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【鍵】
部屋は静かだった。
それは今から一年前のクリスマス。
愛猫 萌々子
は一枚の紙と向き合い、沈黙と共にテーブルに座っていた。
先程まで翳るように差していた窓からの夕日は、既に夜に呑み込まれた。照明が暖かく部屋を照らしているが、その紙を見つめる萌々子の心は、窓越しに僅かに伝わる夜の雰囲気をそのまま心に宿していた。
胸に、1つの大きな決意を固めているというのに、今の心は不思議なまでに落ち着いていた。
――振り返る。三年前の同じような寒さの日に母を亡くして、今同居している父に引き取られた。
母と比べて、己の父とは意思疎通という言葉が存在しないのではないかという程に、相手に萌々子の心が届くことはなかった。そこには、自分の考える幸せこそが娘の幸せだと疑いもしない父がいた。
しかし、幼い萌々子に共に過ごす以外の選択権など存在しようはずもなかった。むしろ、自分の意思を告げる発言権すらもろくになく、いつしか心は石のように固まり、ただ諦めと共に時間を過ごした。このまま生きていくのだろうと、子供心に諦めていた。
しかし、凍え固まっていたその心に触れる出来事が起きた。
ある春の時節に現れた『もれいび』という存在、そして『らっかみ』と呼ばれる『現代に落ちた神』の存在。
萌々子の心は芽吹くように広がった。
――寝子島へ行きたい。落ちてきたという神様に会いたい――
そして、萌々子は一枚の紙をじっと見つめる。
遠くで玄関の鍵が、がちゃりと音を立てて開く音がした。
父が、今日は早く帰ってくると言っていた。
決意を固めた今も、父の存在は怖ろしい。
それでも――萌々子の意志は、本物だった。
「お父様、お話があります」
今日がクリスマスであろうが、この家は何も変わることはない。
話の腰を無用に折られないよう、じりと萌々子は焼け付くような思いで父と共に無言の夕食を過ごした。
僅かな空白の時間に発した萌々子の言葉。日常において、自分の発言権など無いに等しい。広い居間は、その一言で凍り付いたかのようだった。
向かい合った椅子に座っていた父に、用意していた紙をテーブルの上に、自分のペンと共に指し示すように置く。
それが一見、自分が数日前に萌々子に渡した受験高校の用紙であると判断し、父がその雰囲気を和らげる。
だが、記載された文面を数秒と見た父は、その眉を怒りと共に跳ね上げた。
何だこれは、怒号がその場に響き渡った。
紙に記載されていた文字は、萌々子に渡した有名私立女子校のものではない。そこにあった受験高校名は――私立寝子島高校――
「私の進む道は私が決めます! 絶対に譲れません!」
それは、初めて萌々子が父に掲げた宣言だった。強く激しく父に意をぶつけたこの瞬間、まるで何かに守られたかのように、不思議と恐怖は感じなかった。
そこにあったものは、父に抱いた初めての反逆の意志。
ペンを持ち、父の目の前で用紙にサインをしようとする。
その瞬間、こんなもの、と吐き捨てた父が椅子から立ち上がり、躊躇いなく寝子島高校の受験用紙を破こうと手を伸ばした。
「――!」
今日、萌々子はこの事態までをも見越して、この場にはコピーしたものを用意していた。本物の受験用紙は萌々子にとって文字通り神への命綱なのだ。それは命を賭しても守らなければならない。
今日コピーとペンを用意したのは、その決意を他ならぬ父に見せる為。
どのみち、ここで自分が何としてもサインする意を見せなければ、父はあらゆる手段をもって萌々子の道を遮るだろう。
絶対に、譲る訳にはいかなかった。
萌々子が奪い取られそうになる用紙を手に押さえる。しかし、それを強引に掴み引き取らんとする手。
「やっ――!」
それを萌々子は、ペンを持っていた手で強く振り払った。
瞬間――ペン先の違和感と共に、小さくも鋭利な、空気を切り裂く音がした。
「え……」
不意に響いたその音に、父の動きが止まった。
萌々子も何があったのか理解出来ずに、何を目にして良いのかも分からず、視界に映る光景を目に留める。
そこには、ペン先が滑った跡に沿うように、父のネクタイを、まるでカッターが刃を立てて軽く滑り走ったかのような切り込みが出来ていた。
「ぁ……」
それはすぐに、自分が起こしたことだと理解ができた。
父は、何があったのか理解出来ないという様子で、不思議そうに自分のネクタイを見つめている。
萌々子は動揺と共に父を見た。他に怪我はなさそうだ。だが、一歩間違えば大惨事であったことは、まるで冷たい空気が背筋に流れるように簡単に想像出来た。
喉から迫り上がる悲鳴じみた感情を抑える。付随する錯乱に突き動かされて、堪えきれずに萌々子は紙とペンを掴んで居間を飛び出した。
灯りもつけず真っ暗な部屋の中を、ベッドの上にただ無言で顔を伏せた。
「……」
頭の中がぐるぐるする。父が追い掛けてくる様子がないのが唯一の救いだった。
「これは――これが、ろっこんというもの……」
話には聞いていたし、憧れてもいた。
だが、実際に自分の力として目の当たりにすれば、それはなんと重たいものだろう。
……しかし、その重みは今まで、何処かしらに揺蕩っていた心を一つにまとめた。逃げ道はないのだと思う。同時に、このろっこんは重要な扉を開く鍵のような重要なものにすら感じられた。
「……もう、戻れませんね……」
ぽつりと呟く声が、部屋の中に小さく響いた。
「私は――必ず寝子高に合格してあの島に行きます」
それは、胸に響く決意のあらわれ。
心に決める。これは、この力を届けた『始まりの神』に会う為の運命なのだと――
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担当ゲームマスター
冬眠
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月29日
参加申し込みの期限
2020年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年02月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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