this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
フシギな力の使い途
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
つぎへ >>
【フツウであるがゆえ】
飴玉をくれた少女の姿が遠くなっていく。
手の中の飴玉を見つめながら、
滝原 レオン
はじっと想いを辿るように自分のろっこんについて思い出していた。
「確か……そう、あれは偶然――」
それは、レオンにとっては二度目となる――寝子高での入学式でのことだった。
時刻は1369年4月のとある11時14分。黄色いワンピースで絶叫マシーンに乗って喜ぶような、そんな笑顔を見せて空から降ってきた『らっかみ』と呼ばれる『
野々 ののこ
』が不思議な力を全力でばらまいて、講堂に激突した瞬間。様々な世界が『フツウ』に傾いた。むしろ、それは現実が『フツウ』を喜んで歓迎した瞬間だった。
レオンはその時の、ののこの新入生の誓いをよく覚えている。
当時――何が起きたのか分からなかった。そのまま見たままを他人に伝えれば正気を疑われそうな内容は『実は入学式で居眠りをして夢でも見たのではないか』と言ってくださいと言わんばかりの内容だった。
しかし、夢で片付けるには、それはあまりにも鮮明で、鮮烈だった。
家に帰ってきたレオンは、喋る猫やら何やらの情報を現実に統括できずに、気持ちがはっきりしないまま、自分の部屋でもどかしい感情をそのままに抱えて、ゴロゴロとすることくらいしか出来なかった。
「あー!なんだったんだアレ!考えれば考えるほどわからん!」
寝具の上で転がっていた上半身を、一声叫びと共に大きく跳ね上げる。
叫んだところで何が変わる訳でもなければ分かる訳でもない。
それでも、叫ばずにはいられなかったのだ。
身を上げれば、レオンのお手製ぬいぐるみが、ひとつひとつ愛されていることがわかる並び方をしている部屋の一角が目に入る。
校内は当日から、あちこちで不思議な現象が起こっていた。こちらが死ぬほど驚いた、猫が喋るなどという程度は本当に些細な事にされそうな勢いだった。
「……」
奇妙極まりない今日という日に釈然としないまま、レオンは身体を起こしたまま、愛しいぬいぐるみ達を目に留める。
「どうせ不思議なことが起こるなら、お前らが動いてくれればよかったのにな…そしたらいろいろ頼めるのに」
ぽつりと出た言葉は、起こるはずのないと、理解している上での本音。
そんな都合の良いことが起こるはずもない。分かっていても、せっかくなのだから思いの丈を、ほんの少しでいいから形にしてみたいと、本当に小さな些細な望みを抱いた。
「そう例えば……ましろ、そこのマンガ持ってきてくれーなんて――」
……なんてな、と言い掛けた言葉は、最後まで紡がれることはなかった。
ひょこんっ、と。ましろと名付けられた白うさぎのぬいぐるみは、呼ばれた名前に反応するように、元気にその場に立ち上がったのだ。
「は――?」
レオンから思わず素っ頓狂な声が落ちる。
どんな反応をしていいか分からず、動揺にあふれかえりながら、歩き始めるましろを見つめる。
「え? え?」
既に動揺はひっくり返って、頭の中は、錯乱一歩寸前のパニック状態。
それでも、ましろは自分の身体と同じくらいの漫画本の元へときちんとした足取りで辿り着くと、体格差的に重たいのであろう本を何とか持ち上げて、少しヨロヨロしながらレオンの元へとやって来た。
本を運んできたましろが、つぶらな赤の瞳でレオンを見つめる。ぬいぐるみにも疲労があるのかと思うほど、本を持つましろは本の重たさでよたよたしているように見受けられて。
「あ……ありが、とう?」
驚きながらも、一所懸命な様子のましろから漫画本を受け取ると、それはまるで動かすための糸が一斉に切られたかのようにポテと音を立てて目の前で倒れ落ちた。
「ま、ましろ……!?」
先程から動揺が隠せないが、動かなくなったましろにレオンは慌てて手を伸ばした。
柔らかな綿の詰められた柔らかな体。ましろを持ち上げながら耳の先や手や足、胴体に糸でもついていたのだろうかと確認したが、そんな様子はまるでなく、体中を触ってひっくり返してみても、先程の原因になりそうな様子は全くといって良い程に存在していなかった。
「な、何だったんだ今の?」
ましろが動いたことに関しては、そのような感情が波のように止めどなく疑問として押し寄せる。
――常識では考えられない――そこまで、なんとか心が追いついたとき、ようやくレオンは脳裏に一つの結論を見いだした。
「あれ……夢じゃなかったんだ……」
不思議な力は、あの学校の一部生徒のみの力ではなく、良くも悪くも分け隔てなく、自分の元へと宿った物だったものを自覚した。
「ましろ、片手上げてみてくれ」
ましろが待ち焦がれていたとばかりの様子で、勢い良く右手をピッと真上に上げた。
どの仕草もあまりに可愛い。それからレオンは、今まで以上にましろも他のぬいぐるみへの愛があふれて止まらない程に深まるのを実感した。
あまりに驚きもした。奇跡の能力。それがあふれる『フツウ』は尋常ではないけれども、それはそれで悪くはないとましろを見ながらそう思えた――
「あれからだいぶ経つが……すっかり慣れたよな、俺」
そして今――しみじみと、バッグに入っているましろを見ながら振り返る。
一年と半分を過ぎた。その月日の流れは嬉しいような、それでも慣れてしまった自分に少しもの悲しいような……そのような気分が胸にじわりと染み渡る。
それでも、レオンは思うのだ。
「……ま、悪くはねぇけどさ」
バッグに収まっていたましろは、その声を聞いて小さく笑っているような気がした――
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
フシギな力の使い途
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月29日
参加申し込みの期限
2020年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年02月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!