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◆北校舎二階・購買部前
ふと我に返ると、水のただ中に立っていた。
空は暗澹とした雲に覆われており、降りしきる雨が止む気配はない。浸水のせいかほとんどの蛍光灯はショートしてしまっているようで、息も絶え絶えといった様子で頼りない明りを瞬かせている。
辺りは夜の手前のように不吉な薄暗さに包まれていた。
浸水した校舎、水没した街並み。
その現実離れした光景を見渡すと、
東中居 陽二
は大きくため息をついた。
「またテオ空間か……。ったく、今度は何だっていうんだ」
彼が立っていたのは購買部前――つまり、北校舎二階の廊下であった。水位は既に彼の腰辺りまで上がっており、この調子だとものの一時間もすれば二階も完全に沈没してしまうだろう。
「これもろっこんか? ずいぶんと危ない力だよなぁ……」
このままだと水没は免れない。それまでにどうにか原因を突き止めなければ。
購買部の前にいたのは幸運なのかもしれない。東中居はざぶざぶと水をかき分けながら購買部へと向かった。棚の中ほどまでが浸水してしまっているが、役に立ちそうなものはいくつかありそうだ。
そう、まずは何と言っても水着である。
腰までの水位とはいえ、着衣のままの移動はなかなか厳しいものがある。一歩進むごとにズボンが足にまとわりつき、思うように歩くこともままならない。
男子用水着に手を伸ばすと、東中居は注意深く辺りを見回した。
「……よし、誰もいないな」
ブレザーとワイシャツのボタンを外し、早く寝子高指定の水着を身に着けたときだった。
ぱしゃ、と背後の方から水音が立つのが聞こえた。
浸水しているといえど、室内ならば雨風の音ではないはずだ。
明らかに何かがいる。
東中居はごくり、と唾を飲んだ。そう、ここは特殊な空間。
学校が水没してしまうような状況が起こるような場所なのだ、フツウじゃない何かがいたっておかしくない……。
彼が意を決して振り返ったちょうどそのとき、ざぱぁ、と派手な音を立てて水面から何かが飛び出してきた。
「ぶっ……な、なんだ?」
飛び散る飛沫の向こうには、長い髪を垂らした小柄な少女が立っていた。
「うわっ!」
幽霊然としたその立ち姿に、東中居は思わず息を呑んで数歩後ずさる。
化け物? ゾンビ? これが怪奇の正体? いきなりラスボス?
ぐるぐると頭をめぐらせる東中居をよそに、目の前の少女はフッと得意げに笑ってみせた。
「安心しろ。着替えたところは見ていない」
額にべたりと貼りついた髪を掻き上げてそう言ったのは、
双葉 仄
だった。潜水していたせいか、普段高く結っているツインテールは水を吸ってぺしゃんこになっており、制服ももちろんびしょ濡れだ。
「お、驚かすなよ! いったい潜って何をしてたんだ?」
「何をって、お前を驚かそうとしていたに決まってるだろう」
「本気で驚かそうとしたのかよ……」
目の前の少女の突飛な行動に、東中居は深々と溜息を着いた。特殊な空間に放り込まれたとは思えないマイペースっぷりである。
「当たり前だ。こんな幽霊の真似がしやすいロケーションなんて、そうそうないぞ?」
そう言って双葉は服や髪をぎゅっと絞った。無意味な潜水により彼女の全身はずぶ濡れで、……双葉の動作を何気なく目で追った東中居は、いやでもそのシャツ越しに透けた肌に釘付けになる。
衣替えも終わったこの時期、夏服のシャツの生地は薄い。
その白さ越しにほのかに浮き出た肌色を見て、ごく当然というように彼は口を開いた。
「ところでさ、着衣水泳は危険だから……とりあえず脱げ」
「やかましい」
即答であった。
確かに今のはマズかったな、と咳払いをひとつ。しかし慣れない者が着衣で泳ぐのが危険なのは事実だ。
「いや、下心とかではなく……うん、まあ、ごめん。ともかく、水着見つけたから着替えれば?」
俺はあっち向いてるから、と付け加えて見つけた女子水着を双葉に手渡す。
彼女は手渡された水着を受け取ると、フッと得意げな笑みを見せてその水着をカウンターに置いた。
「気遣いは感謝する。が、私には必要ない。着衣でも泳げるのでな。現に泳いでお前を脅かしただろう?」
「……確かに」
「この雨、原因は恐らく上の階だな。まだ水没していないところにいるはずだ」
双葉は外を眺めて言った。奇想天外な行動をしたかと思えばその推理は的を射ている。東中居も頷いた。
「そうだな。探すとしたら三階と屋上だな」
「水位も上がって来た、もたもたしてはいられない」
まだ脅かしたりないからな!
