洞窟迷子救出作戦！｜リアクション

洞窟迷子救出作戦！

「やはり、寒い冬と言えばこれだろう」
　高久が一行を案内したのは、味噌ラーメンの店だった。ティムは彼のコートを着て耳と尻尾を隠し、「アカリもお箸マスターになるには苦労したものデース」とドヤ顔のアカリに箸の使い方を教わって、ハフハフと麺をすする。
　マリエッタは二人がラーメンをこぼさないかチラ見しつつ、メンマに舌鼓。
　豪はバターを溶かし、コーンを逃さないようにれんげですくい、スープと共に口中へ。
「はぁ……寒い夜、熱いスープ、溶けるバター……幸せってのはラーメンの事だったんだ！」
「よく言った坊主！　チャーシューおまけだ、食いな！」
「ありがとうございまーす！！」
　気をよくした店主から全員にチャーシューが振る舞われ、スープまで完食。
　高久は全員が食べ終わったのを確認して、勘定を済ませて外に出た。
　店から離れ、人気の無い星空の下。何も無かった場所に、まばゆく輝く黄金の扉が開くのを見たティムは口をあんぐりと開けた。
　高久にコートを返し、マリエッタとアカリから貰った板チョコと蜜柑をポケットに入れて、扉をくぐる前に振り返る。
「あの、お兄さんお姉さん、どうもありがとう！　僕、今度は自分で寝子島に来られるように頑張るよー！」
　手を振るティムが行き、扉が消えるまで見ていた高久は、残った３人に向けて口を開いた。
「さて、みんなは学生だったな。もう夜も遅いし送っていこう。何、タクシー代くらいはあるさ」
　冬の寒空の下、冷たい風が吹き抜けたが、高久の胸は暖かなもので満ちていた。

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あとがき

担当マスター：陣杏里
ファンレターはマスターページから！

皆さまこんにちは。
『取材をかねて味噌ラーメンを食べてみたら、意外と美味しい！』と思った陣　杏里です。

今回の洞窟（なんちゃって）サバイバルいかがでしたでしょうか？
資料の本でも読みましたが、洞窟には洞窟の、独自の生態系があるのですね……。
皆さまのアクションも、準備しっかりタイプやいきなりタイプ、色々あって楽しく書かせていただきました。

参加して下さった皆さま、ここまで読んで下さった皆さま、どうもありがとうございました。

では、失礼します。
陣　杏里でした。

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