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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
補習危機一髪！ ～白い魔弾とウザイ奴～
【サンマ劇場・観衆と繰り手】
「いっとわず、つー、えくすぺんしぼ、つー……わっかんねぇ！」
望月が苦手なのは英語だった。
日本人なら日本語使えよ、なんてぼやきながらプリントを睨みつけては頭を抱えるを繰り返してはいるが、一応真面目に補習に打ち込んでいた。
そして解らない単語を引こうと辞書に手を伸ばした望月だったが、あるはずの場所にそれはなく。
「ん？」
プリントから顔をあげて探せば、机の隅でサンマさんが辞書の上に立てた消しゴムに対してなにやら話しかけていた。
（なんだ、こいつら？）
望月が訝しげな視線をサンマさんに注いでいると、サンマさんの言葉が耳に入ってきた。
『ヘイ、そこのセニョリータ。俺様とそこの海でランデブーしないかい？』
ドヤ顔でなにやら女性を口説く真似をしているサンマさんの姿は酷く滑稽だ。
しかし望月は気づいてしまった。
消しゴムに描かれた少女の顔が、溺愛している姪とそっくりだということに。
『おいおい、意外と積極的なんだな。いいのか？ そんなにホイホイついてきちまって』
サンマさんの虚しい一人芝居。
無視するのは簡単だ。
しかしあの消しゴムが可愛い姪に見えてしまい、望月の胸の中はもやもやが積もる。
（俺様の可愛い姪っ子が魚顔のナンパ野郎に……）
そう考えると自然と望月の顔は険しくなり、握っていたシャーペンがミシリと軋んだ音をたてた。
そしてサンマさんがナンパした少女を抱いてキスする真似をしようとした時だった。
「……捌くぞ、腐れサンマ」
サンマさんを素早い動きで手中におさめた望月は、手の中のサンマさんに絶対零度の視線を注ぎながら言葉を続ける。
「鮮度の悪りぃオメーらは、とっとと捌いて片栗粉付けて竜田揚げにしてサンマ丼になれば良いんだよ」
ここまで一息で言いきると、望月はサンマさんの顔を指で摘んだ。
「大丈夫、首をちょーんって切り落とせば苦しまないし」
サンマさんにとっては全然大丈夫ではない話なのだが、望月がそんなことを気にするはずもなく。
あわれサンマさん！
となる前に白い魔弾が望月の額にクリーンヒットした。
「いってぇ！！」
「宇佐見―、独り言が大きすぎるよー？」
「す、すみません……」
痛む額を擦り、再び課題に向き合おうとした望月だったが。
『俺達の夏はもう終わったんだよ……』
件のサンマさんが姪に似た顔の描かれたケシゴムを捨て、別の女性の顔が描かれたケシゴムを抱えていずこかへ去ろうとしていた。
「昼ドラより展開早ぇじゃねぇかー！！！！？」
そしてその突っ込みがそのまま望月の断末魔の叫びになった。
姉に肉体言語で鍛えられたタフな体も流石に無防備な状態で同一箇所に間髪置かず連続投擲されれば昏倒せざるを得なかったのだ。
「全く、困った子には容赦しないよ？ボク」
溜息をつきながらウォルターはチョークを手の中で転がす。
（ほう……この腕前は、なかなか）
白い魔弾の餌食となる生徒が一人、また一人と増える中、そんな状況に臆することなく冷静な目で観察する生徒が一人いた。
「……あのチョーク投げの技術欲しいなぁ」
ぼそりとそう呟いたのは逆巻 天野。
彼自身も有事の際は飛針など使うことがある故、ウォルターの正確かつ高威力のチョーク投げの技術に注目したのだった。
ちなみに彼が今日ここにいるのは先日の試験で名前を書き忘れると言う致命的な抜けがあった為である。
終了五分前のドタバタで確認できなかったせいもある。
即ち勉強自体が出来ないわけではないので補習自体は彼にとってさほど重要なことではなかった。
（もっと研究したいな……）
そう考えているところにサンマさんがえっちらおっちら天野の机をよじ登ってやってきた。
何か悪戯したくてしょうがない、そんな顔をしている。
それを見て天野の頭にポンと良い考えが浮かんだ。
そして唇の端を僅かに吊り上げ、妖艶に微笑みながらサンマさんに小声で話しかける。
「ねぇ、皆の妨害をもっとやってみない？」
『？』
天野の言葉に興味を持ったのか、サンマさんは逆巻の手招きに応じるがままノートの側にやってくる。
「いいかい、まずこういうルートでね……」
ノートに机の配置や教室内部の様子を書き、それを指し示しながら天野はサンマさんに作戦を授けた。
『いえっさー！』
サンマさんもその作戦をお気に召したらしく、軍隊風に返事をして意気揚々と天野の机から飛び降りた。
全ては魔弾の研究の為に。
天野はサンマさんの背中を見送り、一人ほくそ笑んだ。
「いっとわず、つー、えくすぺんしぼ、つー……わっかんねぇ！」
