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【クリスマス】あなたに会いたい、雪降る聖夜
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●クリスマスの魔法
「嘘ですよね……?」
大塚 絽紗
は自らの変化に声を失う。
九夜山頂上展望台を待ち合わせ場所にしたのは、夕暮れ時の冬の三夜湖はとても美しいと聞いたから。
「受験勉強の最中とはいえクリスマスだし、息抜きも必要だろ」
そう言って誘ってくれたのは相手は気になる相手、
高峰 一馬
。
それなのに――また神魂の影響か――姿が変わり、長身ですらりとした眼鏡男子になってしまった。
服装も紺のモールスキンジャケットに変わっていて全体的にトラッドで洒落ていながら、元の絽紗そのままの穏やかで落ち着いた雰囲気もあり、一言でいうと雑誌に出てくるようなスマートなイケメンである。
「どうしよう……」
正直に伝えるしかないかも……と一馬のことを探していると、どうも惹かれてしまう女の子がいる。
大きめダッフルコートを着た、スポーティな雰囲気のショートボブの子だ。
戸惑った様子でブツブツ言いながらしきりに髪を弄っている。
(あれ……なんだかあの凛々しい眉毛に見覚えがある気が……)
そうだ。自分が男になったのなら、彼も女になっているということはないだろうか。
「もしかして、一馬君?」
声をかけると、彼女は顔を真っ赤にして慄いた。
「おっ……大塚っ!?」
「やっぱり一馬君ですか」
「おう。声掛けてくれてありがとな……正直参ってたんだ。折角の約束なのにこんなふうに姿が変わっちまってどうすっか……って。これも神魂の影響だよな、まさか女になっちまうとは……」
「私もです。男の人になってしまうなんて……」
そう言いながら一馬の姿をとくと眺める。
驚きと喜び、どちらが大きいかと言われたら喜びかもしれない。
「なんとまぁ、可愛らしいお嬢さんでしょうか」
褒めると一馬は恥じらうように視線を逸らした。
「……いや、なん、そっちは格好いいな……!?」
イケメンがいると思ったらまさかの会いたかった相手だった、なんて、どんな少女漫画だよ。
高3で同級生の中には受験でクリスマスどころではないと殺気立っている者もいるが、一馬自身は一般陸曹候補生として陸自入隊内定をもらっており、クリスマスに女の子を誘う程度の気持ちの余裕がある。いや、正確には過去形……『あった』ってやつだ。
今はなんだか余裕がない。
(女の子の心臓ってやつはこんなに早く脈打つもんなのか? まるで小動物じゃないか)
「どうしました、一馬君?」
「や、大塚が……あんまりイケメンだから、びっくりしたよ」
正直に伝えると目の前の青年はやわらかく微笑む。
その笑顔はやっぱりよく知る彼女のままだ。
それで肩の力が抜ける。
「で、どうする?」
「そうですね……少しだけあたりを散歩したら、予定通りシーサイドタウンへ降りてみましょうか」
◇
街に出た絽紗は楽し気だった。
通りはイルミネーションが瞬き、賑わっている。
絽紗の海のように穏やかな色をした瞳に、イルミネーションが蛍のように映り込む。
その穏やかな横顔を見上げ――こんな視点も新鮮で、一馬は安心と照れ臭さを感じていた。
「楽しいですね」
なんてことないセリフひとつに、どきりと心臓が跳ねる。
「ん、そうだな……」
冷静を装ってはみるけれど、これがトキメキってやつかってどこかで納得してしまう。
(や、いつもの大塚にも心臓はばくばく言う、ときもあんだけど、さ)
学校帰りにだって通る道なのに。
どうしてこんなに楽しいんだろう。
ネコジマスクエアでは、キスしてサンタさんが流れていた。
いくつかのキスを見て、少しだけ居心地悪くなってその場を離れる。
辿り着いたのは観覧車の真下だった。
強い光の下は、影になっていて誰もいなくて――絽紗はここで、と心を決める。
