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花が届けるひとつの天啓
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【この恋に、問う】
「あ、彰尋くん!!」
「──!」
寝子高へ向けての通学途中。
鴻上 彰尋
の遠く後ろから、こちらの名前を呼ぶ声がした。
間違えようもない程に、とても聞き馴染みのある声。
しかし彰尋にとって、そこに受ける感情は決して惰性的なものではなく、その声は耳にする度にこちらの心を癒やしてくれる、とても温かいものだった。
「あおいさん……!」
振り返って名前を呼べば、声の主である
七夜 あおい
は、その顔に微笑みを伴って小走りに彰尋の元へと足を寄せた。
「おはよう、彰尋くん」
「おはよう、あおいさん。元気そうだね」
「うん!」
あおいの屈託のない笑顔が見えた。
彰尋はその奥に、あおいがずっと悩んでいる事実があることを知っている。それが、すぐに解決出来る問題ではないことも。
自分ではその悩みを取り除くことは出来ない。
しかしそれならば、せめて今、彰尋はあおいが明るい笑顔を向けてくれている、この瞬間を守ることが出来れば、とそう思うのだ。
──気が付けば自然に、彰尋とあおいはお互いに微笑みを向け合っていた。
交わす言葉は少なくなるが、二人の間で過ごす些細とも言えるこの時間は、いつしか本当に、彰尋にとって何よりもかけがえのないものとなっていた。
「ん……?」
「どうしたの? あっ、彰尋くんの頭の上」
そのようなことを考えていた時、ふと彰尋は頭に軽い違和感を受けた。
彰尋はあおいに言われた通りに、そっと頭の上に手を伸ばすと、そこには一房の中に無数の小さな花弁をつけた花があった。
彰尋の全く見覚えのないそれは、綺麗と可愛いという存在を両立させたリナリアという花。あおいも名前は知らないらしく、何の花だろうと首を傾げている。
彰尋の手に乗ったリナリアの花言葉は『この恋に気づいて』──それは過去、彰尋があおいに遠回しながら告白をしたものの、彼女の様子が変わることはなく、おそらくは気づいていないのかもしれないという、切なくも繊細な恋心を、その細部にまで代替したかのような花だった。
「これは……?」
彰尋が花を見つめると、その心には花を見る直前まで目にしていたあおいの姿がふわりと沸き上がった。
機会はあれども、はっきり好きだと告白し切れていない。それでも、己の想いは彼女が好きだと、心にさざなみのように押し寄せている──
そのような想いを抱えたまま、彰尋はリナリアの花をじっと見つめた。すると、
【己がどこに向かいたいか。指針を立て、紙に書き出して心に置くと、好きな異性とより親しくなれる。
最後は彼女にとって自分はどうありたいのか。
これからは、自らで全てを考え、行動を起こしていく良い機会。
花を大切にすると、心揺らがずに行動しやすくなる】
「──え……?」
それは彰尋にとって、一瞬の白昼夢を見たかのような出来事だった。
長いのか短いのか分からない言葉が、ざあっと流れて内容だけ残して姿を消したかのように、不思議な感覚だけが残っている。
(これは、あおいさんについて……?)
思わず隣を見れば、そこにはきょとんとした様子のあおいが立っていて、その傍を通学中の生徒たちが流れるように歩いていく。
「……? どうしたの彰尋くん」
「あ、いや──何でもないよ。大丈夫」
どうやら花を見つめた辺りから足を止めてしまっていたらしい。彰尋は再び花房を手に乗せたまま歩みを進めることにした。
「でも、綺麗な花だね」
共に歩くあおいが、リナリアの花を目にしながら目を細める。
「あ、もし良ければ……」
彰尋があおいの方へ花を乗せた手のひらを差し出した。もちろん、先程の啓示は覚えている。しかし、それでも彰尋は、あおいの喜ぶ顔が見たいと思っていた。
しかし、あおいは彰尋の仕草に慌ててそれを辞退した。
「ううん、いいの。だってその花、彰尋くんの所に降ってきたから。だったら、彰尋くんの所にあった方がいいと思う」
『どこから降ってきたのか分からないけれども、そういうのって素敵だと思うから』──行き場をなくした手共々、戸惑っている彰尋へとおあいが笑ってそう告げた。
「そうかな……?」
彰尋は、ずっと手のひらの上にあったのに、まるで出戻りしてきてしまったかのような白い花に目をやった。
──彼女に喜んでもらえるなら、受け取ってもらえる方がこちらも嬉しかったかな──彰尋がそう思った瞬間。その気配に気づいたのか、それとも無意識なのか、あおいが小さな声と共に思いついた様子で提案してきた。
「そうだ! その花を栞にしたらどうかな?
きっとすごく綺麗だと思うの」
先程の断った言い繕いなどではなく、そう発したあおいの目が好奇心を添えた純粋な光で満ちている。
その発案に、彰尋は先程の天啓じみた言葉を思い出した。
確かに栞なら、あの言葉の内容から外れる事なく、ずっと大切に出来るではないか。
彰尋は、その一致に驚きつつも微笑んだ。
「うん、せっかくだからそうしようかな」
「完成したら見せてもらえるかな? どうなるのか楽しみだね!」
あおいがそう言うのであれば、当然、彰尋には『実行しない』という手段など存在しない。
彰尋は一つ頷くと、その白く瑞々しいリナリアの花を、家に持ち帰るまでの間、丁寧に自分のハンカチにそっと包み込んでバッグに収め込んだ。
家に帰って、彰尋はあの時浮かんだ言葉を緊張しながら思い返した。
『最後にはどうありたいのか』
それは、彰尋がずっとあおいに対して考えていながらも、具体的に紙に書き出すまでには到らなかった──否『それは本当に紙に書き出して、触れられる具体的な形にして良いのか』を、思い悩む程の内容であったから。
彰尋は悩んだ末、ひとまず先に持ち帰った花を栞にすることにした。
まずは今日の、彼女を想って浮かんだ言葉と思い出が、そのまま残って大切に思い出せるように──と、そのように願いながら……
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担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月16日
参加申し込みの期限
2019年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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