暗闇メイドカフェ『BLACK＆WHITE』｜リアクション

暗闇メイドカフェ『BLACK＆WHITE』

●メイドさんと一緒に

　暗闇メイドカフェというものが、バイト先のファミリーレストラン『CamicieＸrosse!! 』の近所につい最近できたらしい。
　そんなお店に行く機会などなかったが、バイトのシフトに休みを入れていたことを失念した落合まゆらはバイト先の前まで来てそれに気づいて呆れてしまった。
「さて、どうしよう？」
　天を仰いで考えると、目を向けた先には暗闇メイドカフェ『BLACK＆WHITE』が。
　行ってみようかな？　と考え込んでいるうちに、まゆらは暗闇メイドカフェに向かっていた。
（つ、着いてしまった……どうしよう？）
　困惑しながらメイドカフェの前で立ち止まる。
　ここまで来てただ引き返すのもなんだか芸がないので、暗闇メイドカフェに入ってみることに。
「話のネタにはなるかもしれないしね」

　まゆらが入店すると、メイドがお出迎えを。
「おかえりなさいませ、お嬢様。アイマスクをお付けください」
「え？　何で！？」
　入店するなり、いきなりアイマスクを渡されたので驚いた。
（変なお店ね。これが暗闇メイドカフェと言われている理由？）
　メイドに手を引かれ、店内に誘導される。
　席に着くと、ご指名のメイドはございますかと訊ねられた。
「ご指名って言われても……人気のメイドさんは誰？」
　そうですね……と考えながら、案内したメイドはまりん、たまき、さーや、あんなの４人を紹介した。
「それじゃ、たまきさんで」

　しばらく経つと、メニューを持って来たご指名メイドたまきがやって来た。
「ご指名ありがとうございます、お嬢様。メイドのたまきです。よろしくお願いしますね」
　姿形は見えないので想像するしかないが、話し方から年上のお姉さんっぽい感じがする。
「お嬢様、何をお召し上がりになりますか」
　メニューを読み上げ、まゆらに決めてもらうという注文の仕方だ。
「それじゃあ、白黒にゃんこパフェを」
「白黒にゃんこパフェですね。かしこまりました」

「お待たせしました、お嬢様。白黒にゃんこパフェをお持ちしました」
　私が食べさせますね、と、たまきはスプーンでパフェをすくってまゆらに食べさせた。
（この種の店が出すメニューにしては結構いける方だと思うわ）
　たまきの接し方や話し方にもお姉さんっぽい感じがすると思いつつ、まゆらはにゃんこパフェを食べる。

「お嬢様、私とカラオケでデュエットしませんか？」
「カラオケが歌えるの？」
　はい、とたまきは答えるが、アイマスクをつけているので表情を窺うことはできない。
　メイドさんと一緒に歌うのもいいかも……と、まゆらは一緒に歌うことにした。
　アイマスクをつけているので画面を見て歌えない。なので、歌詞無しでも歌えるものしか選べない。
　そういうもので歌えるものは何かないかしら……と考える。
　アニソンでもいいのかしら？　とまゆらは自分が歌いたいものを言ってみた。
「魔法少女ミスティックアリアの主題歌を歌いたいんだけど」
「かしこまりました、お嬢様。私、アニソン歌えますので」
　というので、自分が得意なアニソン「魔法少女ミスティックアリア」の主題歌をデュエット。
　本当に歌えるのか心配だったが、たまきは歌詞を間違えることなく、まゆらと息を合わせて歌う。
（さすがメイドさん。見事なものね）

　カラオケが歌い終わると、最後はポラロイドカメラで記念撮影を。
　お会計を済ませた時にもらった写真を見ると、楽しそうにマイクを差し出すたまきと緊張気味のまゆらが写っていた。

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