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寝子島高校
world;<"BAROQUE:CODE">
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闇の色に沈んだ廊下が奥まで続いている。
木造の廊下に四角い窓のかたちした月の光が並んで落ちている。
床を踏む自身の靴音に、
サキリ・デイジーカッター
は鮮血の色した瞳を小さく瞬かせた。
いつのまにか見知らぬ場所にひとり立っていたことに対する驚きの色は、その瞳に薄い。むしろ仄かな笑みさえ、その唇に滲んで消える。
闇を浮かび上がらせる月の光と同じ白銀の色した髪を弾ませ、サキリはいっそ軽やかに歩み始めた。
(また妙な神魂現象か)
瘴気にも似て闇に漂う害意を本能に近く感じ取る。
(あるいは悪意ある何者かの仕業か)
どこまでも続いて見える夜の学舎の廊下と等間隔に並ぶ窓の風景に見覚えがあった。
(……『BAROQUE:CODE』)
寝子祭で出品されていたパソコン部の自主制作ゲームの名称が頭に浮かぶ。お祭りの最中、あちらこちらの出店を巡ったとき、パソコン部のブースも覗いている。もちろん、ゲームの試遊もした。
この現象とフツウを守るための対処を探るべく闇の中を歩みながら、サキリは再び頬を緩める。
いつ死の罠が襲い掛かってくるとも限らないこの状況はともかく、
(ここの雰囲気は悪くない)
試遊では、謎のひとつも解けず登場人物の全員が失踪または死亡する固定エンドだった。今己が放り込まれているのは、おそらくは物語の序盤。物語の通りであれば、今この夜の校舎のどこかに居るはずの『黒音高の怪人』を見つけようとキャラクターたちが探索を行っているはず。
今しも得体の知れないナニカが這い寄って来そうな暗闇に緋色のまなざしを静かに向ける。
(ホラーゲーム特有のこの緊張感がたまらない、けれど)
この物語がゲーム内で語られたままの物語であるのならば、いわば己はイレギュラー。己がここに立ったことで、物語は如何なる変質を遂げるのか。
(我ながらどうかと思うけど)
深い呼吸をひとつ。そのひとつきりで、サキリは周囲の闇に己を同化させる。足音のひとつ、息遣いのひとつも消して見せる。
残るはただひとつ。穏やかに見える分だけいや増して剣呑な、笑み。
(命がけのスリルは楽しいね)
それもほんの一瞬のうちに、闇に溶けた。
寝子高校の制服をゴシック調にアレンジした、『黒音高校』の制服。
月影の清かな光の中、己の身を包むそれを見下ろして、
史越 奈津樹
は小さく顎を引く。『BAROQUE:CODE』のキャラクターのためにデザインした衣装は、寝子祭で『BAROQUE:CODE』のコンセプトカフェを催したときにも身に着けている。あの時にも思ったけれど、
(我ながらよくできたデザインだ)
と思ってから、ついつい制服姿の自分を観察してしまう眼鏡越しの黒い瞳を軽く伏せる。
(……いや)
足元を照らす月の光と、光を拒絶して深い闇を凝らせる廊下へと注意深い視線を向ける。
(そんな場合じゃなくて)
作成に携わったからこそ、一目で分かる。ここは明らかに自分たちが作成した『BAROQUE:CODE』の世界だ。
(よくわからないけど)
ゲームの世界にひとり佇んだまま、静かに思考を巡らせる。
(こういう時はゲームをクリアすれば元の世界に戻れる、っていうのがセオリーだよね)
制作者であるからこそ理解している。このゲームでは登場人物が容易く死に至る。選択肢をひとつ誤れば、死が連鎖する。そういうつくりになっている。キャラクターたちは、幾度も死ぬ。死ぬことでプレイヤーに辿り着くべき『真実』を示唆する。
けれど、今の己は。
(ここで俺が死んだら)
ふと思って、首筋をナニカの冷たい指先になぞられるような感覚を覚えた。それと同時、腹の奥底から湧き上がる高揚にも似た感覚も。
(これはゲームではない、けど)
一歩踏み誤れば奈落の底に転落するが如き感覚は、危ういものであると知っていても止められなかった。
(……真里亞の魔法はかかってもいいけど玄野のトリックは気を付けないとな)
心すら支配しようとする高揚感から目を逸らし、ともかくも現在の状況に思考を向ける。ここは『夜の校舎』。となれば、
(『七原七夏』はいるのかな?)
