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あの野郎……! と飛び出しかけた詠寛美の腕を、しかとつかんで源一は言った。
「待て、詠」
「待てだと!?」
「お前、打撃はできるか?」
ハァ? と寛美は眉をしかめた。
「こんなときに何言ってやがる!?」
「こんなときだから言っている」
ふたりが身を潜めているのは、多種多様なボードゲームが陳列された棚だ。
丁寧にならべられた箱の数々は、それだけで芸術品と呼べるほどに豊かな色彩にあふれている。ドイツ、アメリカ、フランスに日本、各国の旗がラベリングされているあたりも目に楽しい。
しかしその楽しい空間から十メートルもいかないところでは、鼠の顔をもつ巨体の怪人が、前の生徒会長を殴り飛ばすという異常な事態が繰り広げられているのだった。
そんな状況下でも源一は落ち着いている。
「……打撃か? できる」
かるく舌打ちして、寛美は声を潜めて言った。
「空手には心得がある」
「いいだろう。だが正面からぶつかって、あれに拳を喰らわせる自信はあるか」
「わからねぇ……あいつ、かなり素早いみてえだ」
「なら機会を待つだけだ」
古流武術『庵流』、その極意は人を傷つけることにはない。
むしろ傷つけないことにあるといっていい。戦う相手を最小限の力で無力化することが目的とするものだからだ。
「約束する。機会は必ず来る。そのときに短時間で片を付ける」
好事魔多しという。ナターシャのマスクを奪って、得意げに踊るマウスこそまさにその状態にあった。
「ひゃ!」
マウスの視界が暗転した。
顔面に上着をかぶせられたのだった。上着は陽太のものだった。
その上着を両端から支えているのは、陽太が創った粘土細工、二羽の鳩だ。大急ぎで製作したものだから形はいびつだが、ちゃんと役割を果たしている。
「ナターシャさん、あの女の子を連れて出て下さい!」
言いざま陽太は、武道のもとに馳せ手を貸した。
「武道君大丈夫!?」
「うん大丈夫……と言いたいけどいささか痛い目にあってるね」
武道は力なく笑った。
「でも陽太くん、いいところに来てくれたよ。あと数分遅かったら、やばかったかも」
上着が絡んだらしく、マウスはまだじたばたやっている。
「あれは何らかの能力者……?」
「わからない。陽太くん、実は俺もさっき会ったばかりなんだ。普通の人が突然、怒りをパワーにして変身したみたいだけど」
「だとすれば今、ああやって顔を押さえて、感情の暴走に歯止めがつけられたらいいんだけど」
しかし陽太の希望的観測は、マウスが乱暴に上着を引き剥がすとともに終わった。
「許しませんよ! 私は怒りました。こんな小細工……!」
「どんな小細工?」
ばあんと強烈な音を立て、硬いものが根積の膝を撲った。
弁慶の泣き所と呼ばれる場所だ。その箇所に電光が走ったかのよう。さすがのマウスもこれはたまらない様子で、甲高いうめき声を上げ膝を押さえてうずくまる。
「今日ばかりは紅ちゃんがお店に来てなくてよかったよ」
こんなことに巻き込みたくないし、と真白は言った。
来店するなりこの騒ぎ、しかしすぐに対応して真白は、悪と思われるものを一撃したのだ。
打ち据えるのに使ったのは、ふだん真白が髪に巻いているリボンだった。『ろっこん』で硬化させ刃引きの剣のようにして使ったのである。最前まで陽太が視界を奪っていたのでここまで近づけた。金属バットの要領で大きく力強く振り抜いている。
なにが起こったのか理解できぬ様子で、座り込んでいる千絵に真白は問いかけた。
「千絵ちゃん大丈夫? ていうか、あいつ、なに?」
「……怪物、です」
こたえたのは千絵ではなく、背の高い西洋人の女性だった。
「特定の種類の人間が、自分のなかに同居するもうひとつの人格を表にしたものと言ったほうが正確でしょうか」
「えっと、あの、あなたは?」
「あの男の眷族……そのひとりです。私もまた怪物なのです」
ナターシャは寂しげな口調で告げて、千絵を守りながらカウンターの裏へと導いていった。
真白にはなにもわからない。だが、あの女の人は味方だと判断した。いやむしろ敵は、あの鼠フェイスだけだ。
「あ、私の荷物見ておいてー」
ナターシャに告げて真白は、リボンを両手で握るのである。
歯を食いしばってマウスは立ち上がる。
正面に武道と陽太、後方に真白、側方には千絵とナターシャがいるはずである。囲まれる格好となった。ギリギリと歯ぎしりして言った。
「あなたたち、これ以上邪魔だてするのなら、私も本気にならざるを得ませんね……!」
目を見開き両腕を振り上げたところで、マウスは背を仰け反らせることになった。
「その人の弱点は腰だ! さっき自分で言ってたよ!」
武道が声を上げた。それを聞くなり気合い一閃、横殴りの一撃を真白が見舞ったのだ。やはりフルスイング! 全力! フルスイング! マウスの腰にグワラガキン!
ものすごい咆哮とともに、マウスは天井にぶつかるのではないかというほど飛び上がった。
「こ、こ、腰はいけませんっ! 腰だけはああっ!」
「じゃあここならいいのかよ」
みしり、と鈍い音がした。マウスは黙った。
原因は二文字だ。
金的。
呼吸を乱さず膝で、死角から急迫した寛美が蹴り上げたのである。
「……あぁぁ!」
声にならぬ声を喉から絞り出しマウスは数歩よろめいた。
つづけざま、
「いぃぃぃぃ……っ!」
今度は前のめりになる。
もう一度、二文字だ。
水月。
源一の正拳だった。まっすぐに入った。
人体最大の急所といっていい場所。万全の状態のマウスであれば受けきったかもしれないが現在はわけが違う。
みりみりと深く、突き刺さるように拳はめり込んでいた。
マウスはどうと倒れた。びくびくと小刻みに震えている。
たちまちさっきと逆の反応が起こった。その巨体はみるみる縮んでいったのである。
まもなく怪物は小柄な中年男性へと復した。ヨダレを垂らし白目をむいてはいるものの、どうやら命に別状はなさそうだ。
「あれー? どないしたん? 急病人!?」
七海が『クラン=G』に入ってきたのはこのタイミングだった。
「詠」
深く静かに息を吐き出すと、源一は寛美に呼びかけた。
「おう」
やってやった、とばかりに不敵な笑みを浮かべて寛美は返事する。
「いつか近いうちに武術の稽古を……」
「いいぜ」
言い終えるまで待つのももどかしい、とばかりに寛美は即座に返したのである。
「いくらでも付き合う。もっとお前の技、見てみてぇからな」
(世界は枝分かれしない)
(世界は枝分かれしない)
(世界は枝分かれしな……
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月23日
参加申し込みの期限
2019年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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