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……アンド・ユア・バード・キャン・シング
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「いつの時代の話だよそれっ!」
大きな声になってしまい、慌てて
南戸河 蔵人
は言い足した。
「……いや、うっかり叫んじゃったよ。驚かせてたらごめんね、桐太君」
あははと笑って、コップに注がれた緑色のソーダを蔵人は口にする。うん、実にわざとらしいメロン味だ。
くすんだ色の畳敷き、びっくりするくらいとっちらかった部屋ですきま風まで入ってくる安普請だが、幸いこたつに入っているので寒さは感じない。
はじめてあがった。ここがキャバ嬢
あんな
の部屋なのだった。
一生のお願いっす! と取り乱した声であんなが言うものだから、電話を受けるなり蔵人は、取るものも取りあえず彼女の部屋を訪れていた。
最初はあんなも、同じく部屋で待っていた
比嘉 桐太
も泣きじゃくっていたので、落ち着いてもらうまで多少時間がかかった。
そうして聞き出したのが、桐太の母親がEABなる団体の自立支援施設に入れられているという話だった。
桐太は桐太で別の、行政が運営する保護施設に入れられていた。そのあたりの事情について蔵人もよく知っている。自殺しかけていた桐太の母親を助けたのは蔵人なのだ。
「なるほど、桐太君は自分のいた保護施設で、職員さん同士が話していた内容を聞いてしまった、ってことだね」
子どもだと思い甘く見ていたのだろう、職員たちは桐太がそこにいることに構わず、EABに関する黒い噂話を交わしていたそうだ。
「それで怖くなって、お母さんのことが心配で、桐太君は保護施設を脱走してきたんだ?」
うん、とうなずいて桐太は言った。
「……せんせー、しんじてくれる?」
桐太は、好きな本の作者である蔵人を尊敬しており、蔵人を『先生』と呼ぶ。
「もちろん信じるさ。ぼくが桐太君の立場だったとしても、同じことをしたと思う」
偽りのない気持ちだった。
これ、どっかで聞いたような話だよね――と直感したためもあった。
けれどそもそも、蔵人は童話作家として子どもを信じていた。よく言われる話だが、大人向けの本とちがって子ども向けの本では手抜きはすぐばれてしまう。それは子どもの洞察力がすぐれているからだ。世間体や同調圧力で目が曇っていないからだ。童話の書き手が子どもを信じなくてどうするのか。
「わかった。一度乗りかかった船だし見て見ぬふりもできないでしょ。ライター稼業という立場をいかして、ひとつ『取材』を申し込んでみようかな、その団体の施設に」
こういう連中は宣伝の機会を逃さない。『引きこもり問題解決のプロに訊く』といった体裁で好意的な取材であることを前面に押し出せば、きっと取材にOKは出るだろう。
決して自信があるわけではなかったが、それでも蔵人は落ち着いてこう請け負ったのである。
「そうして桐太君のお母さんを探すよ。もし見つけたら、連れ出せるよう努力もしてみる。だから桐太君は、ここであんな君と待ってて」
「先生~!」
赤いジャージ姿のあんなが声を震わせ、身を乗り出すようにして蔵人の両手をつかんできた。泣いていたせいで目が真っ赤だ。
「チョー格好いいっす! 先生、カノジョとかいるッスか!?」
「なんの話だよいきなり」
などと苦笑しながらも蔵人は、取材という名の潜入に思いを巡らせている。
雑誌かタウン誌か、とにかく媒体からの依頼という形で取材を申し込む。問題はそこからだ。
準備が必要だ。見つかるどうかかわからないけど実際に施設に入った人、もしくはその家族の話も聞いておきたい。
本当にヤバイ連中が相手かもしれない。万が一を考えて、『もし三日以上連絡がなかったら警察に知らせて』……なんて準備もしておくべきだろう。
小説やフィクションではよくある話ではある。とはいっても、
――現実じゃあ使いたくなかったなァ。
できるだけのことはしておきたい。
状況的に、行政は当てにならないと蔵人は思っている。
◆ ◆ ◆
昨夜、朝衣はよく眠れなかった。
ホワイトノイズが流れる頭で出勤し、緑茶のペットボトルを買って息継ぎすることなく三分の一ほど空ける。
原因はあの瓶だ。正しくは、瓶の中の手紙。
芋煮紅美という中学生が、助けを求める内容だった。引きこもりの自立支援をうたうEABなる団体に監禁されていると。
ただのイタズラ? と考えられないではなかった。しかし、それにしては内容が詳しく、文面は切実すぎた。文字の一つ一つから涙がにじんでいるかのように。
役場に上げるべき……? それとも、警察?
