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らっかみ！新春☆初夢宝船フェア２０２０！ ～紅編～
【姫神大立回之図！】
猫屋敷 姫は、人間の世界で言えばニッポンという国のネコジマという場所を守護する、富と豊穣の神さまです。神さまの世界にいたらちょっとよくわかりませんけれど、人間の世界ではありがたい神さまとして大いに崇め奉られている……のだそうです。
「ところが、です！」
お酒も程よく進んだ頃。姫さまは腰かけた米俵をぺんっ、と叩いて言いました。
「近頃の人間たちときたら、てれびだげーむだいんたーねっつだと娯楽にかまけるばかり。神々への信仰心など忘れ、ありがたがるのはあいどるにいけめん俳優……このままでよいのですか、いいやよくないのです！」
「そうだそうだ！」
東の平原の獅子神が猛々しく同意すれば、南海の渡り神の神さまも腕組みしながらうむっとうなずき、北の夢想教会のシスターたちもスタンディングオベーション。
「人間たちは、神々の存在を忘れてしまった！」
「彼らは恩知らずだ。あれほど奇跡をもたらしてやったというのに！」
次々に吹き上がる怒号や恨み言に、姫さまは不敵な笑みを浮かべます。
「そう、人間たちの神への不敬を、もはや見逃すわけにはいかないのです。ならば、どうするです？」
「……天罰！」
「そうだ、天罰を下すのだ！」
「天罰覿面！」
雷神さまはそこらじゅうに稲光を走らせ、鳳凰神の翼から噴き上げる炎は近くのお酒を燗にしてしまいました。
「人間たちに裁きを！」
「天罰を！」
「天罰を下せ！」
怒り心頭な神々の声が、宴会場を文字どおりに震わせます。ずごごごごごご……嵐に地震に雷に、まるで天変地異が訪れたかのよう……！
「大丈夫かな……！？」
「う、うん……」
不穏な流れに、恵御納 夏朝に夏夜、白 真白も固唾を呑み、成り行きを見守っております。
揺れに合わせて、姫さまも高らかに腕を振り上げ、叫びます。
「天罰！ 天罰！ 天罰！」
「天罰！ 天罰！ 天罰覿面！」
「「「てきめーーーん！！」」」
渦巻く怒りの声に混じり、半ば叫ぶような讃美歌やら祝詞やらまでもが響く中。
「ちょーっと、いいかしら？」
すっ、と手を上げた神がおりました。
姫さまは、ニヤリ！
「神儀において、発言は公平に認められるべきなのです。どうぞ、西の幻想神社の兎神さま」
「ありがとう」
立ち上がったのは、真白が仕えるかの兎神さまでありました。
こほん、とひとつ咳ばらい。兎神さまはすうっと口を開くと、
「人間たちは私たちのことを忘れてなんていないわよ。あっちのマンガやらゲームなんかじゃあ、神々がぞろぞろ登場するんだから。中には悪神として描かれている神もあるけれど、それもひとつの信仰の形よね？ 人間の世界にはまだまだ、私たちの威光があふれてる。天罰を下すのは、もう少し待ってみてもいいんじゃない？」
涼やかな声がそう告げると、神々はぽかん。互いに顔を見合わせます。
やがて、ぱちぱちぱちと手を叩いたのは、他ならぬ姫さまです。
「結論は出たようですね。それじゃあ、飲み直しなのです！ みんな大いに飲んで騒いで、楽しむのですよー！」
たちまち、どんちゃかちゃかちゃん！
笑顔の雷神さまは天に雷霆を走らせ、鳳凰さまは花火をどんどんぱぱんと打ち上げて、宴会は大盛り上がり！
そんな中、姫さまと兎神さまは杯をかちんと合わせ、してやったりと飲み交わすのでした。
「もー……今年もひやひやしちゃいましたよ」
宴の後。夏朝は会場の後片付けをしながら、いまだ飲み続けている姫さまと兎神さまに、ちょっぴり恨みがましく言いました。
二柱の神々はけろりとして、
「あれできっと、１００年は稼げたわね」
「時おりああしてガス抜きをしてやれば、荒ぶる神々もしばらくは大人しくしているのですよ」
つまるところ神儀での剣呑な流れは全て、このふたりの策略なのでした。
真白は兎神さまのおちょこへとくとくとお酒を足し、うんうん。うなずきます。
「さっすがうちの兎神さま！ あんなふうに神さまたちを鎮めちゃうなんてさー。すごいよね！」
「む。仕掛け人はうちの姫さまだぞ。すごいというなら……」
いささか不満げに頬を膨らませた夏夜に、夏朝はまあまあまあ。
「どっちもすごい、ってことでいいんじゃないかな……？」
「ん……まあ、そうだね」
「そうそう、それそれ！」
巫女たちは口々にそれぞれの主神をたたえ、神さまたちも気分よく、お酒が進みます。
「はるにゃー！」
「あ、ハルくん」
しきりに、ぴ、ぴ！ と短い腕で、ハルくんが指し示すほうを見てみたならば。
「おおーっ。綺麗だなぁ……！」
真白は満面の笑み。ぴょん！ と飛び跳ねます。夏朝と夏夜も思わず、目を見張りました。
いずこの神の帰り道か。天上には大きな大きな虹の架け橋が、きらりきらりと七色に煌めきながら、神々の世界をゆるりとまたいでおりました。
物言わずほうと見上げた一同は、神々と人間たちの世界へ今後１００年の平穏が訪れるよう、どこまでも続く天空へと祈るのでした。
