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【お三夜】猫と鼠と人と悪魔、四つの世界が交わる夜
連続の瞬間移動でサキリ・デイジーカッターは黒猫に追い付いた。
「お三夜さま、失礼します」
黒猫の尻に手を回して片手で抱えた。猛追する敵をろっこんで一気に引き離す。無数の仕掛けが設置された耳福池の繁みに着地した。
真っ先にシオ・レイゼルオークが飛び出してきた。
「お三夜さま、お怪我はありませんか」
「少し噛まれたが掠り傷にゃ」
「血が出ているではありませんか。ハルキさん、私が作った防具を持ってきてください！」
ハルキ・イエハナは恭しく両手で持ってきた。
「お三夜さま、これは特殊な素材で作った奉納用の着物でございます。着脱は簡単で動きを妨げることはありません。この機会に是非、お召しになってください」
「悪くなさそうにゃ」
「急いだ方が良さそうだ」
サキリは土煙が上がる方向を睨む。
「ネズミには、やっぱり猫だよね♪」
繁みから飛び出してきた響 タルトは耳福池の水を頭から被った。『チェシャ』のろっこんが発動して一匹の猫に変化した。
突っ込んできた鼠を威嚇するように前脚で立ち上がる。回避を試みた敵はガムテープの罠に掛かった。暴れて剥がそうとして別の罠に貼り付かれ、深みに嵌って速度が落ちた。
居合わせた全員が一斉に攻撃に転じた。形勢が逆転して鼠は追い込まれる。逃げ惑いながらも黒猫に近づこうとする。
「加勢するぜ！」
駆け付けた曖浜 鴻が蹴りを入れた。鼠には当たらず、地面の一部が抉れた。
先回りした恵御納 夏朝と白 真白が手にした凶器で襲い掛かる。
「諦めろ！」
「当たれ！」
何発かは当たったが鼠は止まらない。
「皆、離れて！」
息を整える間もなく、七夜 あおいはろっこんの『カジバオトメ』を発動。高めた腕力を活かし、繁みに埋まっていた岩を引き抜いて投げ付けた。直撃は免れたものの、砕けた破片で鼠は吹き飛んだ。
追い打ちを掛けるようにミーツェ・Ｍ・フェリスが星の力（虹）を駆使して手当たり次第に投げ付ける。
半ば生き埋めの状態となった。
「勝てるわ！」
夏夜は嬉々として叫ぶ。
「安心するのは早い！ 見えない鼠が潜んでいるぞ！」
八神 修はスマートフォンの画面に映る鼠を捉えていた。しかし、すぐに見失う。敵は同じところに止まることはなかった。
「こんな方法では捉え切れない！」
言いながらも修はスマートフォンを操る。
「まだ狙うにゃ！」
黒猫が不自然によろけた。攻撃を受けたことを察したシオが声を上げた。
「お三夜さま、まさか噛み付かれたのですか！」
「安心するにゃ。優れた防具に守られているにゃ」
黒猫は飛び出した。狙いを定められないように耳福池の周辺をジグザグに走った。
地響きが間近に聞こえる。木々が踏み倒され、巨大な鼠が乱入した。
混乱の度合いを深めた。その時、深縹 露草が走り込む。手にしたメモ帳にボールペンで簡易な紋章を描く。
「ろっこんを用いて全ての敵の存在を明らかにします！」
宣言して胸中で条件を念じる。
――お三夜さまや皆を狙う、悪魔鼠よ……光を放て！
露草のろっこん『我が紋章は、光り輝く道標』の発動でメモ帳に描かれた紋章が悪魔鼠の身体に宿って強い光を放つ。
見えない鼠は紋章の輝きで炙り出された。
「こっちも光っているじゃない！」
真白は瓦礫に埋もれた鼠にとどめの一撃を打ち込む。光は途絶え、黒い煙となった。
「脅威にならないね」