『黒音高校』の制服を纏った自分の姿をもう一度確認する。コンセプトカフェで七夏のコスプレをしたときと同じ、今の自分の姿。『七原七夏』の姿を模していながら『史越奈津樹』としての意識を保っている、自分。
(もしもいなかったら)
この世界がゲームの設定上そのままであるならば、ゲームのクリアは不可能──
「……大丈夫」
沈みかける気持ちを踏みとどまらせるべく、なるべく明るい声を出す。
「俺は何回このゲームをやったと思ってるんだ」
物語の全容もルート分岐の場面も、どこにどんな罠があるかも、一人の犠牲者も出さずに済むルートも。全て覚えている。
それに今、己は『七原七夏』ではない。
登場人物でないということは、選択肢によって己の行動が制限されるわけではないということ。
(だから、)
危険だと理解している夜の学校の闇の中へと踏み込む。コツリと響く己の靴音が廊下の暗闇にどこまでも反響して聞こえることにドキリと心臓を震わせながら、同時にひっそりと弾ませながら、奈津樹は冷静なまなざしをもたげる。
(バッドルートを体験しなくてもトゥルーエンドにたどり着けるんだ)
そのはずだと信じて、歩む。
(とにかく、人を探そう)
ここがゲーム世界のままであるならば、自分が描いたキャラクターたちがいるかもしれない。そうでないにしても、自分と同じようにこの世界に引きずり込まれた誰かはきっといる。
(……はずだ)
「ふえええええ、もうやだああああ!」
暗闇の深さに覚えた一抹の不安を吹き飛ばす賑やかな悲鳴に、その聞き覚えのある声に、奈津樹は慌てて周囲を見回す。
「柚枝先輩?!」
パソコン部の先輩で、『BAROQUE:CODE』のコンセプトカフェでは七夏の幼馴染の少女『堤蜜柑』役を演じていた
綴 柚枝
の名を口にするも、
「やだやだ、なんで蜜柑一人でこんなところにいるのー?!」
廊下の奥の暗闇から逃れるように全速力で駆けてきたのは、亜麻色の髪を華奢な肩に揺らす制服姿の少女だった。
「え、……」
パソコン部の先輩かゲームの登場人物かと奈津樹が迷ううち、短いスカートの裾を際どく翻し、ニーハイソックスとスカートとの絶対領域をちらつかせ、少女は奈津樹の胸にぎゅっとしがみついてくる。
「ふええ~、怖いのやだぁ……」
「つ、……『堤蜜柑』……?」
自分が描いたキャラクターそのままの少女の姿に、体に押し付けられる詰め物とは思えない柔らかな胸の感覚に、奈津樹は眼鏡越しの目を瞠る。
「もー、蜜柑を一人にしないでよ~、怖かったんだから! 七夏くん!」
半泣きの瞳で見上げてきた少女の丸い瞳が、くるりとますます丸くなる。
「……あれ? 七夏くん、じゃ、ない……?」
「え、っと、……」
これもナニカ怖い現象の前触れかと後退る『堤蜜柑』そのままなパソコン部の先輩に、奈津樹は戸惑う。もしかしてもしかすると、目の前の女子はパソコン部の先輩が扮装した『堤蜜柑』ではなく、
(本物……?!)
ということは、と思わず蜜柑の胸が触れた自分の身を掴む。
(いや、いやいやそうじゃなく! 自分が描いたキャラが生きている……!)
可愛い顔がいい、と心の中で感動する奈津樹を不思議そうに見つめて後、蜜柑は奈津樹を怖いナニカではない、と判断したらしい。
「黒音高のひと、だよね……? 同じ制服だもん」
小首を傾げる蜜柑に、奈津樹はこくこくと何度も頷いて見せる。蜜柑がいるということは、近くに他の登場人物もいるかもしれない。
「誰かと一緒だったりする?」
「みんなと……いつもの四人で一緒にいた気がする」
あれ、と蜜柑は考え込む。
「でも四人の他に誰かいたような、……ううん、思い出せないや」
蜜柑は首を横に振る。追えない記憶に息を詰めて俯く。
「もういやぁ、お家に帰りたい……七夏くん、真里亞ちゃん、優くん、みんなどこぉ……?」
「一緒に探そう」
笑う奈津樹を仰ぎ、蜜柑は心細さを隠すように微笑んだ。泣き出しそうだった瞼を小さな拳でごしごし擦り、引きつりそうな頬をぱちぱちと両手で叩く。うん、と小さく頷く。
「怖いけど、でも、君と一緒なら大丈夫。蜜柑、頑張るよ!」
明るく笑い、ごく自然に手を繋いでくる蜜柑に、奈津樹は心の中で本日何度目かの感動を覚えた。
(まじ蜜柑……!)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
推理・サスペンス
ホラー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月04日
参加申し込みの期限
2020年04月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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