悩んだものの結論は出ていない。
自分を呼ぶ声に、しばらく朝衣は気がつかなかった。
「……あ、はい。窓口ですね?」
窓口業務の人が足りないという。行きます、と告げると自分のPCをロックし小走りで向かう。
応援を求められたのは市民相談ブースだった。DV(家庭内暴力)から生活苦、いじめ、離婚、役所へのクレーム……ここはありとあらゆる相談者が訪れる非常に困難な窓口である。
生半可な状態じゃつとまらない。
短くまばたきを繰り返し眠気を振り払うと、イスを引いて朝衣は座った。
「それではお話をうかがいます」
親子連れかな? と最初は思った。
若い女性と小学校低学年くらいの子どもの組み合わせだ。
母親にしては若すぎる気もする――そんな思いはすぐに断ち切られた。
「話を聞いてほしいっす! 大変なことになってて……!」
「お母さん、ぼくのお母さんが……!」
ふたりがいっぺんに話し出したので、朝衣は中腰になってふたりをなだめるところから始めなければならなかった。
面談の時間は長くて60分が原則だが、話は120分近くに及んだ。
聞けば聞くほど、『かなりヤバい』案件だという思いを朝衣は深めている。
この人たち――
後藤 杏那
(ごとう・あんな)と比嘉桐太の話は、昨日の手紙に書かれていた話と一致するではないか!
手紙に書かれていた団体、EABは社会復帰支援を標榜しながら、実際は入居者を牢獄のような環境におしこめているという。
朝衣の手元のノートは、書き込みにつぐ書き込みで真っ黒になってしまった。
「わかりました。この件は福祉課に上げておきます」
「あのー、あーし、いえ、私、バカだからあんまりわかんないんすけど……」
杏那が申し訳なさそうに告げた。
「こーいう社会福祉法人って、福祉課ってところがカンカツしてるんじゃないですか? その福祉課がまともに対応してくれるんすかね……知人っていうか、あーしの尊敬してる先生は、『行政にはあまり期待しないほうがいい』って言ってたんすけど……」
その不安は朝衣も一瞬感じたものだ。
朝衣は福祉課に配属されたことはない。だからまったくわからないものの、この役所では福祉課の人事異動は少ない。だとすれば癒着、とまではいかなくても、一部の団体と福祉課が、一種のなれ合いのような状態になっている可能性はあった。
だが言った杏那本人が、すぐに両手を振る。
「す、すんません! 出過ぎた口をきいてしまって! もちろん三折部さんのことはむっちゃ信用してるっす! すごく優しく丁寧に話を聞いてくれましたから! 前言テッカイさせて下さい、ありがとうございました!」
気にしないでください、と朝衣は言う。
「必ず情報共有します。上に」
あえて『上』とだけ告げて詳細は言わなかったが、福祉課より先に、中沢リッカルド町長に話をもっていくことを朝衣は決めていた。いつも愉快なことばかり言っている町長だが、本当は心の底から、住民の幸せを願っている人であることにまちがいはないから。
すべては状況証拠。それもあやふやなものばかり。
それでも朝衣はあの手紙と、来てくれたふたりを信じると決めていた。
住民の幸せを願う気持ちは、朝衣も同じなのだから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
冒険
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月03日
参加申し込みの期限
2020年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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