ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル｜リアクション

ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル

●激辛と勝負で熱き友情を築きたい

　何これ？　激辛ハバネロパフェを意地と根性で食べ終えた大江戸マンモスは、悶絶しながらも「やったです……」と達成感を得た。
　伊藤佳奈と楡宮遠海が苦戦しながら食べたものを、勢いよく食べたことはある意味すごい。
「あの人、私達よりすごいスピードで食べてたよね……」
　佳奈はそのことに感服した。
「大食いの私でも、あれはちょっと無理だわ」
　真似できないわ、と遠海はマンモスのことを心配する。

　１０００倍全制覇達成はまだほど遠いので、マンモスは次は何に挑もうかと熱さで朦朧としながら考える。
　その時、何を食べようかなーと楽しそうに屋台巡りをしている志波武道を見かけた。
（あの人は、あの時の！）
　武道は夏の激辛我慢大会でゲロを吐きあったゲロ友とも言うべき存在。
　この場でまた会えることは、マンモスにとっては光栄に思えるほどだった。
「お久しぶりです、志波さん。夏の激辛我慢大会以来ですね。共に激辛を味わい良い勝負をしたいものですね」
　誰？　と一瞬不思議がる武道だったが、夏の我慢大会と聞き「ああ、あの時の！」と思い出したようだ。
　彼もあの時、真っ赤な吐瀉物を噴射してダウンしたのだった。
「あの時、私は伝説を誕生させることができない悔しい思いをしました。なので、ここで激辛１０００倍制覇達成するという伝説を作るのです！」
「そ、そうなんだねー」
　それと俺が何の関係があるのかなー、と疑問に思う武道だったが、マンモスは激辛逆流噴射仲間と思い込んでいるようだ。
「ということで志波さん、私と一緒に激辛チャレンジをしましょう。共に伝説を作るのです！」
「伝説？　何の？」
「先ほども言いましたが、激辛１０００倍制覇達成です！」
　フェスティバルにある激辛１０００倍を食べ尽くすことで、武道との友情を築きたい、という思いもある。
「私は志波さんとの再戦の機会に備え、古今東西の激辛料理とフェスティバルの１０００倍料理を食べまくりました。準備は万端です。さあ、勝負しましょう！」
　女の子に勝負を挑まれるのはねー、と思ったが、断わると何度でも挑まれそうなので「じゃ、やろっか☆」ということに。

　勝負で食べることになったのは、マンモスご要望の１０００倍メニュー。
　何にしようか話し合った結果、武道がきつい！　と弱音を吐いた激辛中華饅頭を食べることとなった。
「私はそれでもいいです。さあ、勝負です！」
　負けられません！　とマンモスはパクリと激辛中華饅頭にかぶりつく。
「■■■■■■■■！　か、辛いぃぃぃ！！　これは人間が食べるものじゃねえです！！　だが負けられない！　ここで諦めたら勝負終了です！」
「む、無理しないようにねー……」
　一度とんでもない辛さを体験したので、武道はラッシーを飲みながら、ゆっくりと食べる。
「私は諦めねーです！　絶対に負けられねーです！！」
　武道に負けられない気持ち、燃えるような闘争心がマンモスの原動力だった。もう誰も彼女を止められそうにない。

　勝負の結果はマンモスの圧勝だった。
　武道も本気を出せば接戦だっただろうが、１０００倍中華饅頭を再度食べたことで舌がヒリヒリしたのでスローペースだった。
　マンモスと同じペースであれば、互角だっただろう。
「志波さん、私と勝負してくれてありがとうございました。次は、良い勝負をできることを楽しみにしています」
「勝負、楽しかったよー！」
　お互いの健闘を称え、２人はガッチリと握手を交わした。

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