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フシギな力の使い途
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【心をそっと優しく映して】
旧市街地『浅葱眼鏡店』――その店主をしている
浅葱 あやめ
は、レジの金額の確認を終えると、ひとつ細く長い息をついた。
「……これで……今日も、あと少し……でしょうか……」
入り口から見える景色は、既に夜の闇が滲み出しているかのようで、蛍光灯の明かりが、あやめしかいない店内を明るく照らしている。
あやめは、今日最後の作業として、店内に並ぶ眼鏡の陳列を整えに入った。
「さて……今日の……夕食の献立は……どうしたものか……」
そんなあやめの今の悩みは、今日の夕食の献立について。
主食はすぐに食べたいものが思い浮かんだが、それに添える『これ』と言える副菜がどうにも思いつかないでいる。
眼鏡の列はきちんと整えていく。しかし、思考はどうにもそこから抜けきれない。
(……そう言えば……確か……)
ふと記憶の中で、昼間は従業員として手伝ってくれている同じ灰髪の少年が『話題の簡単メニュー』について話をしていた気がするのを思い出す。
「……どのような、メニューだったでしょう、か――……っ!?」
陳列の作業も終わり、作業机に戻ってくる。そして、先の話題について口許に手を添えて思い出そうとした瞬間、大きな音を立てて、店中の灯りが消えた。
思わず上がった小さな声と共に、一瞬びくりと身体が縮こまる。ブレーカーが落ちたのだろうか。あやめは硬直から少しの時間でそれが急な停電と認識すると、微かに息を吸ってから近くにあった自分の運転用に使用しているサングラスを取り出して、傍らの眼鏡拭きで一拭きした。
ろっこん【告白は夜前硝子越しに】
発動条件【レンズに色がついた眼鏡を、眼鏡拭きで拭く】
能力【眼鏡(サングラス、カラーレンズグラス)に暗視能力を付与する。1日にパワー×1本】
発動条件を満たしたろっこんは、サングラスに暗視能力を付与し、それを掛ければ停電であろうとも不自由はない――そう思っていた。
安心した様子で、あやめがサングラスを掛ける。すると――誰もいないはずの店内に、人影が。
「ひ、っ」
思わず声を上げて、あやめがその身を撥ね除けるように大きく仰け反らせる。
しかし、その人影の姿には見覚えがあった。
「……」
驚きのままに瞬きを忘れて、視点を動かす。
その先には、夕焼けの灯りの中で、先程思い出してたアルバイトで従業員をしてくれている少年の姿だ。
少年は、こちらに振り向く様子もなく店の手伝いをしてくれている。
ふと、あやめが思い至った様子で我に返って眼鏡を外す。すると、その予測通りに視界は夜の闇に満たされた、しんと静けさを漂わせている店内へと切り替わった。
そのまま、何度か眼鏡を掛けて外すをくり返す。その度に、視界は鮮やかなオレンジと静かな紺色に切り替わる。
眼鏡を少し外してレンズを見れば、周囲は暗いのにそのレンズ越しにだけ鮮やかな橙色が映し出されていた。
そのままあやめが眼鏡を掛けていつもの時計の位置を見やれば、時計の針は五時間前を差し示している。
(……、……これは……、今日の夕方かな)
ようやく状況を理解出来たような気がする。不思議なものは不思議なままだが、あやめは心なしほっとした様子で、大きく周囲を見渡した。
すると、自分が今ちょうどいる場所に、恐らく傍の椅子に座っているのであろう自分のシャツの手が見えた。
「――!」
思わず大きく顔を逸らして、あやめはその直視を避けた。
ちょうど自分が立っている所。偶然にも――過去の自分は、今と同じ位置にいた為に、目には入ってこなかったのだ。
「………………」
視界に入らないように、目を逸らしたまま数歩離れる。
自分で、自分の姿を、見たいとは思わなかった。
そこにはきっと、見るに堪えない陰鬱な男が、一人座っているのだろう。自分の事は自分が良く知っている。その目は隠しても分かる程に凶悪で、誤魔化して笑顔を作れば、それだけで気持ちが悪いと、一度鏡の前で深く落ち込んで以来、まともに自発的な笑顔を浮かべた記憶もろくにない。
――そんな人間の、相手を意識しない容貌など――
(……やっぱり、目つきの悪い、陰気な悪人面がそこにいるんだろう)
思うだけで怖気が走る。それを晒していると、改めて考えるだけで絶望しかしない。
「――」
しかし……気になってしまったのだ。
自分は、職人として、この祖父から引き継いだ店の店主として、きちんと恥ずかしくない仕事をしていたのかどうか、と。
ゆっくりと、あやめは作業机の方へと目を向けた。最初は腕から手先だけ見えればと思って、慎重に夕暮れの視線を動かそうとして、
「ぁ……」
その顔を、見てしまった。
五時間前、あやめのその表情は、微笑んでいた。
それは、かすかに、日常の自分から緊張が緩み和らいだだけだったのかも知れない。ただ、昔に表情を鏡で見たときよりも、軟らかくなっただけなのかも知れない。
だが、それは自分の想像とは掛け離れていた。
そこにあったのは、あやめが己で初めて目にした、本当の『自然な』笑顔だったのだ。
(……こんな顔が……できてた、んだ)
その事実は、目が熱くなる程に心に響いた。
嬉しさよりも、ただ感動が胸を震わせた。
そんな過去の自分に、従業員の少年が話し掛ける。
その時、相手に見せた、自分の表情は――
(ああ……きっと、こんな情けない僕、に、……明るく、優しく接してくれる人が……いるから)
まるで、胸がじんと音を立てたようだった。ろっこんの進化として見たこの光景の延長上に、こうして今、自分がいる事があまりにも嬉しかった。
停電していた、店内の灯りが灯る。
あやめは、ゆっくりと眼鏡を外して自分の両目をそっと押さえた。
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あとがき
担当マスター:
冬眠
ファンレターはマスターページから!
ご参加くださいました皆様、ならびに最後までご覧くださいました皆様。誠に有難うございました。
この度、マスターをつとめさせていただきました冬眠と申します。
今回は『ろっこん』の初発動と進化能力についてというご機会のシナリオを出させていただき、そこから生まれた様々な思いや行動の形を執筆させていただくことができました。緊張しながらも楽しく執筆させていただきました次第です。
皆様の想いが少しでもリアクションの中で届きましたら、この上ない幸いでございます。
それでは、ご参加いただきまして、本当に有難うございました。
また、いつかご機会がございましたら、また皆様にお目に掛かれますことを心より願いまして。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月29日
参加申し込みの期限
2020年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年02月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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