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【球技大会】クラス対抗、冬の陣！
◆男子野球～３年生最終試合とチアと告白
バレーボール女子の試合も終わり、そのほかのほとんどの競技がすべての対戦を終えつつあった。
一番最後に残ったのが男子野球の最後のカード、３年１組対３年６組。高校生活最後となる３年生の試合とあって、同学年のみならず試合を終えた他学年の生徒たちも鈴なりになって観戦している。
「フレー、フレー、６組！ いまこそ青春燃やし尽くせよ！」
クラス独自の応援歌に乗せて、自分の試合を終えて応援に駆け付けた初瀬川 理緒や佐和崎 紗月などの３－６女子たちが、カラフルなポンポンを手にチアリーディングで最終試合を盛り上げる。
「あー、もう最高！」
「理緒ちゃんは人に見せるのに慣れてるだろうけど……ミニスカートで足を上げるの恥ずかしい……」
「大丈夫大丈夫！ スカッツは見せてもいいインナーだから」
恥ずかしがる紗月を励ましつつ、めいっぱい華やかに見えるように高く足を上げる理緒の姿に、６組ナインは大喜びして士気も上がっているようだ。
そしてここに野球より３年生チアたちの存在に心の充足を感じている人がもう一人。
「すらりと伸びたお姉さま方のおみ足……眼福だわ」
大きなお胸とツインテールがトレードマークの楠 瑠璃であった。彼女の好みのタイプは姉のようにセクシーな女性で、今グラウンドで試合をしている泥や汗にまみれた男子は基本的にアウトオブ眼中である。
試合は３回裏。６組の１点リードで、１組の攻撃。３回までの短縮試合なので、この回で１組が打てなければ負けが確定してしまうという状況でである。ここでお鉢が回ってきたのは、やる気のなさそうな眠そうな雰囲気な上に実際にあまり運動が得意ではないせいもあって補欠としてここまでベンチを温めるだけだった北里 雅樹だ。それというのも、チームメイトのひとりが前の回の守備時に足を痛めてしまったのである。
「北里！ 代打として出てくれ！」
「お前しかいないんだ。頼む！」
「どうせ最後なんだ、思いっきり振って一発ホームランを狙え！」
チームメイトたちに口々に励まされ、仕方なく立ったバッターボックス。
「マジで運動苦手だからな？ ３振でも文句言うなよ」
ヤケクソで振ったバットは２度空振り。ラスト１球、心の底からもうどうにでもなれと思って振りかぶったバットが快音を上げた。白球は鋭く三遊間を抜けて転がってゆく。ヒットだ！
走れ走れ、とベンチの仲間たちが腕を振り回す。
雅樹はバットを投げ捨て、ここ最近で一番というくらい懸命に走った。
ファーストが腕を伸ばしてボールをキャッチする。雅樹が１塁ベースを踏む。
際どいところだったが審判の判断は「セーフ」。
「おおー。１塁ヒット。俺、頑張ったんじゃね？」
１組のラッキーは、このあとにクラスが誇る強打者打線が控えていたことである。
続く二人のバッターもヒットを繰り出し、とうとう満塁という場面にいたり、４番打者でユニフォームを来ていてもわかる筋骨隆々といった男子生徒がバッターボックスに入った。
（あれ？ あの人は……）
観戦していた瑠璃は記憶を辿る。試合の前、応援席に向かおうとしていた瑠璃は、確かに彼の横を通りすがった。記憶に残っていたのは、その時彼と一瞬目が合ったような気がしたからだ。
（確か彼、『俺、今回の結果次第では好きな人に告白するんだ』って言ってたわね）
その瞬間、その４番打者が打った。
打球は伸びる。センターが追いすがるがボールはその頭上を大きく超えて……。
「ま、ま、満塁ホーーーームラン！！！」
観客席がどっと沸いた。３塁にいた雅樹を含め、ランナーが次々とホームベースを踏む。
点数表には４という数字の脇にコールドを示す×印がつけられた。
１組の勝利である！
瑠璃は、喜びいっぱいに一番最後にホームベースを踏んだ４番打者を見て思っていた。
（よかったじゃない。告白する相手は誰なのかしら……）
ところがそれは他人事ではなかったのである。
その日、放課後に呼び出されたのは、ほかならぬ瑠璃だった。
「好きです。付き合ってください」
「もしかして愛の告白！？ 私に！？」
筋骨隆々の彼が意を決して告白してくれたことが嬉しくないわけじゃない。
けれど、瑠璃はどうしても断らざるをえなかったのである。
彼女の好みは『女性』なのだ！ それも『姉のように妖艶な』！
自分が筋骨隆々の男子と付き合うなんてことは、「やっぱり無理！」なのであった。
バレーボール女子の試合も終わり、そのほかのほとんどの競技がすべての対戦を終えつつあった。
