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Another World Story
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★奪い、奪われる者(
弥逢 遊琳
)
紅葉の赤が、美しい。
「……俺の赤とは正反対だな」
色を纏った樹の群れ、そのうちの一本に背を預けた男は、冬の風のような細い声で零した。
男の手は、自身の腹部に当てられている。
そこからは、とめどなく赤が、彼の男の血が溢れ、辺りを濃く染めていた。
間もなく自分は死ぬだろう、と、男は確かに知っている。
ただ、未練があった。
戦のために離れた故郷に。そこに残してきた家族に。
脳裏に、懐かしくあたたかな光景が浮かんだ、その刹那だった。
風が、吹いたのだ。
鮮やかな葉っぱ達が、からからと散る。色を失い、地に落ちる。
気づけばそこに、美しい人が立っていた。
目が眩むほど艶やかな着物姿のその人は、濃い蜜の色をした双眸で男を捉える。
「……お迎え……か……?」
「迎えに来た、という意味では正しいよ。だけど、君が考えているのとは少し違うかもしれないね」
「君は、『神の戦士』に選ばれたんだ」
「神の……戦士……」
その言葉の意味は、男も知っていた。
男の生きてきた国には、一つの伝承がある。
天上には神の国があり、勇猛なる者は、その命尽きる時、その天上の国の戦士として召し抱えられる、と。
「本当……だったんだな……」
思わず漏らせば、目の前で、黒髪がはらりと揺れる。
蜜色が、不思議そうに瞬かれた。
「我らが神の加護を、信じていなかったのかい? 神様は、いるよ。そして、僕達を救ってくれる」
ちりん、と、鈴の音が甘やかに響く。
※
遊琳は、『神の戦士』になる者を下界へと迎えに行く、神の遣いだ。
いつから“そう”だったのか、遊琳は知らない。
生前の記憶も持たず、“今”の自分の記憶すら、酷く危うく、不安定なものでしかない。
けれど、神は彼に言う。
神の遣いとしての役目を果たし続ければ、迷いは消え、お前は真に幸福になるだろう、と。
遊琳は、その言葉を信じている。
(だって他に、縋れるものなんて何もないんだから)
※
血塗れの男を見下ろして、遊琳は音を紡ぐ。
「君は神の国に行くんだ。僕が連れていく。幸いはそこに在る」
男は、遊琳の姿に魅入られたように、或いは遊琳の言葉に惹かれたように頷きかけて、ふと、
「だが……そこで、俺は死に別れた人達に会えるのか?」
と、尋ねた。
遊琳は、双眸を僅かに細める。
(皆、同じことを聞くんだね。……あれ?)
皆って誰だろう? と、瞬間、疑問が過った。
(僕がこれまで、神の国に連れて行った人達? それとも、かつての……)
頭の中を、ノイズが走る。
裂くような痛みに、遊琳は、頭を押さえた。
じきに、頭痛は消える。
心に湧いた問いも、その時には最早、遊琳の手のひらから零れ落ちている。
「……どうしたんだ? なあ、俺は、親父や、お袋達に……、」
「……大丈夫だよ」
静かに男の声を遮って、遊琳はふわりと笑んだ。
「大丈夫。君は、まっさらになるから」
え、と男が零した時にはもう、遊琳は薙刀を優雅に振るい、辺りには風が吹いている。
風は、優しく、柔らかく、けれど微塵の容赦も躊躇いもなく、男から全てを奪っていく。
大切な記憶。胸に座していた感情。そして、人としての命。
何もかもをなくした男に、遊琳はそっと微笑みかける。
「行こうか。君は『神の戦士』だ。天上で、我らが神が待っているよ」
男は、半ばは呆けたような顔で、「はい」と今度こそ答えた。
※
「遊琳よ、此度も良い働きだったぞ」
天上の神の言葉に、遊琳は恭しく頭を垂れた。
「あの者には、『調整』を加えよう。力を振るうほどに、記憶の欠片という不純物が剥がれ落ちるように」
遊琳は、ただ頭を下げている。
それは己も同様なのだと、彼はもう、気付くことができない。
――務めを果たそう。
――もっと、もっと。
――そうすれば僕は、真実、幸せになれるんだから。
それはきっと、全くの嘘ではない。
心の奥底に眠る記憶の欠片さえも悉く失ったその時には、悩みも苦しみも、感じなくなっているだろうから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月29日
参加申し込みの期限
2019年11月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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