望月が苦手なのは英語だった。
日本人なら日本語使えよ、なんてぼやきながらプリントを睨みつけては頭を抱えるを繰り返してはいるが、一応真面目に補習に打ち込んでいた。
そして解らない単語を引こうと辞書に手を伸ばした望月だったが、あるはずの場所にそれはなく。
「ん？」
プリントから顔をあげて探せば、机の隅でサンマさんが辞書の上に立てた消しゴムに対してなにやら話しかけていた。
（なんだ、こいつら？）
望月が訝しげな視線をサンマさんに注いでいると、サンマさんの言葉が耳に入ってきた。
『ヘイ、そこのセニョリータ。俺様とそこの海でランデブーしないかい？』
ドヤ顔でなにやら女性を口説く真似をしているサンマさんの姿は酷く滑稽だ。
しかし望月は気づいてしまった。
消しゴムに描かれた少女の顔が、溺愛している姪とそっくりだということに。
『おいおい、意外と積極的なんだな。いいのか？ そんなにホイホイついてきちまって』
サンマさんの虚しい一人芝居。
無視するのは簡単だ。
しかしあの消しゴムが可愛い姪に見えてしまい、望月の胸の中はもやもやが積もる。
（俺様の可愛い姪っ子が魚顔のナンパ野郎に……）
そう考えると自然と望月の顔は険しくなり、握っていたシャーペンがミシリと軋んだ音をたてた。
そしてサンマさんがナンパした少女を抱いてキスする真似をしようとした時だった。
「……捌くぞ、腐れサンマ」
サンマさんを素早い動きで手中におさめた望月は、手の中のサンマさんに絶対零度の視線を注ぎながら言葉を続ける。
「鮮度の悪りぃオメーらは、とっとと捌いて片栗粉付けて竜田揚げにしてサンマ丼になれば良いんだよ」
ここまで一息で言いきると、望月はサンマさんの顔を指で摘んだ。
「大丈夫、首をちょーんって切り落とせば苦しまないし」
サンマさんにとっては全然大丈夫ではない話なのだが、望月がそんなことを気にするはずもなく。
あわれサンマさん！
となる前に白い魔弾が望月の額にクリーンヒットした。
「いってぇ！！」
「宇佐見―、独り言が大きすぎるよー？」
「す、すみません……」
痛む額を擦り、再び課題に向き合おうとした望月だったが。
『俺達の夏はもう終わったんだよ……』
件のサンマさんが姪に似た顔の描かれたケシゴムを捨て、別の女性の顔が描かれたケシゴムを抱えていずこかへ去ろうとしていた。
「昼ドラより展開早ぇじゃねぇかー！！！！？」
そしてその突っ込みがそのまま望月の断末魔の叫びになった。
姉に肉体言語で鍛えられたタフな体も流石に無防備な状態で同一箇所に間髪置かず連続投擲されれば昏倒せざるを得なかったのだ。
「全く、困った子には容赦しないよ？ボク」
溜息をつきながらウォルターはチョークを手の中で転がす。
（ほう……この腕前は、なかなか）
白い魔弾の餌食となる生徒が一人、また一人と増える中、そんな状況に臆することなく冷静な目で観察する生徒が一人いた。
「……あのチョーク投げの技術欲しいなぁ」
ぼそりとそう呟いたのは逆巻 天野。
彼自身も有事の際は飛針など使うことがある故、ウォルターの正確かつ高威力のチョーク投げの技術に注目したのだった。
ちなみに彼が今日ここにいるのは先日の試験で名前を書き忘れると言う致命的な抜けがあった為である。
終了五分前のドタバタで確認できなかったせいもある。
即ち勉強自体が出来ないわけではないので補習自体は彼にとってさほど重要なことではなかった。
（もっと研究したいな……）
そう考えているところにサンマさんがえっちらおっちら天野の机をよじ登ってやってきた。
何か悪戯したくてしょうがない、そんな顔をしている。
それを見て天野の頭にポンと良い考えが浮かんだ。
そして唇の端を僅かに吊り上げ、妖艶に微笑みながらサンマさんに小声で話しかける。
「ねぇ、皆の妨害をもっとやってみない？」
『？』
天野の言葉に興味を持ったのか、サンマさんは逆巻の手招きに応じるがままノートの側にやってくる。
「いいかい、まずこういうルートでね……」
ノートに机の配置や教室内部の様子を書き、それを指し示しながら天野はサンマさんに作戦を授けた。
『いえっさー！』
サンマさんもその作戦をお気に召したらしく、軍隊風に返事をして意気揚々と天野の机から飛び降りた。
全ては魔弾の研究の為に。
天野はサンマさんの背中を見送り、一人ほくそ笑んだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年08月26日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年09月02日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年09月02日 11時00分
