欲望の果てに望むものは｜リアクション

欲望の果てに望むものは

【半ズボンのかわいい少年】
　少年と半ズボンとマシンガン。何て絵になる光景だろう。無垢な少年は笑いながらマシンガンをぶっ放す。その笑顔すら美しい。

「本当なんだね！？　本当に可愛い男の子がいるんだね！？」
　九夜山の事をミラから聞いたロベルト・エメリヤノフは、その１点だけで危険な九夜山に乗り込んでいた。ナイフを持って。

　九夜山を注意深く歩き回ったロベルトは、木の上で少年を待っていた。
（マシンガンの似合う美少年とか……ヤバい、今からドキドキしてきた）
　タタタタッと軽い発射音が近付いてくる。そして、半ズボンの美少年が姿を現した。笑いながらひたすらマシンガンを連射する少年。ロベルトは冷静に少年の動きを観察すると、自分の真下に来た所でナイフを構えながら飛び降りた。
「こんにちは、美少年♪」
　スパッと少年のブラウスが切れ、少年の白い腕に赤い線が走った。

「誰だ！」
「う～ん、声もいいなんて最高だね♪」
　ひるんだ少年にロベルトはすかさずまたナイフをお見舞いする。今度は剝き出しの太股が切れ、少年の表情が苦痛に歪んだ。
「僕の攻撃で苦しむ美少年……それはそれでいいね」
　しかし少年もやられっぱなしではいない。痛みのある腕でマシンガンを構え直し、ロベルトに向けた。
「おおっと危ない」
　ロベルトは脱兎の如く逃げ出した。彼はだいぶマシンガンを撃ち続けてた筈なんだ。もう弾もそんなに……。
「―――ッッ！！！」
　右脚に激痛が走った。焼けるような痛みに声も出ず、ロベルトはバランスを失い倒れ込む。少年の高らかな声がした。
「どこへ行ったんだい、お兄さん！　遊ぶんだろ、僕と！」
（これは……なかなか）
　ロベルトは藪の中で歯を食いしばっていた。弾は掠っただけなのに、この痛みと、血の量だ。貫通していたらどうなっただろうか。
「美少年と遊ぶのも……楽じゃない」
　ロベルトは痛みに耐えながらも藪から木を見上げていた。初めに周辺を歩いていた時に気が付いたのだ。あそこの下に、彼が来たら。
　ロベルトは息を潜める。少年が近付いてくる。そしてある木の下にさしかかった時。
（今だ！）
　ロベルトは自分の傍の木にくくりつけてあったロープを切る。その途端ガサガサッと周囲の木々が揺れ、少年の真上から小石や枝が降ってきた。
「な、なんだっ？！？」
　慌てた少年はマシンガンを撃ちまくる。その音はすぐに軽い音になった。弾切れだ。
「はい、終了」
　ロベルトは足を引きずりながらも少年の後ろに姿を現す。そして少年に何度も浅くナイフを振るった。少年のブラウスが、半ズボンが、淫らに切り刻まれていく。
「や、やだ……やめて」
「マシンガンがなければただの美少年だよね……いい、すっごくいいよ」
　半裸状態になり、涙目で動けなくなってしまった少年。ロベルトは体を少しでも隠そうとする少年の手を無理矢理握り、ロープの残りで木にくくりつけると、ようやくふーと座り込んだ。
「羞恥に悶える美少年……最後まで最高だな。それにしてもトラップがあって助かったな、何であったんだろう？」
　それは黒江ナオの仕掛けたトラップ。謂わば少年で少年を制したことになるが……そうとも知らぬロベルトは、ぐすぐす泣く美少年の横で、痛みと貧血によりそのまま気を失った。