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寝子島高校
ちょっと、ご褒美
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●膝枕
師も走る12月。開業60年、地域に愛される動物病院、風見猫が目印のたちもり病院のドアを
望月 神無
は開ける。ここにいる若院長
日月 透
を訪ねるためだが……院長は絶賛パタパタと走りまくっていた。
「ごめんなさい、本当はもう休憩時間なんですけど、ご覧の通り忙しくて……。そこのソファで待っていて貰ってよろしいですか?」
受付のお姉さんが申し訳なさそうに言うのに「待つので大丈夫っす、ありがとう」とイケメンに手を上げ彼女の目をハートにした神無は、待合室のソファに腰掛けながらもちょっと呆然としていた。
(来るタイミング間違えたかな)
動物病院は年中忙しいと聞くが、まさかここまでとは。休憩時間だから大丈夫だろうと恋人の病院に遊びに来た神無は、自分が学生でまだまだ甘いんだなぁと思い知らされる。いかんいかんと反省しているうちに段々待合室も空いていき、ようやくズタボロの透が顔を出した。
「お待たせしました……って、神無さん?」
まさか恋人が来ていたとは思わなかったのだろう、透は神無を見て少し固まった後、よれよれの白衣をはたいて髪を手早く撫でつけてたりしてみたが……無駄な努力だった。
神無にしてみれば間近で見れば見るほど透がいつも以上にやつれている気がする。思わず、
「いきなり来た俺が言うのも何ですけど、大丈夫ですか?」
と声を掛けてしまった。
「うん、大丈夫ですよ。えーと……とりあえず2階に移動しましょうか」
珍しく少し慌てたように言うと、そそくさと背中を見せる透。その背がまたいつも以上の猫背な気がして……ますます神無は心配になった。
*
「2階と3階が自宅なんですよ。2階が共用スペースで3階が私室」
応接間に神無を通すと、透は珈琲を淹れながら説明をする。ソファに座りながら少し物珍しそうにふんふん聞く神無をほっこりと見ながらも、透は内心で先程掻いた冷や汗を拭っていた。
(何ともみっともない姿を見せてしまいました……)
心身共に疲れているところに恋人が来てくれるのは非常にとてつもなく嬉しい。しかし自分のズタボロな姿をさらさなくてはならない。でも顔を見るだけで元気になっている自分もいて。
うーんうーんとジレンマに悩む三十路男。……いやとりあえず自分の事より神無さんの事です。もしかしたら何か用事があって来たのかもしれない。
そうだとしたらだいぶ待たせてしまったと、透は珈琲を神無に勧めた後、自分も隣に腰掛け神無に尋ねた。
「今日はどうしましたか? 何かあったのなら……」
そこで透は言葉を切った。神無が顎に手を当て、何かを考えている風だったのだ。
(何かな? 私にできる事ならいいのですが……)
少し自分のペースを取り戻した透は、神無の返事を急かす事なく、落ち着いて珈琲を啜る。こくんと深い琥珀色の液体を喉に落とし込んだ時。
「日月先生。膝枕させてください」
「! …………げほっ」
―――咽せた。
(疲れている先生に対して自分ができる事はなんだろう)
神無は真面目に考えたのだ。でも大人な透に対してちっぽけな高校生の自分ができる事など限られている気がして。その時、姉夫婦の姿が思い浮かんだ。疲れた義兄を膝枕する姉。義兄はとても気持ち良さそうだった。……あれなら自分にもできるんじゃないか?
そう思って提案したのだが、目の前の恋人はげほげほ咽せている。
(どうしたんだろう……と言うか、この人でも咽せる事があるんだな)
神無は少し驚きながらもけほけほと丸くなっている透の背中をさすってやる。と、透が涙目でようやく顔を上げた。その顔の近さに神無は少しどきりとする。透が名残の咳を一つ落とすと、少し掠れ声で言った。
「なんて……言いましたか、神無さん」
「ですから、膝枕をさせてくださいと。日月先生、とてもお疲れのようですから」
真面目に答える神無に、透は片手で額を押さえ、ストップをかけるように掌を神無に見せた。
「いや、大変魅力的なご褒美なんですが、大人としてですね……」
「そんな事関係ないですよ、先生。休憩すべきです。少しだけでもいいから、横になってください。俺なら大丈夫ですから」
「いや、そうではなく、私にも守らないといけない一線というものがある……」
ずいずいと文字通り膝を進め(勧め)てくる神無。理性を総動員させる透。しかし今回は透に分が悪かった。疲労により思考能力がだいぶ低下していた三十路男は、最終的に女子高生にころんと横にされてしまったのである。
(端から見たらどういう構図なのでしょうか……)
応接室に流れる空気は何とも微妙なものだ。二人きりの空間で女子高生に膝枕される三十路男。
(疲れていて判断力がおかしくなっています)
しかし神無は本当に気遣ってくれている。自分の頭を優しく撫でる彼女の手にうとうとしながら、透は思っていた。この少しだけ甘くて心地よい空気はありがたく、癒やされる。ぼろ雑巾のような午前だったが、こんなご褒美があったのなら頑張って良かった。
神無の膝で蕩けるように微睡む透。すると自分の頭を撫でていた神無の手が止まった。
(……?)
