幽霊猫とお化けの国｜リアクション

幽霊猫とお化けの国

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　真境名アリサが目を覚ますと、なんだかふわふわした感覚に包まれていた。
　ちょっと落ち着かない感じもしているのは、帰宅してそのまま布団に潜り込んだせいだろうか。
　あるいは、半端な時間に目が覚めたから？　だって空もまだ暗いし、きっとまだ夜中――
（――ん？）
　そのまま寝たとはいっても、さすがにカーテンくらいは閉めていたはず。
　なんで空がこんな見え……というか、これ外じゃない？　
　しかも、なんだか透けてるし。

（あれ？　私の体透けてる……？）
　小山内海は、うっすら透けた自分の指先を、腕を、しげしげと眺めていた。
　それになんだか、身体がふわふわしている。新品の靴を履いた時よりもっと軽やかな、まるで宙に浮いているような――、
（え、あれ！？　ほんとに浮いてる？）
　ほんとに浮いてた。
　透けてるし、浮いてるし、もしかして。
（私、幽霊になっちゃった！？）
　途端、さっと音を立てて血の気が引く。　
　もしかして、気づかないうちに死んでしまったのだろうか。やりたいこともまだたくさんあるのに。いや、もう「あった」のに？
　思わず涙ぐんできてしまう海だったが、そこにすらっとしたイケメンの猫――クリストファーが現れた。
　彼の話を聞いて、死んじゃったわけではないことが判明する。
　そうとわかればひと安心。
　そして安心すると、なんだか余裕もでてくるわけで。
　試しに『アクセラレイトライン』で自分を加速させてみたら、ふわふわしてるおかげかいつもより軽やか。
　ふわふわした身体を撫でていく夜風も、寒いというよりひんやりしていて心地良い。