまま、それでも叫ぶ。柔らかくて温かくて心地良い暗闇を、自分以外の誰もいない暗闇を拒絶する。
「わああ! わぁああぁああああぁ!」
声が嗄れるまで叫んで叫んで、叫びながらもがいて立ち上がる。立ち上がろうとして、泥濘のように滑る闇に足を取られた。膝から無様に転ぶ。さっきまで柔らかかったはずの地面が石じみて固かった。膝小僧も、とっさについた掌も擦り剥いた。
夢のはずなのに、ひどく痛かった。誰かに会いたいと思うから傷つくんだ、と心の中で誰かが呟いた気がした。誰かと仲良くなりたいなんて願うから。
「ちがう……!」
傷ついた掌に地面の闇を握りこむ。固い地面を蹴りつけて立ち上がる。
いつもなら一跳びするだけで軽くなるはずの身体がひどく重かった。ろっこんを発動させられぬまま、それでも駆けだす。行かせまいと掴みかかって来る暗闇を振り解き振り払い、闇を駆ける。
「いいの! わたし、傷ついたっていいんだよ……!」
それでも、誰かと仲良くなりたかった。仲良くなったひとを大事にしたかった。自分はどれだけ傷ついたって構わない。恥ずかしい思いだって、悲しい思いだって、なんだって全身でぶつかって行くから。どんな傷だって気にもせず突き進んでその先で笑って見せるから。
足を暗闇が掴む。疾走する勢いのままに転ぶ。顔も手も腕も足も、気が付けばどこもかしこも擦り傷に切り傷だらけでヒリヒリと痛んだ。あちこちから流れる血の感覚がした。
立ち上がる。痛みに力の入らない掌をぎゅっと握り締める。血の伝う頬を拳で拭う。よろめいて座り込んでしまいそうな足をぐっと踏ん張る。一歩を踏み出す。次の一歩を踏み出す。そうして駆けだす。暗闇の中を走って転んで、闇の先を目指す。前に進んでいるのかも後ろに進んでいるのかも分からないけれど、進んだ先に何があるのかも分からないけれど、それでも足を進める。
(だって、わたしは、)
それしかできない。豪快に闇を払うことも、転ばず上手に歩くこともできない。転んでもがいて、たくさん傷をつくってしまう。痛みに怯えてうずくまりたくなってしまう。それでも、
(進むしかできないんだよ)
駆けて、転んで、もがいて起き上がって立ち上がって、また走る。息が切れても疲れた足がもつれても、暗闇の先を目指す。その先に光があると信じて。その先で大好きなひとたちに会えると信じて──
怖い夢を見た気がして、目が覚めた。
空色の大きな瞳をぱちぱちと瞬かせ、天音は布団を蹴りのけて起き上がる。
たくさん走ったあとのように胸がどきどきと弾んでいた。それなのに、なんだか無性に走りたかった。力の限りに走り抜けて、夜の先に待っている朝の光に出会いたかった。
「うん、よし! なんだよ!」
小さな体をバネのように跳ねさせて立ち上がる。
服を着替えて外に出てみよう。冬の朝はとっても寒いだろうけれど、白い息を吐きながらめいっぱい走ってみよう。
「今日も元気にれっつごーだよー!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月22日
参加申し込みの期限
2020年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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