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……アンド・ユア・バード・キャン・シング
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食器をしまうカートを押して、陽太は長テーブルの間を歩いている。
「食べ終わった方、食器はこちらにおいてくださいねぃ」
声も表情もつとめて明るくしているが、ほとんど返事はなかった。まれに返事する者もあったが、ぽそぽそとしており薄い。
この陰気な雰囲気はなんだろう。
お通夜のようでもあるが、それを通り越して墓地を歩いているような。
やっぱあれかな、と陽太は思った。
監視が厳しいせいかな。
いかつい職員が何人も仁王立ちしており、監視カメラもずっと動いている。こんな状態でリラックスしろといっても無理というものだ。
これが『支援』なのだろうか。困っている人を助けたいという気持ちがあるなどと、とてもではないが思えない。
――武道君の言ってた通りだろうね、これは。
だとすれば、やるべきことはひとつだ。
「おっと」
靴紐がほどけた風を装って、監視職員のすぐそばに陽太はかがみ込んだ。
ゴリラっぽい顔つきと体格をした職員は、陽太をちらりと見ただけですぐまた正面に向き直っている。
頼んだよ、ウー君。
心の中で念じて、陽太はポケットから粘土細工を取り出す。
ウサギをかたどったものだ。眼帯とスーツを身につけた洒落者のウサギである。
これを手早く職員のズボンの裾に潜り込ませる。裾から長い耳がのぞいていたが、ウー君に身を丸めさせるとすぐに見えなくなった。
よし。
内心つぶやき、そそくさとカートを押して去る。
「ちょっと待って」
だから背後から声をかけられた瞬間、陽太は口から心臓が飛び出すのではないかと思った。
不自然に見えてはいけない。笑みを浮かべ何気なくふりむく。
「なんでしょう?」
そう、何気なくだ。ウー君のことを言われたらどうやって誤魔化すか……。
しかし陽太を呼び止めたのはゴリラではなかった。
「ああ、やっぱり……あなた、あのときの」
貧相な中年男性だ。曲がった眼鏡をかけている。
陽太には見覚えがある。ゲームショップ『クラン=G』で暴れていた男ではないか。といっても、暴れたのはこの男が巨大化し、鼠そっくりの顔になった姿だった。あれはまさに怪物だった。
現在の、生活に疲れ切ったような男とは雲泥の差がある。少なくとも今は無害ではないだろうか。男は、前よりもさらにやつれたような印象があった。
「坊ちゃん、その節はご迷惑をおかけしました。あれは……私のなかの闇が出てきたようなものでして」
男は話好きらしい。施設入居者としては珍しかろう。
――この人は、他の人とはまた違った意味で様子がおかしいな。
職員の目がある。陽太はそっと物陰に移動した。カメラの死角でもある。男は理解したようでついてきた。
男は
根積 宏一郎
と名乗った。
「ここ、食事中の私語は禁止なんですよ、だから話せないのだけがつらくってねえ……。懺悔の機会を与えてくれてありがとうございます。坊ちゃん、心から反省しているんですよ私は、あのときのことを。……もうね、心の闇に振り回されるのはうんざりです。だけど私は『あいつ』を封じ込めることに成功しました。ここに収監、おっと、収容ですか、されてから一度も『あいつ』は出てきません。この幸福感……穏やかな気持ち……どう説明したらいいか……」
ややもすると根積は声が大きくなりそうで、陽太は内心冷や冷やしっぱなしだった。
根積の言葉は冗長で無駄が多いが、それでもわかったことがある。
彼もまた、自分の内側にもう一人の自分を抱えて苦しんでいたのだ。
そう、ナターシャ・カンディンスキーのように。
武道も動き出していた。
短い時間見ただけでわかった。噂通り、いや、噂以上にこの施設はひどい。木天蓼市から援助を受けているという話だったが、市はこの状況を把握しているのだろうか。
把握していて資金提供をしているのだとしたら、相当な問題だ。
「あの、トイレはどこに……そこを出て右、ですか、どうも」
職員に聞き、食堂を出て廊下を歩く。
歩きながら眼鏡を外し髪もセットして、簡単ではあるが印象を変えた。島に上陸してからずっと、武道はあえて猫背気味にしてすごしていたのだが、この頃には背筋も伸びている。
注意していたのですぐに見つけた。
三叉路に監視カメラ。トイレと反対方向を向いている。
左には行かないように、と釘を刺されていたうえにこのカメラだ。
とすれば、左側になにかあるということだ。間違いなく。
映らずにやりすごすのは無理だろう。だからあえて堂々と左に進んだ。発見されとがめられたら、道に迷ったとでも言えばいい。
――こういうときの気持ちや役の入り方、俺自身もちょっと怖いと思うときあるな……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
冒険
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年05月03日
参加申し込みの期限
2020年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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