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【細部に宿る】
「よしっ、それじゃ行こうかな」
それは、学校などに行っていればつい怠惰になってしまいそうな日曜日の朝のこと。
玄関に立つ
篠原 翠響
は、平日早朝と同じ時間に起床してきっちりとランニングウェアに着替えると、小さな掛け声と共に家を出た。
マンションの前で軽い動的ストレッチをして、走り出す。
ランニングも、翠響の中で日課となって大分経った。
──昔は、努力など鼻で笑い飛ばしていたものだが、今は違う。
翠響は八月に行われた新体操の大会で、文字通り涙の優勝を勝ち取り、そして来月行われる中学生最後の大会でもある全日本ジュニア選手権に向けての特訓を、一切の妥協を許すことなく取り組んでいる。
努力を始めた才人に一般人が追いつくのは至難の業である。だが、全日本には翠響のような存在が溢れかえっているのだ。
翠響は目標のためならば、もう努力を厭うことはない。
「ふぅ……っ」
翠響は寝子ヶ浜海岸の砂浜まで走り、海岸線を正面に見据えてそこでようやく立ち止まった。
深呼吸をすると、ランニング前とは違う本格的な正式な準備体操をスタートさせる。
一つ一つ、身体の声を確認するように温まった身体でストレッチをする。場所が広ければ、狭い空間よりも同じ気持ちで大きく身体を伸ばせる気がした。
この後の予定は、走り込んで一度家に帰り、シャワーで汗を流して朝食。その後、午前九時からオープンする寝子島スポーツセンターへの練習となっている。
「ん?」
その途中。翠響は、走っている途中で、植え込みの上に一輪の花が咲いているのを目に留めた。
そこには、綺麗な青色が差し色で入っている白い秋咲きのクレマチスがあった。
「こんな季節にまだ咲いてるんだ」
不思議に思い、翠響は試しに手を伸ばしてみる。
「……すごい、これ全部布で出来てる」
手に取ると、それは外のひんやりした気候を和らげるかのように、暖かな布の手触りがした。
精密さは素晴らしいもので実際の花と見紛う程だったが、じっくり手に持てば、その花びらも茎も葉も、全て布で出来ているのが分かる。
「へぇ、良く出来てるじゃない。
誰かがコサージュでも落としたのかな」
無意識に落とし主を探して辺りを見渡すが、この周辺に人影はない。
その美しさは、まるで誘惑するかのように翠響の心に響いてくる。
しばらく待つが、落とし主が現れる気配はない──
「取りあえず拾っちゃえ」
それは、一度目にしてしまうと置きっぱなしにしておくのが勿体ない程だった。翠響は、貴重そうだったら後で交番に届けておけばいいし……と心に置いて、その花をじっと見つめた。すると、
【花を髪に飾って、演技のトレーニングをすると、
新しい、より素敵な自己アピールの出来る演技案が浮かぶ。
上手くポジティブに取り入れる事が出来れば、魅力が更にアップ】
「な……なんなの、今のは?」
それは、翠響の心の中でも、考えてもいないような所から上がってきたひらめきだった。
不意を突かれて、翠響は大きく瞬きを繰り返す。
「一体何なの?
──……ま、いっか」
『演技案』とは言うが、実際の大会用プログラムは、翠響自身にとっての最良を組んだつもりだ。これ以上の新しいものなどないと自負できる。
それならば、気にしていても仕方がない。翠響は布で出来た花に気を遣いながら、家に戻りそこからスポーツセンターへと向かうことにした。
到着したスポーツセンター内の体育館は、いるだけで心が引き締まっていく。
翠響は練習用のレオタードに着替えてから、ふと持ち込んできた先程の布製の花を目にした。
──でも、本当に、今以上に素敵な演技が浮かぶのなら──
「……まあ、ね」
先の言葉を信じた訳ではない。信じた訳ではないが……もし、そんな事があるのなら試すくらいは悪くない。
翠響はそう結論付けて、長い髪を結い纏める合間に布で出来た花を編み込ませ、落ちないように髪に飾り付けた。
まずは、軽い体操練習からスタート。花を飾り付けた翠響の心は、いつもの練習とは異なり不思議なほどに軽やかに感じられた。
演技中に腕を伸ばす。その瞬間、翠響の意識にいつもと違う光景が目に入った。
(え? 何これ──)
まるで、自分を別角度から見ているような視界が、イメージとして意識の中で両立している。
試しに、脳裏に浮かんだイメージ通りに、今までずっと身体に叩き込んできたその位置から、あと数ミリ人差し指の位置を変えてみる。
すると、それは自分でも分かる程に、今まで以上に己の動きを輝かせて見えた。
「──!」
翠響の心が一気に高鳴った。
あれは演技プログラムを変えろと浮かんだのではない。今、次々と心に目に浮かんでくる『僅かな細部に宿るもの』を、己の動きに反映させるだけで、自分の演技がはっきりと際立っていくのをひしと感じるのだ。
(すごい……)
それ以降の翠響は、練習の中で脳に浮かび上がるそのイメージだけを一心に追い求めた。
他のものなど目に入らなかった。自分が肌で感じられる程に輝いていく──その体感を認識して、どうしてそれがやめられるだろうか。
それから数時間、翠響はがむしゃらに練習を続け自分を追い求め続けた。
コーチとは何度か話をした気がするが、内容はよく覚えていない。
そして、夕方の練習終了を告げるチャイムが鳴り──そこで初めて、翠響は我に返って驚いた。
周囲にいた人々が、ずっとこちらを見ていた。翠響の様子に練習が終わったのだと知って、想定外の拍手が沸き起こる。
「え──なに……!?」
翠響が状況を理解しきる前に、現状を一番褒めてくれたのはコーチだった。
『素晴らしかった、最高だ!』といつもは厳しくもきちんと指導してくれるコーチが、何の夢か大きく声を上げて、まるで自分の事のように喜んでくれている──
「……これのせい、って」
翠響は唯一の心当たりである花に、半信半疑で手を伸ばす。
触れるだけでも精巧さが窺えるその花は、今も確かに存在しており。そして、練習を終えても尚、翠響の美しさを飾り立て続けていた。
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担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月16日
参加申し込みの期限
2019年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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