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●メッセージ
冷え込む日の救急センターは戦場になる。温度差による血圧変動で脳卒中や心筋梗塞を引き起こしやすいからだ。寝子島病院に勤務する
志鷹 佑都
は、まさにその渦に巻き込まれていた。救急医である彼は本日朝から運び込まれる患者達の処置に追われて1日が過ぎ、ろくに休憩も取れないまま当直勤務に突入してしまった。
当直勤務になっても運び込まれる患者は後を絶たなかった。
午後10時頃には浴槽で失神していたという1人の男性が運び込まれた。
家族がそれを発見したというが救命は叶わなかった。まだ温かい体に縋る家族。もっと早く見つけてあげれば、と涙するその姿を見れば、佑都の心は痛んだ。かけがえのない命を1つ取り零してしまった。その無力感に苛まれた。
深夜になり雨が音もなく降り続ける。街も病院も闇の中の静寂に溶けていくようだ。しかしそれはすぐに救急車のサイレンによって破られた。自宅の廊下で倒れていたという女性が病院に運び込まれたのだ。
幸いにして発見が早く、佑都の処置により何とか一命は取り留める事ができた。しかし予断は許さない。佑都は治療を続け、もう容態が安定したと判断できたのは夜明け頃。佑都はそのまま当直室に戻り、医療着のまま簡素なベッドに倒れ込んだ。ふうっと長い睫に縁取られた綺麗な緑の瞳を閉じる。
当直室は静かな筈だった。呼び出しのコールも今は聞こえない。しかし佑都の耳には音が小さく渦を巻いて残っていた。わんわんと響くサイレン。絶え間なく聞こえる医療機器の音。そして患者の家族のすすり泣く声。
当直は意識が混濁する事が多い。今日みたいにまともに当直室に戻れない時もあれば、戻った途端に呼び出しのコールに起こされ続ける時もある。共通しているのは睡眠など満足に取れないという事だ。患者の前では常に正確な判断が出来るように気を張るが、それ以外の時間はぼろ雑巾以下の精神状態だ。それでも尚、佑都は仕事に心身を捧げていた。
忙しい事は有り難かったのだ。目の前の命に集中していれば余計な事を考えないで済む。忘れられる。最愛の女性を亡くした喪失感も。幸せになる友人達に残される寂しさも。
―――君を忘れたい訳ではないんだ。忘れられる訳もない。君との日々が穏やかで花咲く様に幸せだったからこそ、今の日々が1人砂漠を歩く様なんだ。誰もいない、夜の砂漠。オアシスは俺の心の中にしかなく、自分の前には草1つ生えない。
くたくたの心身をベッドに預け、どろどろの思考に落ちていく。その時、突如携帯が震えた。
暗い当直室に明るく光る画面。
『大丈夫? あまり無理しないでね』
余りのタイミングに、佑都はそのメッセージを見ながら緑の瞳を大きく開け、ぱちくりと瞬きした。佑都と同じ緑の瞳を持つその送信主も、まだその瞳を携帯に向けているだろうか。
それは、同じ病院に勤める双子の姉。自分と同じ色の瞳なのに、彼女の緑は柔らかな自然の優しさに溢れている気がする。そう思わせるほど、彼女は優しく、いつも他人の事ばかり気に掛けているのだ。そういえば、今日当直だって言ってたな……。
佑都の唇に思わず笑みが零れた。自分も疲れているはずだろうに、どうしてこの人は。
ぽうっとランタンが灯されたように、ほんのりと疲れた心が温かくなった。『ありがとう。君もね』と佑都が姉に返信した時、ちりんと携帯につけたストラップの鈴が鳴った。
それは猫の小さな編みぐるみ。以前担当した患者の少女がくれたものだが、姉はそこに鈴付の四つ葉のクローバーの飾りをつけてくれた。
自分の幸せを祈ってくれる四つ葉のクローバー。佑都は指先でそっとそれに触れた。
砂漠を俺は進んでいく。最愛の人の言葉を胸に。けれど、姉のように優しい星明かりの下、俺は自分の手に持っている種に気付くんだ。それはきっと、色とりどりの花の種。愛した人の花は咲かせ続ける事は出来なかったけれど、俺は歩きながら手にある命を蒔いていくのだろう。
俺の後ろにたくさんの花が咲いてくれればいい。姉の花も美しく咲き続けていて欲しい。―――自分の前には何1つない砂漠が続いていたとしても。
佑都はベッドから体を起こした。気が付けば当直室のカーテンの隙間が明るくなっている。カーテンを開ければ外は一面の朝焼け。そこに今生まれたばかりの淡い色合いの虹がかかっていた。
『虹が出ているよ』
佑都は一言、姉に送信をする。そして目の前に広がる朝焼けの美しい光景を、いつまでも見続けていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年02月29日
参加申し込みの期限
2020年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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