そう言い残すと、双葉はざぷんとまるで動じた様子もなく水に潜ると、無駄にきれいなフォームで泳いで行った。
「まだ脅かすつもりなんだ……」
内心で呆れつつも、原因を探すべく東中居も彼女の後を追うように泳ぎはじめた。
◆部室棟二階・軽音楽部部室
ぶはっ、と水面から勢いよく顔を出すと、
雨寺 凛
は大きく息を吸い込んだ。
部室棟も校舎と同じく水没しかかっている。窓枠に手を掛けると、部室棟の中へと入った。
「よいしょ……と」
水面から半身を出すと、べたりと濡れた服が想像以上の重みを持って体にまとわりついた。泳ぎは得意な方であったが、着衣が濡れるこの感触はどうにも慣れることができない。
雨寺が入ったのは、軽音楽部の部室であった。見慣れたはずの部室は、理不尽な雨に蹂躙されすっかりその様相を変えてしまっている。腰のあたりまで浸水が進んだ部室を泳ぐようにして歩きながら、彼女はある一点を目指す。
「あったあった! よかった、まだ水には浸かってないみたい」
彼女が手にしたのは、自らのギターであった。たとえテオの作りだした空間とはいえ、父からもらった大切なギターが沈んでしまうのは我慢ができなかったのだ。
ケースを開いて軽く弦を弾いてみる。陰鬱とした部室内に場違いなほど軽やかなギターの音色が響き、雨寺はほっと顔をほころばせた。
(よかった、いつもの音だぁ)
けれど安心するにはまだ早い。ギターをいったん安全なところまで運ばなければならないのだ。ギターケースを水面に触れさせないよう持ちあげると、雨寺は窓枠の方へと歩いていく。
「やっぱり屋上かな。雨でケースは濡れちゃうけど、水没するよりはマシだしね」
雨寺は目指す北校舎に目を向けた。普段は大したことのないその距離が、今はまるで遠い対岸のように茫洋としている。とはいえ、ずっとここに留まっている訳にもいかない。
「……よし! もたもたしてられないし、全力で泳がなくちゃ!」
意を決した雨寺は、ギターケースを背負い、北校舎を目指すべく窓枠を蹴った。
◆北校舎三階・音楽室
三階校舎はまだ水に浸かっていなかった。
そんな中、顔を濡らした雨水を拭いながら
桜庭 円
は窓から身を乗り出して辺りの様子を見回していた。
ここは北校舎三階の音楽室。気がつけばここにいたのだが、それは不幸中の幸いだったのかもしれない。ざっと見まわしたところ、校舎外と南校舎一階は完全に水没、二階も既に中ほど辺りまで浸水してしまっている。
「……ん、あれは?」
外を見渡していた桜庭は、水没した校舎外を泳ぐ人影を見つけた。
その人物は、ただでさえ荒れた水面なのに何か大きな荷物を必死に背負いながら泳いでいる。
長い黒髪に、小柄な体にはやや大きすぎるギターケース。その姿には見覚えがあった。同じ学年の
雨寺 凛
だ。
「凛ちゃん! ちょっと、大丈夫ー?」
声を大にして叫ぶが、返事はない。大雨の中荷物を抱えて泳いでいるのだ、こちらの声は届いていないのだろう。
(あれじゃ溺れちゃうよ……! 助けに行かないと!)
桜庭は上着と靴下、ローファーを脱ぎ捨てた。
三階の窓から水面まではまだ数メートルほどの高さがあったが、桜庭の勇敢な心にためらいはなかった。
窓枠に足をかけると、思いっきり蹴って水面に飛び込んだ。
高さがあったせいか、衣服が水を吸ったせいか、着水と同時にぐっと体は想像以上に深く沈みこんでいく。水面を目指そうともがけばシャツが絡みついてうまく腕を動かせない。
想像以上に過酷な状況に沈みかける意識の中、必死に腕を伸ばした桜庭の指先が幸運にも浮かんでいた木の板を掠めた。夢中でそれにしがみつくと、桜庭はぐっと体重を掛けて水面から顔を出した。ぷはぁ、と大きな息をひとつ。
流れてきた木の板はどこかの店の看板のようであった。これなら二人ぶんくらいは支えられるかもしれない。
「凛ちゃん! こっち!」
揺らめく水面の中、目ざとく小さな黒い頭を見つけた桜庭は必死に声を張り上げた。ほとんど沈みそうになりながら泳いでいた雨寺だったが、その声に気付いたのか水面から器用に顔を上げる。
「円ちゃん! どうしてここに!」
「いいから、とりあえず早くコレにつかまって」
木の板を浮き具代わりに雨寺の方へと泳いでいく。
波に翻弄されながらも二人の距離は徐々に縮まっていき、やがて雨寺の水を掻く手が木の板に届いた。
「ぷはぁ……助かった……とりあえずコレを」
木の板にしがみつき、そこでようやく雨寺は一息着くことができた。泳ぎは得意であったが、服のまま、しかもギターを抱えて荒れた水面を泳ぐというのはさすがに無謀だったかもしれない。背中のギターを木の板に乗せると、肩で大きく息をした。
「大丈夫? ギター抱えてよくここまで泳いだね」
「うう、泳ぎはわりと得意なんだけど……けっこーキツいねコレ!」
嵐のただ中でも雨寺の快活さは健在だった。安堵もあってか口調を緩めて笑う彼女に、桜庭の顔もほころんだ。
ホント無事でよかった、と言いかけ桜庭は口をつぐむ。
暴風雨の中、足の届かない水面に、木の板だけを頼りにかろうじて浮かんでいる状況。
「まだ無事っていうにはちょっと早いかな」
「……だね」
薄っぺらい生命線にしがみつきながら、二人は顔を見合わせ呆れたように笑った。
目指すは北校舎。二人でなら、きっとギターも運べるだろう。
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グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月17日
参加申し込みの期限
2013年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月24日 11時00分
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