今日は彼に告白するつもりでいた。
自分なりの言葉で。
もっとも、彼の夢を邪魔しないよう納得のゆく将来をつかむまで、待つつもりでもいた。
背の高くなった絽紗は、一馬に手を伸ばし、髪を掬い上げるようにして囁きかける。
「ホワイトデーの日に言ってくれたでしょう。待っていろ、って」
「あ、ああ……」
その仕草だけで一馬はかあっと頬を染めた。
けれど絽紗は手を緩めるつもりはない。
「私はその約束を守ります。ただ、ね? 何もしないまま、待っていたくはないから」
頬を染めたまま、唇を噛む。
(そう、待たせちまってるんだ。守りたい人を、俺の勝手な都合で。だけど今日もこうして隣にいてくれるのは、大塚に甘えちまってる)
絽紗は落ち着いた声音で某有名国立大学の赤本を取り出し、静かに一馬に告げた。
「私、待っているだけじゃ嫌なんです。私は、私の道を進みます」
「絽紗……」
「今はお互い、まだまだ力はなくともいつかあなたの役に立ちたいから。一馬くんが私を守るなら、私もあなたを守ります。全身、全霊をかけて」
脊髄に響く声。力が抜ける。
「ははっ……格好いいなあ、大塚」
そういうのがやっとだった。
「今は男だから、とかじゃなくて。大切なものを守りたいっていうのは俺の根っこのとこだけど、変に拘っちまってたんだなって思い知らされる……」
「一馬君」
絽紗が一歩間合いを詰めた。
「あ……」
男の大きな体で、絽紗は一馬を包み込むように抱きしめた。
一馬も雰囲気に逆らうことはしなかった。
なんてったって観覧車は虹色に光り、雪まで降っているのだ。
流されて、大きな背に腕を回して、絽紗を見上げてその気になって、何が可笑しいことがあろうか。
絽紗は自然と顔を寄せてきた。
一馬も今の絽紗の背丈に合うようにすこしだけつま先立ちになる。
そしてふたりはキスをした。
……どっちが男でも女でも、彼と彼女ならそれが自然なことと、ふたりは思った。
◇
シンデレラの魔法は夜中の十二時までと相場が決まっているけれど、絽紗と一馬に掛けられた魔法はそれより少し早く解けた。
「……もとに戻っちゃいましたね」
元のたおやかな女の子に戻った絽紗は、男だった時の自分が積極的過ぎたことを思い出して赤面する。
「はは……元に戻って、やっぱり安心する」
筋肉のついた力強い肉体を取り戻した一馬は、白い八重歯を見せて笑う。
「だけど……」
「だけど?」
「今度は俺の腕の中にいる大塚が、かわいくて、暖かくて、愛おしくてさ」
今度は一馬のほうから、強く抱きしめる。
女の子だったときは包まれるようだったが、今度は自分が絽紗の華奢な体を包み込んだ。
「待ってください」
絽紗は眼鏡を外す。
さっき、キスしたとき、少し邪魔だったから。
男だった時見下ろしていた彼の顔を今度は見上げ、その抱擁に身を委ねた。
男でも、女でも、彼への思慕は変わらない。
むしろ一度男として体験したからこそ、さらに想いは募っていて――
今度は絽紗がつま先立ちで、一馬の瞳を覗き込む。
「魔法がとけた後も、ずっと魔法にかかっているみたい……」
ふたりの影は重なる。
雪よお願い。光よお願い。
傍らの影を深くして、もう少しだけふたりを世界から隠していて――……。
「私、待っているだけじゃ嫌なんです。あなたを守れるように強くなりますね」
「まじか」
「もちろん心のことですよ……身体は敵いませんから……一馬君が守ってください。女の子ですから」
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
47人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月18日
参加申し込みの期限
2020年04月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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