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花が届けるひとつの天啓
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【あなたに、寄せる】
──休日。
八神 修
は普段のスケジュールに加え、学校が休みの日は、その早朝時間をも受験勉強に充てていた。
昔に比べ修の学習時間は増えているが、その要となる高校の出題範囲については既に履修済みであり、今は大学の参考書を手につけている。
勉強の終了時間になると、今までの集中が嘘のように我に返る。名残惜しくも、修が集中していた時間から離れて一つ息をつくと、今まで参考書とノートしか見えていなかった視界に、机の上にあるさまざまな物が一斉に映し出された。
その一つが、
七夜 あおい
と共に撮影した写真立て。互いにお揃いのエプロンを着て、ケーキを持つ手と共に微笑むあおいの笑顔は修にとっていつも励みになる眩しいものだ。
(今頃、何をしているかな)
勉強に集中している間は、目に入らない。それは修にとっては申し訳ない事にも思うのだが、集中が予期せず切れた時には、それを見ると再びすぐ勉強に立ち返れるのだ。
本人はもちろん、写真に到るまで修の活力源になっている。あおいの存在は修にとって、なくてはならない光と同じなのだ。
「……ん?」
そんな中、写真立てに見入っていたら、視界の端で何かが揺れる気配がした。目を向けると、海に面した出窓の所に、勉強前にはなかったはずの花が置かれていた。
遠目にも分かる。それはシンプル故に分かりやすい、一輪の赤い薔薇。
「おや……素敵な不思議だ」
置いた覚えがないのだから、恐らく寝子島では呼吸するように起こる何かの神魂影響だろうと思う。だが、集中していた勉強の区切りとはタイミングが良い。
軽く、何かからのご褒美かなと思いながら、歩みを向けた先に届いた花を手に取る。
「丁度、一輪挿しが空いていたな」
修は薔薇を傍らに置き、傍らにあった高級な透明感のあるクリスタルガラスの一輪挿しに水を注いでそれを生けた、瞬間。
【花に水をあげた貴方、七夜さんから何かを寄せられます】
そこに突如現れた言葉は、まるで親しい人に真実を語り掛けるかのように、修の元へと収まった。
「あおいから?『寄せる』と言っても……」
修は驚きを重ねて花瓶を見る。
『寄せる』と言ってもそれはさまざま。だが、既に生けられた花がそれに答えることはない。
しかし、その言葉は確かに修の心に落ちた。
天啓通りであれば『今、外に出ればあおいに会える』という、確信が浮かび上がる。
「そうだな、散歩に行きたいと思っていたから丁度いい。出掛けようか」
即断即決。修は本日そのひらめきに耳を貸す事にして、最初に思い浮かんだ動物園へと足を伸ばすことにした。
修が動物園に到着すると、まさにその確信の通り園内の入り口前にあおいが立っていた。
修の目に見えるその姿は、携帯を片手に困ったような様子を浮かべている。
「こんにちは、あおい」
修があおいに近づいて声を掛けた。会えるという認識が前提にあっても、やはり実際に顔を合わせればどきどきしてしまう。
「あ、修君!」
上げられたあおいの顔に花が咲いた。それだけでも修は、今日、自分がここに来た価値はあったのだと思う。
「どうかしたのか? 困っているようだったけれども……」
「それが……。あのね、今日友達と二人で動物園に行く約束でチケット取ったんだけれども……友達が急に来れなくなっちゃって。
勿体ないから、誰か他に来てくれる人がいないか探してたんだけど……やっぱり急だから、みんな予定が空いてないって」
あおいが再びしょんぼりと肩を落とす。それでずっと立ち尽くしていたのだろう。
一秒でもあおいが悲しむ姿は見たくない。修は、その様子を目に即座に答えた。
「俺で良ければ一緒に行こうか。もちろんチケット代は払うから。
むしろあおいの分も払わせて欲しい」
「え、本当っ!? ううん、チケット代はいいよ! だってせっかく一緒に来てくれるんだし」
「いや、ここは──」
それから十五分。
互いに譲り合いが発生した後、チケット代は折半という事で話し合い、二人は動物園の順路通りに地下コーナーへと足を進めていた。
目の前には地面と水中の両方が観察できる巨大な水槽があった。そこをペンギンが自由に動き回り泳いでいる。そこには小学生と思われる子供達の集団から家族連れに到るまで、老若男女問わずに混み合っていた。
順路は決まっているが人混みは激しく、流れが不規則に滞っている。
「わっ、混んでるね……!」
「そうだな、はぐれないように気を付け……」
修がそう告げて隣を目にしたその瞬間、あおいの姿が忽然と消えた。
「──!? あおい!」
慌てて修が辺りを見渡すと、隣にいたあおいは既に人混みに流され掛けて、後ろの方に離れていた。思わず修が、出来る限りの力であおいの方へ手を差し伸べる。
「修君──!」
それを目にしたあおいも、慌てながらも必死に手を伸ばし、修の指先を強く握って、辿るようにその身を寄せた。
「無事か、あおい!」
「う、うん。驚いちゃった……!
あっ──え、えっと……」
あおいの声が何故かたどたどしく聞こえる。
気が付けば、あおいの柔らかな髪が修の顔に僅かに触れた。修の方も動揺のあまり、加減を忘れてあおいを引っ張ってしまったらしく、今その身体は、いつしか修の胸の中にある。
「すまない!! 今離れ……人が」
「ご、ごめんね! す、すぐ離れるから!」
人混みに呑まれ、今度は離れられなくなった二人が慌てふためく。
見ればあおいの顔は真っ赤になっていた。
(『寄せる』──こういう事か!)
修は今朝の花の指し示したことをようやく理解した。
「いや……いっそ、この──」
その先を言い掛けて、思わず修は口を閉ざした。
そこには、まだ告白しても尚伝えきていない想いがある。
例えば──この状況は、もしかしたらあおいには迷惑なのだろうか。
修はあおいを愛している。その気持ちや行動に迷いはなく、己の心にも隠し事はしないと決めた。
しかし、それでも彼女の本意でない行動を強いるつもりはないのだ。
(『いっそ、このままでもいい』──は、)
彼女にとって、言っても良い言葉なのだろうか。
今の修に理解が及んだのは、それでも身に触れるあおいとの接点が彼女につられて熱くなる自分がいて。そして、ずっとこのままならば良いのにと願うことばかりだった──
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担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月16日
参加申し込みの期限
2019年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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