一番最後に残ったのが男子野球の最後のカード、３年１組対３年６組。高校生活最後となる３年生の試合とあって、同学年のみならず試合を終えた他学年の生徒たちも鈴なりになって観戦している。
「フレー、フレー、６組！ いまこそ青春燃やし尽くせよ！」
クラス独自の応援歌に乗せて、自分の試合を終えて応援に駆け付けた初瀬川 理緒や佐和崎 紗月などの３－６女子たちが、カラフルなポンポンを手にチアリーディングで最終試合を盛り上げる。
「あー、もう最高！」
「理緒ちゃんは人に見せるのに慣れてるだろうけど……ミニスカートで足を上げるの恥ずかしい……」
「大丈夫大丈夫！ スカッツは見せてもいいインナーだから」
恥ずかしがる紗月を励ましつつ、めいっぱい華やかに見えるように高く足を上げる理緒の姿に、６組ナインは大喜びして士気も上がっているようだ。
そしてここに野球より３年生チアたちの存在に心の充足を感じている人がもう一人。
「すらりと伸びたお姉さま方のおみ足……眼福だわ」
大きなお胸とツインテールがトレードマークの楠 瑠璃であった。彼女の好みのタイプは姉のようにセクシーな女性で、今グラウンドで試合をしている泥や汗にまみれた男子は基本的にアウトオブ眼中である。
試合は３回裏。６組の１点リードで、１組の攻撃。３回までの短縮試合なので、この回で１組が打てなければ負けが確定してしまうという状況でである。ここでお鉢が回ってきたのは、やる気のなさそうな眠そうな雰囲気な上に実際にあまり運動が得意ではないせいもあって補欠としてここまでベンチを温めるだけだった北里 雅樹だ。それというのも、チームメイトのひとりが前の回の守備時に足を痛めてしまったのである。
「北里！ 代打として出てくれ！」
「お前しかいないんだ。頼む！」
「どうせ最後なんだ、思いっきり振って一発ホームランを狙え！」
チームメイトたちに口々に励まされ、仕方なく立ったバッターボックス。
「マジで運動苦手だからな？ ３振でも文句言うなよ」
ヤケクソで振ったバットは２度空振り。ラスト１球、心の底からもうどうにでもなれと思って振りかぶったバットが快音を上げた。白球は鋭く三遊間を抜けて転がってゆく。ヒットだ！
走れ走れ、とベンチの仲間たちが腕を振り回す。
雅樹はバットを投げ捨て、ここ最近で一番というくらい懸命に走った。
ファーストが腕を伸ばしてボールをキャッチする。雅樹が１塁ベースを踏む。
際どいところだったが審判の判断は「セーフ」。
「おおー。１塁ヒット。俺、頑張ったんじゃね？」
１組のラッキーは、このあとにクラスが誇る強打者打線が控えていたことである。
続く二人のバッターもヒットを繰り出し、とうとう満塁という場面にいたり、４番打者でユニフォームを来ていてもわかる筋骨隆々といった男子生徒がバッターボックスに入った。
（あれ？ あの人は……）
観戦していた瑠璃は記憶を辿る。試合の前、応援席に向かおうとしていた瑠璃は、確かに彼の横を通りすがった。記憶に残っていたのは、その時彼と一瞬目が合ったような気がしたからだ。
（確か彼、『俺、今回の結果次第では好きな人に告白するんだ』って言ってたわね）
その瞬間、その４番打者が打った。
打球は伸びる。センターが追いすがるがボールはその頭上を大きく超えて……。
「ま、ま、満塁ホーーーームラン！！！」
観客席がどっと沸いた。３塁にいた雅樹を含め、ランナーが次々とホームベースを踏む。
点数表には４という数字の脇にコールドを示す×印がつけられた。
１組の勝利である！
瑠璃は、喜びいっぱいに一番最後にホームベースを踏んだ４番打者を見て思っていた。
（よかったじゃない。告白する相手は誰なのかしら……）
ところがそれは他人事ではなかったのである。
その日、放課後に呼び出されたのは、ほかならぬ瑠璃だった。
「好きです。付き合ってください」
「もしかして愛の告白！？ 私に！？」
筋骨隆々の彼が意を決して告白してくれたことが嬉しくないわけじゃない。
けれど、瑠璃はどうしても断らざるをえなかったのである。
彼女の好みは『女性』なのだ！ それも『姉のように妖艶な』！
自分が筋骨隆々の男子と付き合うなんてことは、「やっぱり無理！」なのであった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年03月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年03月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年03月08日 11時00分