サキリは微笑み、『斬空赤刃』のろっこんを発動させた。瞬間移動した先でダマスカスブレードを真下に構え、落下の力で紋章を地面に縫い付けた。片膝を突いた状態で黒い煙が上がるのを見届けた。
仲間の死に怒り狂ったのか。巨大な鼠は木々を薙ぎ倒して向かってくる。
修は抗うように前に出た。覚悟を決めた顔で右手を伸ばす。
「俺が止める！」
集中力を一気に高めて、ろっこんの『分解』の進化能力１を使った。視線の先、土から露出した岩石が砕ける。踏み込んだ巨大な鼠は自重で前脚を呑まれた。
地べたに這いつくばる姿に全員が歓喜した。
「これなら俺の猫パンチも当たるんだなぁ」
万条 幸次は猫の獣人の姿で飛び出す。敵の片目に鋭い爪の一撃を食らわした。
地面が激しく揺れる。鼠は後ろ脚で大いに暴れた。
「オレの出番なんだなぁ」
曖浜 瑠樹は腕に抱えた二つの兎を見て蕩けたような笑みを浮かべる。
「今日もラピちゃんとラズちゃんはかわいいねぇ」
和むことで『ゆるゆる和みと恩恵の輪』が発動。進化能力１により、特定の対象に効果が集中した。
敵は腑抜けの状態となった。頭は傾き、半開きの口で動きを止めた。
「瑠樹の頑張りを無駄にはしねぇぞ！」
鴻は着ていた黒いジャケットを脱ぎ捨てた。白いシャツ姿となって猛然と突っ込み、拳の乱打を見せた。
熱い展開に感化された者達は一斉に飛び掛かる。夏夜は錫杖で頭部を滅多打ちにした。サキリは鋭い刃で全身を切り刻む。怪力を活かしたミーツェとあおいが岩で殴り付けた。幸次は爪と足で必殺の一撃を加える。真白は鋼のリボンで腹部を突いた。
黒猫は少し離れたところで眺めている。
「こうなると敵ながら哀れに思えるにゃ～」
苛烈を極めた攻撃は敵が息絶えるまで続けられた。
「お三夜さま、失礼します」
黒猫の尻に手を回して片手で抱えた。猛追する敵をろっこんで一気に引き離す。無数の仕掛けが設置された耳福池の繁みに着地した。
真っ先にシオ・レイゼルオークが飛び出してきた。
「お三夜さま、お怪我はありませんか」
「少し噛まれたが掠り傷にゃ」
「血が出ているではありませんか。ハルキさん、私が作った防具を持ってきてください！」
ハルキ・イエハナは恭しく両手で持ってきた。
「お三夜さま、これは特殊な素材で作った奉納用の着物でございます。着脱は簡単で動きを妨げることはありません。この機会に是非、お召しになってください」
「悪くなさそうにゃ」
サキリは土煙が上がる方向を睨む。
「ネズミには、やっぱり猫だよね♪」
繁みから飛び出してきた響 タルトは耳福池の水を頭から被った。『チェシャ』のろっこんが発動して一匹の猫に変化した。
突っ込んできた鼠を威嚇するように前脚で立ち上がる。回避を試みた敵はガムテープの罠に掛かった。暴れて剥がそうとして別の罠に貼り付かれ、深みに嵌って速度が落ちた。
居合わせた全員が一斉に攻撃に転じた。形勢が逆転して鼠は追い込まれる。逃げ惑いながらも黒猫に近づこうとする。
「加勢するぜ！」
駆け付けた曖浜 鴻が蹴りを入れた。鼠には当たらず、地面の一部が抉れた。
先回りした恵御納 夏朝と白 真白が手にした凶器で襲い掛かる。
「諦めろ！」
「当たれ！」
何発かは当たったが鼠は止まらない。
「皆、離れて！」
息を整える間もなく、七夜 あおいはろっこんの『カジバオトメ』を発動。高めた腕力を活かし、繁みに埋まっていた岩を引き抜いて投げ付けた。直撃は免れたものの、砕けた破片で鼠は吹き飛んだ。
追い打ちを掛けるようにミーツェ・Ｍ・フェリスが星の力（虹）を駆使して手当たり次第に投げ付ける。
