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【生徒会選挙】歴代生徒会長からの挑戦状～リゾルブ・ワールド！
●準備・その１
「さて選管として真面目に運営をしようか」
旅鴉 月詠は魔女モードから選管モードにスイッチを切り替えると、もちまえのデザイン力を発揮してどの陣営にも属しない範囲でポスターやＰＯＰを作成した。
『生徒会選挙 リゾルブ・ワールド開催！』
『地球のために、キミは何ができるか！？』
そんなキャッチコピーとともに、可愛らしい猫の教皇さまが応援キャラクターとして描かれている。
同じ選挙管理委員の羽生 碧南はそれを見て月詠に訊ねた。
「さっきの占いで教皇が出たから、猫の教皇さまなの？」
「それもあるけれど……知っていたかい？ ＰＯＰて教皇の愛称だったりするんだよ」
「へええ！」
月詠の博識ぶりに碧南は舌を巻く。
「さあ羽生君。お茶の準備をしてしまおうか」
「了解。……って、月詠ちゃんが用意してるの何茶？」
「うむ。これはアイス抹茶ラテだ」
容器は紙コップ。ストローも紙製。プラスチックは敢えて避けた。
「寝子高は環境に配慮してますアピールだよ」
「そっか。そういう所も大事だよね」
「羽生君は温かいお茶の準備を頼む」
「はーい。ごく普通のティーパックの紅茶や日本茶でいいかな？」
「勿論だとも」
そこに選挙管理委員長の南波 太陽が様子を見に来た。
「チョリーッス！ やってる？」
「ああ。問題ない」
月詠が自信たっぷりに答える隣で碧南は少しだけ苦笑いする。
先日の体育祭で実行委員長だった野菜原 ユウをサポートしきった実績を買われて（？）、今回は太陽の補佐役に就いたのだが、太陽はユウとは別な意味で不安がある。チャラチャラ歩き回って様子を見回っている風だが、実際のところ本当にただうろついているだけ疑惑である。
自分たちは忙しく立ち回っているのに、太陽ときたら妙に暇そうだ。
この男にもしっかり働いてもらわなくっちゃ！
「先輩。投票用紙の準備と投票会場で投票箱の設置に行くので、手伝ってもらえないでしょうか」
碧南はそう言うと、引きずるようにして太陽を連れて行ってしまった。
「ふふ。羽生さん、やるわね」
青山 絢は引きずられていく太陽を見遣って、くすり微笑む。彼女は去年も選挙管理委員を務め、そのときの仕事ぶりと経験から、今年も委員を頼まれたのだった。
（去年はバザーの受付やその内容のチェックなんかが担当だったけれど、似たような仕事になるのかな……）
そう思っていたら案の定で、立候補者からの立候補受付とその説明と事務手続き、プロジェクトの案の受付、必要な道具類の貸し出しなど仕事はこまごま、多岐にわたる。
一緒に作業しているのは、野々 ののこと佐藤 英二。
段ボール箱に入っている電源ケーブルの束を取り出してチェックしているのだが、早速トラブル発生！
ののこの不器用さゆえか全部が絡まって解けなくなってしまっている。
「んーと、こっちをあっちに潜らせて……あれ、どうしてまたそっちで絡んじゃうのー！？」
混乱して自分ごとぐるぐる巻きになるののこ。
「野々さん落ち着いて。じっとしていてくれるかな」
英二は苦笑いして、ののこの身体に絡んだケーブルをひとつずつ外していく。
「解けた……」
「うわー、助かった！ 英二くんありがとう！」
気になる女の子にめいっぱいの笑顔でお礼を言われ、英二はほんわか嬉しくなる。
「どういたしまして」
英二はののこの明るい笑顔を見るのが好きだ。気さくな今の距離感も気に入っている。
そのことをなんとなく察した絢は、解いたケーブルたちを今度は絡まないように一つずつ束にしなおして、そのうちのいくつかを英二に渡して言った。
「佐藤さん、野々さんといっしょにテントの外の八神さんのところへ持っていってくれるかしら？」
「了解したよ。行こう野々さん」
「うんっ！」
そのころ、選管テントの外では、八神 修と森篠 琳子が、大型液晶画面とスピーカーの準備を行っていた。ここに各所で行われるプロジェクトの様子などを映し出すらしい。
「八神君。ケーブル持って来たよ」
「ああ、佐藤。ありがとう。悪いが、あっちの機材からこっちの電源までつないでくれるか？」
「了解。野々さん、ケーブル伸ばすの手伝ってくれる？」
「いいよー」
英二とののこがケーブルを繋いでいる間、修はカメラ付きのドローンとパソコンのセッティングを行う。
「手慣れてるのね」
感心したように琳子が言うと、修は手元から顔を上げずに答える。
「こういうの慣れてますから」
「そう……」
専門的なことは任せよう。
修の手元から視線を遠く空へ向け、琳子は感慨深く零す。
「これが最後の生徒会選挙……か」
「さて選管として真面目に運営をしようか」
