＜七福猫シリーズ＞福禄寿猫を探せ編｜リアクション

＜七福猫シリーズ＞福禄寿猫を探せ編

●福禄寿猫をお祀りしよう

　福禄寿猫発見した後、安心感から脱力した夏夜は地に突っ伏した。
「人間には羞恥心ってものが……ね……」

　――恥ずかしがることはありません。心躍る良き歌でありました。

　音楽を楽しむことは健康に良いことです、と福禄寿猫は夏夜に語り始めた。
「何はともあれ、見つかってよかったよ……本当に……」
　探している人がいるかもと思った夏夜は、ねこったーで『福禄寿猫発見』と報告。
　気を取り直してから、夏夜は福禄寿猫にねこシールを貼り、安全な場所に運ぶことに。
「どこがいい……？」

　――見晴らしの良いところに連れて行ってもらえませぬか？

　それなら九夜山頂上展望台がいいね、と、そこを勧めた。

　――では、そこに。

「いいよ……連れて行ってあげる……」

「福禄寿猫、見つかったぞ！　九夜山頂上展望台付近で発見されたそうだ」
　そこに行くぞ！　と張り切る龍目豪は野菜原ユウの手を掴んで発見場所に向かう。
　向かう途中でまた転倒するかと思ったが、転ぶことはなかった。
「急に転倒しなくなったな」
「理由はわかんねーが、転ばなくなったのは助かるぜ」

　耳福池で路上ライブ中の佐藤瀬莉は、足取りが軽くなったので誰かが福禄寿猫を発見したと思った。
「これで普通に歩けるね。そうとわかれば撤収！」
　皆ー！　ありがとー！　と観客にお礼を言い、ダッシュでその場を去った。
　ねこったーで情報取集していると、九夜山頂上展望台付近で発見されたことがわかった。
　数十分後。豪とユウ、瀬莉が会ったのは寝子島ロープウェー展望台前。
「頂上展望台に向かおうぜ」
「うん！」
　転倒や歩みが遅いといったアクシデントが無いので、服装も元に戻してもらえるかもと福禄寿猫の元へ急ぐ。

　福禄寿猫を運んでいる最中、夏夜は合流した３人に出会った。
「お前が福禄寿猫を見つけたのか？」
「そうだけど……」
「随分汚れているね、福禄寿猫」
　九夜山頂上展望台に行く前に皆で綺麗にしない？　という瀬莉の提案に皆、賛成した。
　夏夜が用意した道具を使い、拭いたり、洗ったりと福禄寿猫を協力して綺麗に。
　
　福禄寿猫が綺麗になったら、次はお社作り。
　山頂上展望台に設置するので、九夜山らしいだろうと言う豪の案でログハウス風に。
　皆で協力し、使えそうな木の枝を探し、枝をひとつずつ組み立てて小さなログハウスを作っていく。
　完成したら、そこに福禄寿猫を祀る。その途端、皆の外見、服装が元に戻った。

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