どうしたんだろうと思ったが、頭がまだぼんやりする。ようやく片目を薄く開ける事に成功した透は、信じられないものを見た。
「いつもお疲れ様です」
小さく神無の声がして、自分の額に可憐な唇が下りてくる。音もなく優しく温かい感触がそこにした。
現実なのだろうか。神無に膝枕にされて、額にキス。
―――私、今日死ぬのかも。
透は本気で思った。
自分の膝で安心しきっているこの人を、愛おしいと思った。指に絡む柔らかい髪の毛も、目の下のクマも。笑って貰って構わない。10は年の離れたこの人を、守りたいと思ったのだ。
(姉ちゃんもこんな気持ちなのかな……)
膝の重みに愛しさが溢れる。「いつもお疲れ様です」と小さく呟くと、神無は透の額にキスをした。
「いつも頑張っている先生への、ご褒美です」
へへと1人照れ笑いしながら顔を上げる。気付かない、だろう。さっきから目を閉じているから。それでもいいのだ。この人の安らぎを守れているのなら、それで。
恥ずかしさと愛しさがない交ぜになった気持ちのまま、神無はまた優しく透の頭を撫でる。と、その手首がそっと掴まれた。
「え?」
驚いて見れば、透が両目をぱっちり開けている。―――日月先生、起きてる?
「……さっきのお返しをしたいんですが……」
そう言うと、透は神無の手にそっとキスをした。
「! 日月先生!」
神無は驚いて手を引っ込めようとするが、透は離さない。そのまま愛おしそうに神無の白い手首を引き寄せ、キスを降らせた。
指先に。手の甲に。掌に。手首の内側に。透の唇が神無の肌に落ちる度に部屋にちゅっと濡れた音が響く。その度ごとに神無の顔は赤くなっていき。
「……耳まで真っ赤になっちゃいましたね?」
キスをやめ、透が悪戯っぽく笑う時にはゆでだこの神無ができあがっていた。
「~~~っ!」
神無は顔を隠したいが、透が手を離してくれない。真っ赤になりながらも涙目で透を睨めば、なぜか透は「その顔はずるい……」と苦笑して天を仰いだ。
「何でずるいんですか……? それより先生、手、離して……」
「離しませんよ。さっきのお返し、まだ足りないんじゃないですか?」
ふえ、と赤いままびっくり顔をする神無の頬を、透がそっと触れる。
「熱いですね……」
そんな事を言いながら熱い眼差しで自分を見てくる恋人の掌は、間違いなく男の掌で。もう神無は耳の先まで赤くなってしまった。
透はふふと頬を綻ばすと、ゆっくりと神無の艶やかな黒髪をそっと彼女の耳に掛ける。そして露わになった可愛らしい耳に唇を寄せ、そっと囁いた。
「ちゃんとしたお返しは、大人になるまで待っていて下さいね」
「!」
―――きっと大人になっても俺はこの人には勝てない。
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あとがき
担当マスター:
KAN
ファンレターはマスターページから!
KANです。
ご参加の皆様、ありがとうございました!
人の数だけそれぞれご褒美があるのだなぁとこちらもほっこりしながら書かせて頂きました。
皆様がにとって少しでもご褒美のリアクションになっていれば幸いです。
私のちょっとご褒美は何だろう……。時間が出来た時の漫画タイムかなぁ。
あ、皆様のお声は最上級のご褒美です! いつもありがとうございます!
それでは。
またいつか皆様に会える事、楽しみにしています!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年02月29日
参加申し込みの期限
2020年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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