【寝子祭2nd】寝子高水泳部　真冬のかき氷屋さん｜リアクション

【寝子祭2nd】寝子高水泳部　真冬のかき氷屋さん

●チャレンジメニューに挑め

　三種混合チャレンジかき氷を作った雨崎荒太郎は、これを頼んだ客のところにそれを運んだ。
　注文したのは志波武道だった。
「武道先輩、きてくれたんすね～。いらっしゃーい」
「かき氷食べにきたよー☆　チャレンジメニュー、楽しみー」
　ワクワクする武道だったが、目の前に置かれたポリバケツに盛られたかき氷を見てだ、大丈夫かな……と少し不安に。
「シロップは激辛、激甘、激苦の三種類です。頑張ってください」
　それじゃ、ごゆっくりと荒太郎はかき氷作りに戻った。
　
（味、苦いか辛いならまだいける！　甘いのは……頑張ろう……）
　最近ご無沙汰だから、気合い入れる為にも一発やっとこうか！　とアレをやることに。
「ぬぎっ！」
　制服を素早く脱ぎ、ブーメラン水着姿でドヤ顔ポージング。
　出た！　志波武道得意の神速脱衣！
　ビシッときめたのは良いが、寒いので脱ぎ捨てた服をかき集め、大急ぎで着ながらこたつにイン。
　本当はもっとポージングしたいが、風邪をひいてしまっては元も子もない。
（先輩の神速脱ぎ、ぼくもいつかはそれを超える脱ぎができればなぁ）
　神速脱ぎする武道を見ながら、いつか自分も……と思う荒太郎だった。

「いただきます！」
　最初に食べたのは激辛部分。辛いものは大丈夫なので、これは難なくクリア。
　苦いのは少し苦戦したが、どうにか食べ終えた。
　問題があるとすれば……激甘な部分。後輩が頑張って作ったんだから、先輩として残すわけにはいかない。
「最後の方は、これ、味のついた水だな！？」
　辛い、苦い、甘いが入り混じった氷水は表現がものすごく難しい複雑な味だった。
「後輩たちが頑張ってるしね！　俺も頑張らないと！」
　最後のほうはガクガク震えながらも完食した。
　食べ終えた頃には、こたつに入ったまま茫然としていた。

　俺の他に食べている人いるのかな？　と他のこたつを見ると、客に混ざってチャレンジメニューに挑んでいる野々ののこを見かけた。
　今食べているものは、武道と同じ三種混合だった。
　寒さを感じさせることがないほど、美味しそうに食べていた。
「これおいしーい♪」
　俺よりすごい……と、ののこの食べっぷりに感心する武道だった。
　水上桜は楽しそうなののこに声をかけようとしたが、先程、注意したような感じになるだろうと声をかけるのをやめた。
「桜、具合が悪いってお客さんがいるのだ。しゃおりー、保健室に連れて行くのだ」
「お願いします」
　寒空の中でのかき氷屋さんは予想以上に客が来たが、中には寒さで震えたり、体調を崩す人も。
　そういった客は部室で温まってもらいながら温かい飲み物を飲んでもらったり、保健室に連れて行ったり。

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