暗闇メイドカフェ『BLACK＆WHITE』｜リアクション

暗闇メイドカフェ『BLACK＆WHITE』

●クセになりそう

　アイマスクで北里雅樹の周囲はまったく見えないが、すぐに自分の傍に人の気配を感じた。
「はい、オムライス持ってきましたよ。ご主人様」
　いきなり素っ気なくつっけんどんな声で話しかけるのは、指名したメイドのさーや。
　ツンデレなさーやは初手からこんな態度である。
　何も知らなかったら無礼もいいところだが、ここはメイドカフェ。様々な属性のメイドがいるのだ。
　アイマスクでさーやの姿が見えないので、少しきつそうな子かな？　といったを想像してみる。
　見えないツンデレメイドを脳内で想像していると、さらに憎まれ口をたたいてくる。
「ご主人様、オムライス食べないんですか？　食べないなら下げますよ」
「た、食べるっ！　食べるから下げないで！」
「もう……。ご主人様だから食べさせてあげるんですからね」
　これぞツン。これぞデレ。さーやはこんなツンデレなのか。
　そんな風にやり取りしながら、雅樹は一口ずつオムライスを食べさせてもらう。
（とても美味い。ツンデレだけど、ご奉仕はちゃんとするんだな）

「ご主人様、あーん」
「あ、あーん」
　龍目豪は、たまきににゃんこカレーを食べさせてもらって極楽気分。
「美味しいですか？　ご主人様」
「美味い」
　お姉さんなメイドに食べさせてもらうカレーは美味い、とご満悦。
　カレーを食べ終わると「耳かきはいかがですか？」というお誘いが。
「耳かきサービスもあるのか！　ぜひお願いします」
　マッサージもあるのだが、高校生には早いよな……と思い、耳かきだけをしてもらうことにした。
　たまきに膝枕をしてもらい、豪は夢見心地な気分で耳かきをしてもらう。
（マッサージをしてもらえたら、もっと気持ちいいだろうな……）
　と思い雅樹の様子を見ると、さーやにマッサージをしてもらっていた。
「随分と凝ってるわね、ご主人様。特にここが」
「そ、そこ気持ちいいー！」
　受験勉強で疲れた身体をほぐしてもらいつつ、ツンな言葉攻めをされている雅樹は幸せそうだ。
（なかなか癖になりそうだ……）
　俺もマッサージを頼めばよかった！　とその様子を聞きながら豪は悔しがった。
　マッサージだけでなく、耳かきもしてもらっているので羨ましさ倍増。
　いいな……と思っていると、トイレに行きたくなってきた。
「あの……トイレはどうすればいいんだ？」
「お手洗いまではメイドがご案内します。入られましたら、アイマスクを外して結構です」
　済ませたらまた付けてくださいね、とたまきが説明する。
　トイレの間はアイマスクを外していいのか、と豪は安心した。

　たまきに案内されてトイレに着き、入るなりアイマスクを外した。
　そこには、ご奉仕してもらってご満悦な表情な海原茂がいた。
「と、海原先輩！　やっぱり来てたんですね！　いいですねここ！」
「俺は暗闇メイドの調査に来ただけだ。ここはまだ調査し足りない」
　天国かと思うほどいいところだ、と言いたかったが、あくまでも調査の一環でここに来ていると言い張る茂だった。
　素直じゃないと思いつつ、豪はトイレを済ますとアイマスクを付け、たまきのところに戻った。

　楽しかったメイドさんとの時間はあっという間に過ぎ、退店の時間に。
　雅樹はツンデレなさーやの接待は新鮮だったと大満足。次に来た時は誰を指名しよう……と考えている。
「楽しかった！　また来るぜ」
　たまきも良かったが、今度は他の子も指名してみたいと豪も大満足。

　闇の中でメイドたちの本当の真心や思いやりに触れることができる、極上の癒しスポット。
　暗闇メイドカフェ『BLACK＆WHITE』は、疲れた現代人を癒すために存在している心のオアシスなのかもしれない。

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あとがき

担当マスター：カターレ
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カターレです。
目隠し状態でのメイドさんのおもてなし、いかがでしたでしょうか。
見えない分、一生懸命なメイドさんのおもてなしを堪能できたのではないかと思います。

普通のメイド喫茶でも暗闇メイドカフェ『BLACK＆WHITE』でもこんなカンジで楽しめるのでは……と想像しつつリアクションを作成しました。
ご来店してくださった皆様が楽しんでいただければ幸いです。

ありがとうございました。

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