旅鴉 月詠は魔女モードから選管モードにスイッチを切り替えると、もちまえのデザイン力を発揮してどの陣営にも属しない範囲でポスターやＰＯＰを作成した。
『生徒会選挙 リゾルブ・ワールド開催！』
『地球のために、キミは何ができるか！？』
そんなキャッチコピーとともに、可愛らしい猫の教皇さまが応援キャラクターとして描かれている。
同じ選挙管理委員の羽生 碧南はそれを見て月詠に訊ねた。
「さっきの占いで教皇が出たから、猫の教皇さまなの？」
「それもあるけれど……知っていたかい？ ＰＯＰて教皇の愛称だったりするんだよ」
「へええ！」
月詠の博識ぶりに碧南は舌を巻く。
「さあ羽生君。お茶の準備をしてしまおうか」
「了解。……って、月詠ちゃんが用意してるの何茶？」
「うむ。これはアイス抹茶ラテだ」
容器は紙コップ。ストローも紙製。プラスチックは敢えて避けた。
「寝子高は環境に配慮してますアピールだよ」
「そっか。そういう所も大事だよね」
「羽生君は温かいお茶の準備を頼む」
「はーい。ごく普通のティーパックの紅茶や日本茶でいいかな？」
「勿論だとも」
そこに選挙管理委員長の南波 太陽が様子を見に来た。
「チョリーッス！ やってる？」
「ああ。問題ない」
月詠が自信たっぷりに答える隣で碧南は少しだけ苦笑いする。
先日の体育祭で実行委員長だった野菜原 ユウをサポートしきった実績を買われて（？）、今回は太陽の補佐役に就いたのだが、太陽はユウとは別な意味で不安がある。チャラチャラ歩き回って様子を見回っている風だが、実際のところ本当にただうろついているだけ疑惑である。
自分たちは忙しく立ち回っているのに、太陽ときたら妙に暇そうだ。
この男にもしっかり働いてもらわなくっちゃ！
「先輩。投票用紙の準備と投票会場で投票箱の設置に行くので、手伝ってもらえないでしょうか」
碧南はそう言うと、引きずるようにして太陽を連れて行ってしまった。
「ふふ。羽生さん、やるわね」
青山 絢は引きずられていく太陽を見遣って、くすり微笑む。彼女は去年も選挙管理委員を務め、そのときの仕事ぶりと経験から、今年も委員を頼まれたのだった。
（去年はバザーの受付やその内容のチェックなんかが担当だったけれど、似たような仕事になるのかな……）
そう思っていたら案の定で、立候補者からの立候補受付とその説明と事務手続き、プロジェクトの案の受付、必要な道具類の貸し出しなど仕事はこまごま、多岐にわたる。
一緒に作業しているのは、野々 ののこと佐藤 英二。
段ボール箱に入っている電源ケーブルの束を取り出してチェックしているのだが、早速トラブル発生！
ののこの不器用さゆえか全部が絡まって解けなくなってしまっている。
「んーと、こっちをあっちに潜らせて……あれ、どうしてまたそっちで絡んじゃうのー！？」
混乱して自分ごとぐるぐる巻きになるののこ。
「野々さん落ち着いて。じっとしていてくれるかな」
英二は苦笑いして、ののこの身体に絡んだケーブルをひとつずつ外していく。
「解けた……」
「うわー、助かった！ 英二くんありがとう！」
気になる女の子にめいっぱいの笑顔でお礼を言われ、英二はほんわか嬉しくなる。
「どういたしまして」
英二はののこの明るい笑顔を見るのが好きだ。気さくな今の距離感も気に入っている。
そのことをなんとなく察した絢は、解いたケーブルたちを今度は絡まないように一つずつ束にしなおして、そのうちのいくつかを英二に渡して言った。
「佐藤さん、野々さんといっしょにテントの外の八神さんのところへ持っていってくれるかしら？」
「了解したよ。行こう野々さん」
「うんっ！」
そのころ、選管テントの外では、八神 修と森篠 琳子が、大型液晶画面とスピーカーの準備を行っていた。ここに各所で行われるプロジェクトの様子などを映し出すらしい。
「八神君。ケーブル持って来たよ」
「ああ、佐藤。ありがとう。悪いが、あっちの機材からこっちの電源までつないでくれるか？」
「了解。野々さん、ケーブル伸ばすの手伝ってくれる？」
「いいよー」
英二とののこがケーブルを繋いでいる間、修はカメラ付きのドローンとパソコンのセッティングを行う。
「手慣れてるのね」
感心したように琳子が言うと、修は手元から顔を上げずに答える。
「こういうの慣れてますから」
「そう……」
専門的なことは任せよう。
修の手元から視線を遠く空へ向け、琳子は感慨深く零す。
「これが最後の生徒会選挙……か」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年10月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年10月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年10月19日 11時00分
