携帯戦記カプセルギア　第五話「対決！シルエット・オブ・ギア」｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　第五話「対決！シルエット・オブ・ギア」

【決着の刻】

　戦いは終盤戦を迎えようとしています。
　玲音さんは膠着状態が続いていました。
　翔くん、蒼さん、そしてMEIJINもシルエットとの戦いは長引いています。
　そして、そんな戦い続ける仲間達のもとに、一人また一人と先に戦いを終えたマスター達が集まってきます。
　しかし、誰も迂闊にシルエットとの戦いに割って入ることはしませんでした。
　それはシルエットとの戦いは自分自身との戦いであると、誰もが戦いの中で感じ取っていたからかもしれません。
　そんな緊張しつつも停滞した時間のなかで、最初に動きがあったのは玲音さんでした。
　あまりに長すぎる睨み合いに、シルエットのサニィが痺れを切らして、超音波砲を放ってきたのでした。
「サニィ！　よけるんだよ！」
　玲音さんが命じれば、身軽さが信条のサニィは華麗にジャンプして、攻撃を回避。
　相手の隙を突いてこちらも超音波砲で反撃しつつ、相手を地雷の方に誘導していきます。
　やがて、シルエットは見事に玲音さんの仕掛けたトリモチトラップに引っ掛かり、その動きを止めました。
「今なんだよ、サニィ！」
　刹那、サニィはバックパックとジャンプフットで急接近！
　身動きの取れなくなったもう一人のサニィの懐に飛び込み、ゼロ距離で超音波砲を発射します。
　心臓部に超音波の直撃を受けたシルエットは即座に戦闘不能に。
「やったんだよ！　これできっともう一人のサニィともわかりあえるんだよ！」
　思わず快哉を叫んだサニィさんに他のギアマスターや子供達から拍手が起こります。
　それと、ほぼ時を同じくして、蒼さんもシルエットのわずかな隙を突いて突撃しました。
「Diablo Azul、私達も突っ込むわよ！」
　Diablo Azulは両肩のキャノンを武装解除（パージ）して身軽になるとと同時に腰のレーザーブレードを起動。
　一気に間合いを詰め、シルエットのボディを貫きました。
「ふぅ……。なんとか勝てた。危ない戦いだったけど、Diablo Azulの動きを客観的に見られたのは収穫だったかな」
　ほっと安堵の息をついて、蒼さんはようやく掴んだ勝利の成果を噛みしめます。
　その頃、翔くんもまたわずかなチャンスから勝機を見出そうとしていました。
『SHO、我々もそろそろ終わらせるべきだろう。今こそ例の作戦を実行すべきだ』
「ああ、行くぞ、リット！」
　翔くんもまたチェックメイトに向けて、次の一手を打ちます。
　リットをシルエットから後退させて、ボナパルト2の方向へ移動させます。
　シルエットのセイクビリットはそれを追いかけてボナパルト2の方に向かってきました。
（MAKIYUKI、頼むぞ）
　翔くんは、視線で雪人くんに合図を送り、向こうが頷いたのを確認してから左腕のミニ大砲を乱れ撃ちました。
　直後、追加効果でステルスが発動。
　目標を見失ったセイクビリットのシルエットが動きを止めたその瞬間、ボナパルト2のスナイパーライフルが狙い撃ちます。
　当然、シルエットのボナパルト2はそれを妨害しようとして、雪人くんのボナパルト2に狙いを定めます。
「――その瞬間を待っていた」
　そのときシルエットのボナパルト2の眼前で突然竜巻が発生！
　ステルスで身を隠したセイクビリットの必殺技――ラ・スパイラルが炸裂して、シルエットのボナパルト2は戦闘不能に陥ります。
「よし。あとはリットの偽物だけだ！」
　翔くんは、素早くリットのはためかせ、偽物のいる方角へ方向転換させます。
　偽物のセイクビリットはボナパルト2のライフルを高速移動で回避しつつ、攻め込む好機を探っている最中でした。
　翔くんは、リットの右腕のミニ大砲で、偽物に狙いを定め――。
「MAKIYUKI、俺が今からリットで偽物を狙う。偽のリットが俺の攻撃を回避した直後を狙うんだ」
「オーケー。タイミングは任せる」
　翔くんは雪人くんと頷き合うと、ミニ大砲を連射。
　偽物のリットがそれを回避した瞬間を狙って、ボナパルト2がスナイパーライフルを狙い撃ちました。
　ライフルは見事に命中！
　急所を抉った弾丸によって、偽物のリットも戦闘不能に。
　そして、それとほぼ同時に、子供達の声援に背中を押されたMEIJINがなんとか黒いメイジンダーを撃破したことで、公園に出現したシルエットは全て動かなくなったのでした。

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