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◆北校舎二階・廊下
見渡す限り、辺り一面に水があふれていた。
学校が沈むなんて! 既に水は自分の腰辺りまでじわじわと上がってきている。服を着たまま水に浸かる初めての感触に、
維都月 茉菜
は恐怖や混乱よりも先に新鮮さを感じていた。
「わあっ……学校が沈んでる……沈んでるよっ!」
窓の外を見てみれば、今いる北校舎から南校舎の間は完全に沈んでしまっている。水位はちょうど校舎二階の窓辺りまで来ているから、南校舎へ行くには泳いで渡るしかなさそうだ。
泳ぐ。その自らの発想に維都月はハッと気付く。
そうだ、こんな深いところを泳ぐ感覚ってどんな感じなんだろう……!
深い水に浸かったことのない維都月にとって、潜水というのはもはや未知の領域だった。頭の先から足の先まで水の中って、どんな感覚なんだろう? 彼女を突き動かす衝動は、その好奇心だけで十分だった。
「えいっ!」
窓枠に足を掛けると、勢いよく校舎の窓から飛び出した。
ざぶん、と体は蹴った勢いのまま沈んでいく。そう、沈んでいるのだ。体は完全に水の中に飲み込まれ、体感したことのない奇妙な浮遊感に包まれる。これが潜るということ、これが泳ぐということ。その初めての経験に、維都月の心は生き生きと弾んでより深く潜っていく。
いや、潜ったというより、沈んだという方が正しいか。
維都月は、体が沈んでばかりだということにふと気付く。
(……あれ、体があがらない? もう息が苦しいのに、えええどうしよう体が……!)
どんどん下降していく維都月。必死にもがくが、水を吸った服は想像以上に重くまとわりつき彼女の動きを阻害する。泳ぎ慣れた者でも着衣水泳は危険なのだ。
浮上できいない。潜水の経験のない彼女にとって、状況はもはや絶望的であった。
(く、苦しい……そんな、せっかく泳げたのに、そんな……)
喉の奥から酸素を渇望する苦しみがせり上がってくる。ここで口を開いてしまえば、汚水を飲んでいよいよ奈落の底に引きずり込まれてしまうだろう。けれどもう限界はそこまできていた。
ああ、もうだめ。
そう思ったとき、すがるように伸ばした彼女の腕を誰かがしっかりとつかんだ。
桃原 空音
は、原稿と漫画を濡れないよう持ち上げながら北校舎二階の廊下を歩いていた。
(よく分かんないけど、このままじゃ死んじゃうよ! とにかく上の階を目指さないと……)
二階の浸水は、小柄な彼女にとってはもはや胸近くにまで迫っている。水の抵抗と戦いながら必死に前進していると、窓の向こうから何かが水面に落ちる大きな音が聞こえてきた。
「にょ? なんだろう今の音……まさか誰か落ちたとか?」
慌てて窓際に近寄ってみると、校舎の外に広がる澱んだ水面のある一点が大きく不自然に揺らいでいる。
目を凝らしてみると、その濁った水の中で必死にもがいているのは紛れもなく人間だった。両手を必死に伸ばして水を掻いているようだったが、その指先は空しく水面を揺らすだけだ。
「た、大変! やっぱり溺れちゃってるんだ!」
うう、と桃原は逡巡する。泳ぎは得意な方であった。今自分が救出に向かえば、あの人は助けられるかもしれない。けれどこの豪雨の中を? 見上げた空はこの世の終わりのような色をしている。それでも……。
眼下で必死にもがいていた腕が、ついに事切れたようにふっと力を失うのが見えた。もう迷っている場合ではない。桃原は意を決すると、窓枠に足を掛けて立ち上がり着ていた服を脱ぎ捨てた。同年代の女子と比べてもほっそりとした華奢な体があらわになったが、背に腹は代えられない。今は恥ずかしさよりもあの人の救出だ。
(待ってて、今行くから……!)
水に入ると、必死に泳いで溺れる誰かのもとへと進んでいく。服を脱いだおかげで体はずいぶんと軽い。
先ほどまで水面が揺らいでいた箇所に到着すると、桃原は大きく息を吸い込んで水の中にもぐった。
濁った水の中ではとても目は開けられない。目をつぶったまま勘だけを頼りに水中を探る桃原の指先が何かやわらかいものを掠める。触れたのは一瞬だったけれど、それは確かにあたたかさを持っていた。
(人だ!)