半ば生き埋めの状態となった。
「勝てるわ！」
夏夜は嬉々として叫ぶ。
「安心するのは早い！ 見えない鼠が潜んでいるぞ！」
八神 修はスマートフォンの画面に映る鼠を捉えていた。しかし、すぐに見失う。敵は同じところに止まることはなかった。
「こんな方法では捉え切れない！」
言いながらも修はスマートフォンを操る。
「まだ狙うにゃ！」
黒猫が不自然によろけた。攻撃を受けたことを察したシオが声を上げた。
「お三夜さま、まさか噛み付かれたのですか！」
「安心するにゃ。優れた防具に守られているにゃ」
黒猫は飛び出した。狙いを定められないように耳福池の周辺をジグザグに走った。
地響きが間近に聞こえる。木々が踏み倒され、巨大な鼠が乱入した。
混乱の度合いを深めた。その時、深縹 露草が走り込む。手にしたメモ帳にボールペンで簡易な紋章を描く。
宣言して胸中で条件を念じる。
――お三夜さまや皆を狙う、悪魔鼠よ……光を放て！
露草のろっこん『我が紋章は、光り輝く道標』の発動でメモ帳に描かれた紋章が悪魔鼠の身体に宿って強い光を放つ。
見えない鼠は紋章の輝きで炙り出された。
「こっちも光っているじゃない！」
真白は瓦礫に埋もれた鼠にとどめの一撃を打ち込む。光は途絶え、黒い煙となった。
「脅威にならないね」
サキリは微笑み、『斬空赤刃』のろっこんを発動させた。瞬間移動した先でダマスカスブレードを真下に構え、落下の力で紋章を地面に縫い付けた。片膝を突いた状態で黒い煙が上がるのを見届けた。
仲間の死に怒り狂ったのか。巨大な鼠は木々を薙ぎ倒して向かってくる。
修は抗うように前に出た。覚悟を決めた顔で右手を伸ばす。
「俺が止める！」
集中力を一気に高めて、ろっこんの『分解』の進化能力１を使った。視線の先、土から露出した岩石が砕ける。踏み込んだ巨大な鼠は自重で前脚を呑まれた。
地べたに這いつくばる姿に全員が歓喜した。
「これなら俺の猫パンチも当たるんだなぁ」
万条 幸次は猫の獣人の姿で飛び出す。敵の片目に鋭い爪の一撃を食らわした。
地面が激しく揺れる。鼠は後ろ脚で大いに暴れた。
「オレの出番なんだなぁ」
曖浜 瑠樹は腕に抱えた二つの兎を見て蕩けたような笑みを浮かべる。
「今日もラピちゃんとラズちゃんはかわいいねぇ」
和むことで『ゆるゆる和みと恩恵の輪』が発動。進化能力１により、特定の対象に効果が集中した。
敵は腑抜けの状態となった。頭は傾き、半開きの口で動きを止めた。
「瑠樹の頑張りを無駄にはしねぇぞ！」
鴻は着ていた黒いジャケットを脱ぎ捨てた。白いシャツ姿となって猛然と突っ込み、拳の乱打を見せた。
熱い展開に感化された者達は一斉に飛び掛かる。夏夜は錫杖で頭部を滅多打ちにした。サキリは鋭い刃で全身を切り刻む。怪力を活かしたミーツェとあおいが岩で殴り付けた。幸次は爪と足で必殺の一撃を加える。真白は鋼のリボンで腹部を突いた。
黒猫は少し離れたところで眺めている。
「こうなると敵ながら哀れに思えるにゃ～」
苛烈を極めた攻撃は敵が息絶えるまで続けられた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年01月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年01月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年01月19日 11時00分