猫屋敷 姫は、人間の世界で言えばニッポンという国のネコジマという場所を守護する、富と豊穣の神さまです。神さまの世界にいたらちょっとよくわかりませんけれど、人間の世界ではありがたい神さまとして大いに崇め奉られている……のだそうです。
「ところが、です！」
お酒も程よく進んだ頃。姫さまは腰かけた米俵をぺんっ、と叩いて言いました。
「近頃の人間たちときたら、てれびだげーむだいんたーねっつだと娯楽にかまけるばかり。神々への信仰心など忘れ、ありがたがるのはあいどるにいけめん俳優……このままでよいのですか、いいやよくないのです！」
「そうだそうだ！」
東の平原の獅子神が猛々しく同意すれば、南海の渡り神の神さまも腕組みしながらうむっとうなずき、北の夢想教会のシスターたちもスタンディングオベーション。
「人間たちは、神々の存在を忘れてしまった！」
「彼らは恩知らずだ。あれほど奇跡をもたらしてやったというのに！」
次々に吹き上がる怒号や恨み言に、姫さまは不敵な笑みを浮かべます。
「そう、人間たちの神への不敬を、もはや見逃すわけにはいかないのです。ならば、どうするです？」
「……天罰！」
「そうだ、天罰を下すのだ！」
「天罰覿面！」
雷神さまはそこらじゅうに稲光を走らせ、鳳凰神の翼から噴き上げる炎は近くのお酒を燗にしてしまいました。
「人間たちに裁きを！」
「天罰を！」
「天罰を下せ！」
怒り心頭な神々の声が、宴会場を文字どおりに震わせます。ずごごごごごご……嵐に地震に雷に、まるで天変地異が訪れたかのよう……！
「大丈夫かな……！？」
「う、うん……」
不穏な流れに、恵御納 夏朝に夏夜、白 真白も固唾を呑み、成り行きを見守っております。
揺れに合わせて、姫さまも高らかに腕を振り上げ、叫びます。
「天罰！ 天罰！ 天罰！」
「天罰！ 天罰！ 天罰覿面！」
「「「てきめーーーん！！」」」
渦巻く怒りの声に混じり、半ば叫ぶような讃美歌やら祝詞やらまでもが響く中。
「ちょーっと、いいかしら？」
すっ、と手を上げた神がおりました。
姫さまは、ニヤリ！
「神儀において、発言は公平に認められるべきなのです。どうぞ、西の幻想神社の兎神さま」
「ありがとう」
立ち上がったのは、真白が仕えるかの兎神さまでありました。
こほん、とひとつ咳ばらい。兎神さまはすうっと口を開くと、
「人間たちは私たちのことを忘れてなんていないわよ。あっちのマンガやらゲームなんかじゃあ、神々がぞろぞろ登場するんだから。中には悪神として描かれている神もあるけれど、それもひとつの信仰の形よね？ 人間の世界にはまだまだ、私たちの威光があふれてる。天罰を下すのは、もう少し待ってみてもいいんじゃない？」
涼やかな声がそう告げると、神々はぽかん。互いに顔を見合わせます。
やがて、ぱちぱちぱちと手を叩いたのは、他ならぬ姫さまです。
「結論は出たようですね。それじゃあ、飲み直しなのです！ みんな大いに飲んで騒いで、楽しむのですよー！」
たちまち、どんちゃかちゃかちゃん！
笑顔の雷神さまは天に雷霆を走らせ、鳳凰さまは花火をどんどんぱぱんと打ち上げて、宴会は大盛り上がり！
そんな中、姫さまと兎神さまは杯をかちんと合わせ、してやったりと飲み交わすのでした。
「もー……今年もひやひやしちゃいましたよ」
宴の後。夏朝は会場の後片付けをしながら、いまだ飲み続けている姫さまと兎神さまに、ちょっぴり恨みがましく言いました。
二柱の神々はけろりとして、
「あれできっと、１００年は稼げたわね」
「時おりああしてガス抜きをしてやれば、荒ぶる神々もしばらくは大人しくしているのですよ」
つまるところ神儀での剣呑な流れは全て、このふたりの策略なのでした。
真白は兎神さまのおちょこへとくとくとお酒を足し、うんうん。うなずきます。
「さっすがうちの兎神さま！ あんなふうに神さまたちを鎮めちゃうなんてさー。すごいよね！」
「む。仕掛け人はうちの姫さまだぞ。すごいというなら……」
いささか不満げに頬を膨らませた夏夜に、夏朝はまあまあまあ。
「どっちもすごい、ってことでいいんじゃないかな……？」
「ん……まあ、そうだね」
「そうそう、それそれ！」
巫女たちは口々にそれぞれの主神をたたえ、神さまたちも気分よく、お酒が進みます。
「はるにゃー！」
「あ、ハルくん」
しきりに、ぴ、ぴ！ と短い腕で、ハルくんが指し示すほうを見てみたならば。
「おおーっ。綺麗だなぁ……！」
真白は満面の笑み。ぴょん！ と飛び跳ねます。夏朝と夏夜も思わず、目を見張りました。
いずこの神の帰り道か。天上には大きな大きな虹の架け橋が、きらりきらりと七色に煌めきながら、神々の世界をゆるりとまたいでおりました。
物言わずほうと見上げた一同は、神々と人間たちの世界へ今後１００年の平穏が訪れるよう、どこまでも続く天空へと祈るのでした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年01月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年01月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年01月08日 11時00分
