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……アンド・ユア・バード・キャン・シング
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看板だ、と言ってやろうかと思った。
しかし
藤堂 静
はそうするかわりに、無言でカウンター席の隅を眼で示した。
初老の男は帽子を脱ぎ、上着をコートハンガーにかける。
バー『Hollander』、深夜1時を過ぎた頃。他の客は一組だけだ。
前からいた客が、すっとスツールから降りた。
「そろそろ帰るね、また来るヨ」
恋々
(レンレン)だ。今日は髪をストレートにしているので雰囲気がぐっと大人っぽい。いまや彼女は常連だった。出勤前の同伴、アフター、あるいはひとり、色々なパターンでしばしば店を訪れている。
「なんじゃ? まだ早うないか? わらわはもうちょっと愚痴を言いたいぞ。おかわりをじゃな……」
「九鬼ちゃん、あなた明日病院ね? ほどほどにしとくよ」
明日は明日の風が吹くのじゃ、とかなんとか
九鬼姫
(くきひめ)はごねたが、恋々は笑顔のままうまくあしらい、ドアまで彼女を連れて行った。
「じゃね、再見(サイチェン)」
「ああ、また」
恋々は手を振ると、出がけに扉のプレートを『CLOSED(閉店)』に直していった。
顔には出さなかったつもりだがな――。
内心静は苦笑した。さすが恋々だ、あいかわらず勘が働く。
きっと恋々は次来店したときも、今夜のことを一切話題に出さないだろう。静が「先日の礼だ」と出したサービスのオリーブを、「謝謝」と言って受け取るだけだろう。
さて。
グラスを洗い場に置くと、静は初老の男性客に向き直った。
「……いつまで黙ってる? ここはバーだ。注文くらいしてほしいもんだな」
「水。いや、ノンアルコールならなんでもいい」
「やめたのかよ、酒」
「何年も前からだ。医者に止められてる」
静は、トニックウォーターのグラスをコースターに乗せた。
男がグラスをつかんだ。
「昼の店、始めるんだってな」
「どこから聞きつけた」
無視して男はトニックウォーターを口に運び、一気に干して「うまい」と言った。
舌打ちして静は注ぎ足す。
「前に、気紛れで参加した街のイベントで未成年に店を解放したら意外と受けが良くてな」
「それでやる気になったというわけか」
「言っとくがこの店も続けるぞ」
「開業資金がいるな。人件費も」
「貯めてるよ」
「このペースなら開業は何年先になるか。何十年か」
「銀行から融資も受ける」
「最近の金融機関は貸し渋りがひどい」
「嫌味を言いに来たんなら帰ってくれるか」
つい言葉に棘が生えるのは、この初老の男が静の父親に当たる人間だからだ。
もっとも、静に言わせれば『血縁上』の父にすぎない。過去、男が父親らしいふるまいをしたことがあっただろうか。
「出す」
男は言った。
「資金の話だ。持っていけと言いたいがお前のことだ。融資と言ってやったほうが落ち着くだろう」
恩着せがましいことを――と言いかけたところで静は唇を結んだ。
父親の姿が、やけに小さく見えたからだ。
もともと大柄ではなかったものの、腕も首もげっそりと肉が落ちている。血色は悪く、目の下には黒い隈ができている。
病んでいるらしい。
人づてに聞いてはいたがこれほどひどいとは。
もう長くはないだろう。間違いなく本人もわかっているはずだ。
この男には社会的地位があった。資産も。しかし病は避けて行ってはくれなかった。
「遺産がわりだ。……生きているうちに返済を期待することは難しそうだからな」
男は皮肉な顔をしようとしたのだろう。しかし、葬儀場で知人に出会ったときの表情のようにしか見えなかった。
男はまるで一晩の飲み代のように、ぽんと短い金額を口にした。
「お前のことだ。どうせ俺からの仕送りには手も付けてないことだろう。これと合わせれば店のひとつくらい簡単に建つ」
開けられる、ではなく、建つ、だ。間借りではなく建物(ハコ)ごと作れといっているのだ。
ふざけるなと突っぱねようかと思った。昔の静なら迷わずそうしていただろう。なのに……言い出せなかった。
「礼がほしいんじゃない。むしろ迷惑だ。お前らしく無愛想にポケットに入れとけ」
男は、カウンターに小切手を置くと立ち上がった。
笑みを見せていた。
あまりに弱々しい笑みだった。
「邪魔したな」
しかもチップ込みで、トニックウォーターの代金まで置いていった。
ドアが閉まるまで、静は小切手に手を触れることすらしなかった。
その後まもなく新店舗、『Cafe 喜望峰』は開店準備に入った。
場所は、Hollanderの入っているビルの地上1階だ。新規に建てるのではなく、かといって賃貸にしたのでもなく買い取った。
父親の言うとおり建てるところからはじめなかったのは、場所がちょうど良かったということもある。開店を急ぎたかったというのもある。
それにもしかしたら、静なりの反抗心の表れかもしれなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
冒険
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月03日
参加申し込みの期限
2020年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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