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●10月17日
その日、
北里 雅樹
は18歳の誕生日を迎えた。
(と言っても、これと言って何か特別な感慨があるわけもないんだよなぁ……)
北里 雅樹
を始めとする猫鳴館の住人にとって、誕生日とは、すなわちそれにかこつけてお菓子を奢らせる日である。
(俺もそうしてきたし、だから、昨日のうちに訳ありの安い駄菓子を寮の皆に配ってはおいたけれど……)
雅樹にとって、今日という日は、それ以上の日でもそれ以下の日でない––はずだった。
放課後、図書室で勉強を済ませ、下駄箱で『彼女』とばったり出くわす、そのときまでは。
* * *
同日。放課後。
椎井 莉鳥
は、いつものように、陸上部の部活動に励んでいた。
セパレートのウェアにスカイブルーのTシャツを着こみ、ウォーミングアップを手短に済ませると走高跳の練習に励む。
だが、その日の莉鳥は、目の前のバーよりもまったく別の事に思考をとらわれていた。
(……今日は雅樹の誕生日。来年の今頃、彼はもうここにはいない……)
雅樹こと北里雅樹は、莉鳥の幼馴染であり、かつては彼氏彼女の関係でもあった。
莉鳥と雅樹は同い年の幼馴染であり、本来ならば今年一緒に卒業式を迎えるはずの年齢にある。
だが、莉鳥はとある事情から一年留年しており、彼女が卒業式を迎えるのは雅樹よりも一年遅れて、ということになる。
だから、だろうか?
すでに終わったはずの関係にある、雅樹のことが、なぜか妙にその日の莉鳥の頭から離れてくれなかった。
(去年、自分でもよくわからない理由で期末試験を放棄していなかったら––今頃はどうなってただろう……?)
モヤモヤとした思考にとらわれていたそのとき、ガタンッと大きな音が鳴って莉鳥の意識は不意に現実に引き戻される。
「あ……」
走高跳のバーに足を引っかけたのだと気づいたときには、すでにマットに体が落ちている。
(……私、何をやってるんだろ)
らしくない、と自分で思いながら頭を振って余計な思考を追い払おうとする。
(そんな仮定の話を今更したって意味がないじゃない)
けれど、考えないようにしようとすればするほど、かえって雅樹との思い出が次々と頭の中に甦ってくる。
特に頭の中にこびりついて離れないのが、先日のナイトプールでの記憶だ。
あれは、月の綺麗な夜だった。
商店街の福引でナイトプールのチケットがあたり、気まぐれで訪れてみたところで元カレである雅樹と再会した。
気を利かせたらしいプールのウェイターに勧められて、二人でフロートベッドの上に横たわった。
そして、その夜、莉鳥は雅樹に自分からキスをせがんだ。
すでに終わってしまったはずの元カレに、なぜあんなことを言い出したのか、自分でもよくわからない。
(……なんで、練習中にこんなことばかり思い出すのよ!)
苛立ちまじりにシューズのつま先で地面を蹴りつけると、後輩がギョッとした様子で遠巻きに莉鳥の方を見ていた。
言い訳や弁解をする気力さえも起きず、黙って莉鳥はもう一度バーに向かって走った。
だが、その日の練習を終えてシャワーを浴びても、頭からモヤモヤは離れずその日はほとんど練習にならなかった。
* * *
図書室での勉強を終えて、雅樹は靴を履き替え、外に出ようとしていた。
「あ……」
「……っ」
そこで、雅樹は、偶然にも元カノの莉鳥とばったり出くわした。
莉鳥は、雅樹の顔を見るなり、一瞬大きく目を見開き、それからすぐに目を伏せた。
その表情の変化の意味するところは、わからない。
一つ確かなのは、その瞬間、二人の間に微妙に気まずい空気が流れ始めたということだ。
(もう俺達は終わったはず……だよな?)
雅樹は、心の中で、誰にというわけでもなくそう問いかける。
そうだ。二人はすでに元カレと元カノに過ぎない。
幼馴染の腐れ縁が続いているだけで、それも来年に寝子高を卒業して本土の大学に行くことになれば完全に消滅する。そのはずなのだが。
(このまえのナイトプールの一件以来、なんだか妙な感じになってるんだよな……)
先日のナイトプールで触れた莉鳥の唇の感触を思い出して、雅樹は余計に気まずくなった。
「…………」
「…………」
かけるべき言葉も見つからず、さりとて無視をして通り過ぎることもできず、二人はどちらからともなく肩を並べて歩きだした。
くっつくわけでもなく、さりとて離れるわけでもなく、絶妙で微妙な距離感と無言を保ったまま二人はしばし歩き続けた。
無言で肩を並べて歩く間、雅樹は気まずさからいたずらな時間を持てあまして、色々なことを考えていた。
ナイトプールで再会したあの晩、すでに彼女ではない、ただの元カノに過ぎない存在であったはずの莉鳥の方からキスを求めてきた。
その理由が、雅樹にはいまだわからない。
月が綺麗なせい、と莉鳥は言っていた。
その言葉の真意も、雅樹はいまだわからずにいる。
どれほどの間、そんなとりとめのないことを考えていただろう。
いつのまにか、いつも二人が別れる場所にやってきたところで、雅樹は意を決した。
(さすがにこのまま無言で別れるのもアレだよな……)
意を決し、雅樹は何か声をかけようと口を開こうとした。
が、そのとき––。
「雅樹……誕生日、おめでとう」
雅樹が口を開くよりも早く、莉鳥の方からそんな思ってもみなかった言葉をかけられた。
「あ……ああ、どうも」
虚を突かれ、そんな間の抜けた言葉しか返すことができなかった。
莉鳥は、それだけを言うと、そのまま行ってしまった。
「……」
雅樹は、そんな莉鳥の背中を、曲がり角の向こうに消えるまで茫然と見送っていた。
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担当ゲームマスター
水月 鏡花
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月07日
参加申し込みの期限
2019年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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