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【ACTOR】
そのきっかけは、ほんの些細なものであったことを思い出す。
学校から帰ってきた、
鴻上 彰尋
は祖父の残した古びた台本の一冊を持って家を出た。
家庭の事情で部活には通えない代わりに、家から離れていない公園で、一人台本を片手に練習をする。
この台本の内容はあらかた覚えてしまったが、それでも一人ではあっても、実際に台詞を声に出しての読み合わせは殆どやっていない。
公園の中央では、子供達がボールで遊んでいる。
賑やかな公園の片隅で、今日練習するページの文章を黙読し、明瞭な形として頭に刷り込む。
そして、いつも通りのくせで脳裏に『演技開始』と言葉を刻んだ。
それはいつもの合図。いつも演技を始める際のトリガーみたいなものだった。
覚えた台詞を口に紡いだ。
役柄は仕事で疲弊しきったサラリーマン。日々の労働者の苦しみが訥々と台詞に零れていく。
その時、少年たちの遊んでいたボールが彰尋の足元に転がってきた。
そこに向かい、一人の少年が取りに来る。
彰尋は、残響じみた名残を残した台詞をそこで止め、ボールを拾い上げた。
「ありがと、おじちゃん!
――あれ? おにいさん? え、あれ、ボール拾ってくれたのはおじちゃんだったのに? 消えちゃった?」
辺りをキョロキョロし始めた少年に、こちらも驚きを交えてボールを返した。
――そのきっかけは、数度の偶然を以て確信へと至らしめた。
【ろっこん名】
Actor of Other Mind
【発動条件】
台本を読後、心の中で「演技開始」と念じる
【能力】
台詞の発言が続く限り自身を「他人」と周囲の生物に認識させる。
彰尋がもれいびとして能力に覚醒すると、まるで霧の中からその視界が突如開けたかのように世界が広がった。
いつの間にか、気が付けば自分の周りには、『もれいび』という自分と同じで全く異なる能力を持つ存在でいっぱいだった。
――自分と同じで、全く異なる。
彰尋は、根源は同じでありながら、違う力の色々に驚き、それと同時に、自分の身近な人たちが持っていることに、嬉しく、そしてとても頼もしく思われた。
しかし――ある日、目覚めた清々しい朝に、彰尋の心にまるで夢の続きのようにそのような感覚が降って湧いたような感覚を受けた。
驚きのままに、その事実を確認するように、彰尋はそれを実行してみることにした。
【ろっこん発動中にアドリブの台詞を入れると見ている者の望む姿として認識させる】
今日、兄は家を早く出ているはずだから、と申し訳なく思いながらも、手元に置いた一冊の台本の一部を読みろっこんを発動させた。台詞の中に『兄が言いそうな言葉』を挟み込んで、食卓の茶の間でその台詞を口にした。
母は、驚きと合わせて声を上げた『まだ出掛けていなかったのか』と――彰尋はぞっと血の気が引いた。その能力の進化と、親愛なる人に与えた影響に。
慌てて台詞の言葉を投げ捨てた。混乱している母に朝の挨拶をすると、母からも混乱しながらもいつも通りの挨拶が帰ってきた。
その瞬間に、彰尋は僅かな恐れと共に理解していた。
演技に憧れていた自分にとって、この能力は、まるで甘い毒のようではないか、と。
この能力があれば。自分は『何者にもなれる』――舞台において、自分に演じられない登場人物は消え、完全に誤認識をされた観客は、役柄を最高峰にまで演じきる役者だと、自分を絶賛するだろう。
――だが、それは決して、自分の力ではない『何か』のものだ。
そこには、たとえうまく演技ができたとしても、誰も彰尋を見ることはない。演技を見てくれる者は誰一人としていなくなる――それは自分の実力にならないのではないかと、彰尋の心は一気に闇に突き飛ばされた。
それ以来、公園で一人で練習する演技にも心に薄暗い雲が立ちこめるようになった。
「……」
意図するだけで、何にでも、なろうと思えばなれてしまう。心に引っかかり続ける思いは、演技を鈍らせていたのかもしれない。
そんな時だ、兄が公園にいる自分に、珍しく話し掛けて来てくれた。
二人でベンチに座る。
彰尋が、ゆっくりと今の悩みを打ち明けた。
ろっこんのことは言えない。上手く言葉を濁すことは難しかったが、喩えとして『本当は自分の実力じゃないのに、実力と間違われることへの罪悪感』という内容までは説明することができた。
兄は、とても真剣に話を聞いてくれた。
現実に当て嵌めれば、舞台役者として輝かしかった祖父の威光に七光りとしてあやかることへの罪悪感、くらいまでが一番近しい概念だったのかも知れないが。それでも、兄はまるでこちらのろっこんを含めた真実を見たかのように答えてくれた。
『お前がちゃんと、その力を使うべき時の分別を自分の中で持っているなら、大丈夫だ』と――
力自体が悪いものではない、それは使う人によって変質してしまうものなのだと。
手にあるのならば利用してもいい、悪いことにさえ使わなければ、と。
ただ――その力をくれた存在を、悲しませるようなことだけはしてはならない。
ベンチの隣でこちらを見る兄の瞳は優しかった。
すべて見透かされているのではないかと思うほどに、その言葉はじんと胸に届いた。自分のどの考えよりも胸に染みたのを――とてもよく覚えている。
それ以来、彰尋はその言葉を胸に、己の進化ろっこんを使う事を躊躇わなくなった。
――人の心は、深くに『誰か』の『言葉』を求めている。
その一助になれば、と思う。ほんの微かであってもその狭間に手を添えられればと思う。
だから、この心は迷いなくろっこんを使うのだ。
それを、使うべき時に。
必要な人の為に。
それならば、自分はいくらでも演じ切る。
――その人の、遠いあの時『言葉を、紡いでほしかった相手』となって――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月29日
参加申し込みの期限
2020年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年02月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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