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【クリスマス】あなたに会いたい、雪降る聖夜
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●マリンパラダイス~兄ちゃんには敵わない
「今日はクリスマスイブ、って、マリンパラダイスの夜間営業だと! やだー絶対行かなきゃいけないじゃないですかぁ」
志波 武道
がベットの中でチラシを見ながらもだもだしていると、ふいに携帯が鳴った。
表示された相手の名のは『
志波 高久
』。
9歳年上で自分たち三兄弟の絶対王者として君臨し続けている兄だ。
「たかにーちゃんからだ。なんだろ?」
競輪の選手をしていて普段は福岡に住んでいるが、オフだったり関東で用事がある際は弟たちの様子を見がてら寝子島に立ち寄っていくことも少なくない。今回も例に漏れずということのようで。
「にーちゃんから電話って珍しいね、どったの?」
と聞けば、
「用事でこっちに来てたんだが、会わないか? 飯くらい奢るぞ」
という。
「突然だねえ……でもさ俺、今夜はちょっと……」
口ごもると間髪入れずに兄の声が被る。
「どうせカワウソがらみだろ」
「うぐ」
「俺も行くし入場料も出すから付き合え」
有無を言わさぬ兄の言。敵いっこないと知っているので本能的に棒読みになってしまう。
「あ、ソレナラ文句ナイデスツキアイマス」
そんなわけで一緒に行くことにはなったが、気が重い。
(うー……絶対なんか言ってくるよなぁ……今日は純粋にクリスマス仕様のかわいいカワウソたちを堪能したかったんだけど……)
待たせてまた何か言われてはかなわないと、10分前にマリンパラダイス前に着いて待っていると父に似た筋肉質で茶髪の男が姿を現した。
「よう武道、久しぶり」
「たかにーちゃんも元気そうで」
待ってろ、チケットを買ってくるという兄を見送って、ちょっとバクバクする心臓を抑える。
何を言われるんだろうと思うとなんだか気が気じゃない。
2枚買ったチケットの学生の方を武道に渡し、兄といっしょにゲートをくぐる。
「何年ぶりだろうか、水族館。武道はよく来ているのか?」
「俺? んー……最近気分転換に来たかな? カワウソ成分が足りなくなって」
てへ! とおどけて見せるが、兄に通じる気はしない。
無言になるのは怖い。こっちから話題を振ろう。
「にーちゃんは水族館だとなにがすきなの?」
「俺か? 俺は……こいつが好きだ」
高久の視線の先には、悠々と泳ぐ白いカイトのようなエイの姿があった。
「ゆっくり泳ぐ姿が心地良く見ていて飽きない」
たしかにエイの泳ぐ様はこの世のどんな悩みも忘れさせてくれるような優雅さがあった。
こちらに向けた腹の部分がゆるキャラの笑った顔のように見えるのも愛らしく心和む。
しばらくそうして兄とあちこち見て歩く。
目当てのカワウソも見た。いつまで見ていても飽きない。
気づけばずいぶん時間が経っていたらしく、高久があきれ顔で武道の背中を小突いた。
「冷えたな、何か飲むか、なにがいい?」
「あ……ホットコーヒーおねがい」
「わかった。ついでに席とっててくれ」
「ア、……はい……」
言われた通り空いていたベンチに座る武道の姿は、借りてきた猫みたいに大人しい。
まもなく缶コーヒーを2本手にした高久が戻って来て、片方を武道に渡した。
「ありがとう。にーちゃんとこうしてどっか行くっていうの、何年ぶりだろうな」
「久々すぎて思い出せないな」
高久から見たら、武道がなにか悩みを抱えているのは一目瞭然だ。
武道が察しているように、一度ちゃんと話しておきたいと思っていた。
隣に座ってプルタブを引くと口をつけながら弟の様子をそっとうかがう。
「あー……あったかい苦みが癒される……」
武道が芯から温むといったような声を出す。
今だ、とばかりに高久は切り込む。
「親父もお袋も、そろそろ顔見せろって言ってたぞ。特に……お前な?」
兄は武道の方を横目で見て、またコーヒーを啜った。
「忙しいを理由にちょっと避けてるだろ。進学決めてるのはいいが、将来の話とかしておけよ?」
武道は痛いところを付かれて言葉に悩み、どこまで言おうか考えた末に絞り出した。
「あー、うん、入試ひと段落したら一度帰省してその時に話すよ」
そこで武道は言葉を切ったが、兄は納得している雰囲気ではない。
高久はくしゃくしゃと茶に染めた短髪を掻いている。
「お前な……」
「あー……将来の夢は決まってるんだよ、ただお父さんとかにいったら驚きそうかなーって。スポーツトレーナー目指してるって言ってから話してないしね」
「俺が競輪選手目指すって言った時ほどは驚かないだろうさ。で、なにを目指すんだ?」
「……えっと、警察官……」
口にした途端、高久が目を瞠った。
「……おぉ……」
「ほらもー!」
「いや、さすがに少しばかり驚いた。だが……」
今まで説教モードだった高久が、くくっ……、と肩を震わせている。
「いや、嬉しいもんだってな。弟の成長は嬉しい、お前もその気持ちわかるだろ?」
「まぁ、その気持ちはわかるけどね」
武道だって弟が自分のように悩んでいたら、同じように何処かに誘って話をしようとするだろう。
ただ高久とは年が離れていることもあって、なんだか父のようなところもあるというか、自分が弟と息子の間くらいの距離感になってしまうのが気まずかったりするのだ。
高久の表情が和らいだのを見て、武道はほっと肩の力を抜いた。
「説教おわった? おわったよね!?」
まあな、と高久は口の端を上げる。
「随分かわったな、武道」
「んー……まぁ色々あったからね」
「フツウをまもってきて何か思う事でもあったか?」
「そうね☆ 楽しい事もつらい事も、……」
弟に知られたくなかった事も。でもそこは言葉を濁す。
高久は親に似た気遣いの声色で尋ねてきた。
「怪我とかしてないか?」
「怪我?」
してない、と嘘は吐けない。でも、した、と言えばまた心配されてしまう。
だから視線を遠くに飛ばして言葉を濁す。
「あー、あー……」
「……ごまかしたなこいつ」
高久には分かったのだろう。だけど貰ったのは心配の言葉ではなく、ぐりぐりげんこつだった。
「テヘ☆ って、いったぁい!」
コーヒーの缶はすでに二人とも空になっていた。
「行くか」
高久が立ち上がった。
「この後何食べるか? 何でも好きなものおごるぞ」
「え? マジ? 飯おごるってさっきのコーヒーだけじゃなかったのか!」
「社会人の兄ナメてんのか? 最初に言ったろ、飯おごるから付き合えって」
ニカッと笑うその顔は、武道が頼りにする兄の顔だ。
だった……甘えてしまおう。
「いやあ、何か言われるんだろうなと思って奢りの方、あんまり考えてなかった。あーどうしよう、悩むー」
「お前ほんとに悩み魔だよな。ま、悩め悩め! そしてこれにするってのが決まったら教えてくれ」
「……あ、なら中華食べたい!」
「了解だ。学生じゃ行けないような美味いとこ行こう」
「やった☆」
先に立って歩き出した兄の大きな背中を追う。
自分も弟に、こんな背中を見せられるだろうか。
いや、まず自分だ。もうすぐ来る人生の分岐点で、自ら決めた道を進む。
今宵、兄と話して、改めて覚悟が決まった気がする。
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
47人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月18日
参加申し込みの期限
2020年04月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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