確信した彼女は腕を伸ばしてそのぬくもりを掴んだ。それは紛れもなく人の腕の感触。そのつかんだ腕の細さに、桃原は内心で安堵した。よかった女の子だ、女の子なら小柄な自分でも引っ張って泳ぐくらいはできるはず。
腕をつかむと、相手もしっかりと握り返してきた。その反応に安心したが、気を緩めるのはまだ早い。共倒れにならないよう桃原は必死に水面を目指す。
「……ぷはぁっ! はあ……はあ……だ、大丈夫!」
水の中から顔を出した桃原は、自身も荒く息を着きながら抱きかかえる女子生徒に声をかけた。幸い水は飲んでいなかったようで、彼女も横で大きく息を着いている。
「だ、大丈夫……わ、私、助かったの……?」
茶色のショートの髪をべたりと顔に貼りつかせながら、助け出された
維都月 茉菜
は焦点の合わない眼差しで周囲を見渡した。
「うん、もう大丈夫だよ! ちょっと待ってね、すぐ校舎に向かうから、私につかまって」
そんな彼女に、桃原はいつになく力強い表情を見せてそう言った。
◆北校舎三階・廊下
濡れた廊下を歩きながら、
八十八旗 信彦
は確信めいた思いを胸に抱いていた。
なんとなくそわそわと落ち着かないこの気持ち。
一刻も早くなんとかしなければというこの焦燥感。
(俺には聞こえる……どこかでレディの心が悲鳴を上げているのが!)
彼の紳士的六感がそう告げているのだ。この研ぎ澄まされた感覚はろっこんの力によるもの……ではなく、彼が持つ天性のシックス・センスだ。無論根拠などどこにもないが、彼の女性に対する尋常ではない嗅覚はもはや理屈などではないのである。
そんな彼の耳に、ある一つの悲鳴が届いたのは偶然ではなく運命だったのかもしれない。
誰か助けて……!
水面を叩く激しい雨音の中、今にもかき消されてしまいそうなか細い声。
八十八旗が慌てて声のした窓の向こうに視線を向けると、そこには水面に沈みかかりながらも必死にもがく女子生徒の姿があった。
「おい、大丈夫か! 待ってろ……今行くから!」
まさか本当にレディの危機に直面するとは。やはり俺の勘は正しかったんだ!
八十八旗は目の前で今まさに溺れようとしているレディを助けるべく、靴と制服のシャツを脱いだ。校舎三階から水面までは数メートルほどあったが、女性のピンチを前にして臆する高さではない。
勢いよく窓枠を蹴ると、必死に水をかいて女子生徒のもとへと向かう。
「あれは……哀坂さん?」
荒れる水面の中必死に目を凝らすと、今にも溺れようとしているその顔には見覚えがあった。隣のクラスの
哀坂 零葉
だ。
「哀坂さん! こっちだ! もう大丈夫だから落ち着いて!」
片腕を伸ばして哀坂を抱き寄せる。耳慣れた八十八旗の声に、混乱した様子の彼女は我に返ったように顔をあげた。
「と、八十八旗くん! 私……私、急に水の中に……!」
「大丈夫、大丈夫だから、全部テオのせいだから大丈夫!」
何が大丈夫なのかは自分でも分からなかったが、灰色のあの猫に全て押し付けながら八十八旗は彼女を落ち着かせる。
「いいからつかまって。……あ、あと水の中で着衣は危険だ。その制服を早く脱がないと」
この異常事態の中でも八十八旗のスタンスは変わらない。
あくまで紳士的な表情のまま彼女の制服のボタンに手をかけると……殴られた。
「や、やや、やめてください! 何するんですかいきなり!」
「だから違うんだ、俺はスケベ心で言ってるんじゃない! 俺だって上は脱いでるだろう」
「…………」
その説得に、渋々と上着を脱ぎ始める哀坂。そして、スケベ心で言っている訳ではないとは思えない顔でそれを眺める八十八旗。
やがて制服のシャツを手放すと、それは濁流に飲まれあっという間に見えなくなった。その様子を見つめ、うう、と哀坂は気恥ずかしげに声を漏らす。
「し、下着は脱ぎませんからね! あとスカートも……」
「おっと、さすがの俺でもレディを裸になんてさせるつもりなんかないよ! ……よし、とりあえず北校舎を目指すよ」
二階ももう危ないから、早いとこ三階に行こう。
そう告げると、八十八旗は校舎を目指して泳ぎ始めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月17日
参加申し込みの期限
2013年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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