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10月の☆ハッピーバースデー
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●10月某日
その日、
神野 美野梨
は、恒例行事となりつつある大事な友人の
新井 すばる
の誕生日プレゼントの開発について頭を悩ませていた。
「さて、今年は何をプレゼントしようかしら?」
メガネの奥の瞳を閉じて、美野梨は真剣に頭を悩ませる。
ちなみに、去年は風力発電帽なるものをプレゼントした。さすがに独りよがりだったかもしれないと今は反省している。だが、後悔はしてない。
(今年は無難に手料理なんてどうかしら……?)
顎に手を当てて、ではどんな材料を使って、何を作るのかを考えてる。
食べてもらう人のこと––つまりすばるのことを思い浮かべ、次に真っ先に浮かんだのがちくわだったので、美野梨は思わず苦笑する。
「……さすがに、ちくわを材料に使うのはやめた方が良さそうね。食べ飽きているだろうし、お土産に持ってきてくれるかもしれないし」
では、ちくわを除外するとして、いったい何を作ればいいだろうと考えたところで、美野梨の悪いクセが出る。
「最近災害が多いから、ガスがなくても食べられる保存食を作ってみたいわね……。タンパク質はちくわで取れるから、野菜を原料にしましょうか。フリーズドライがいいわね」
相手が何を食べたいかはもとより、自分が何を作りたいか、という欲求が先に出てしまうのだ。
が、「タンパク質は足りているから野菜で」など栄養のことを考えてもいるから、きちんと相手のことを考えてもいる。
そのあたりの『わかりにくい気遣い』に気づけるかどうかで、神野美野梨という人間に対する評価は大きく変わってくる。
さておき、こうして美野梨の研究はひそかにスタートする。
それが果たしてどのような結末を招くかは、このときはまだ誰も知る由はない。
●10月30日
その日、新井すばるは17歳の誕生日を迎えた。
「さて、そろそろ出かける準備をしないとな」
すばるは時計を見て、今日、誕生日プレゼントとして手料理を振る舞ってくれるという神野美野梨の顔を思い浮かべた。
(……最近、色々と忙しくて部室に顔も出せていなかったけど。こうして手料理で誕生日を祝ってもらえるんだから、ボクってばなかなかの幸せものだよね)
すばるは、いったいどんな料理だろうと想像を働かせながら、久しぶりに会うことになる美野梨の部屋の扉をノックした。
すると、ほとんど待たされることなく、美野梨は部屋の中から顔を出した。
「やあ、神野さん今日はお招きありがとう」
「こちらこそ来てくれてありがとう。なんだか久しぶりね」
眼鏡の奥の理知的な瞳を細めて言う美野梨に、すばるも自然と顔をほころばせる。
「そうだね。最近、部活に顔を出せていなかったし、こうやってゆっくり会えるのも久しぶりだ。誘ってくれて嬉しかったよ。あ、これ、うちのちくわ。みんなで分けてもらえると嬉しい」
「あら、いつもありがとう。あとでいただくわね。さあ、あがってちょうだい」
美野梨にたっぷりとちくわが入った袋を手渡すと、すばるは彼女に促されるままに部屋に入った。
(……うーん? 何もそれっぽい匂いがしないけれど……。料理はこれから作るのかな?)
部屋の様子をぶしつけにならない程度に見渡しながら、すばるは小さく首を傾げる。
「ああ、ごめんなさい。散らかっていて。これでも、できるだけ片付けたんだけど」
すばるの視線に気づいた美野梨が少し恥ずかしそうに言う。
「ああ、いや。そういうわけじゃないんだけど。それよりも、今日は何かご馳走してくれるんだっけ?」
「そうそう。さっそくだけど、すばるくんにぜひ食べてほしいものがあるの」
そう言って、美野梨がいそいそと持ってきたものは––。
「……えっと、これはなにかな?」
一目では何か判断がつかず、すばるは素直にそう訊ねた。
有体に言って、みそ汁などのフリーズドライにしか見えないそれの正体は––。
「保存食よ。もちろんお店で買ってきたものじゃなくて、私の手作りよ」
正真正銘、まごうかたなきフリーズドライの保存食だった。
「うん。誕生日のお祝いというイメージからは、かなりかけはなれている気がするけれど、キミらしいといえばキミらしい」
予想の斜め右上を行くかたちではあったが、手料理には違いない。それも、かなり手間のかかった手料理だ。普通、わざわざフリーズドライの食品を自分で作ろうとは思わない。
「最近、災害も多いし、ガスがなくても作れる料理を目指してみたの。もちろん、栄養のバランスも考えて、材料には野菜をたっぷり使っているの」
「なるほど。それがキミの研究成果だというなら、もちろんボクは喜んでご馳走になるよ。ところで、お味の方の自信は?」
「それは……食べてみればわかるわw」
どうやら味見はまだのようだった。
そして、美野梨はさっそく二人分のフリーズドライを食器に盛りつけて、お湯を注いでくれた。
さすが美野梨というべきか、ちゃんと中の野菜が溶け出して、普通にお店で売っているようなフリーズドライ食品のような香りもしてくる。
「では、頂きます」
すばるはそう言って、ひとくち口に含んだ。
「……どうかしら? ちゃんと食べられる?」
美野梨が、じっとすばるの目を見ながら、そう問いかけてくる。
「大丈夫。美味しいよ」
そう言って、すばるは少しホッとしたように笑った。
マズければ、どう言おうか悩んでいたのだが、本当に美味しかった。
「……良かった。味は好みがあるから、迷ったのよ」
美野梨もまた心の底から安堵したように息を吐いて、笑った。
その表情から、本当にすばるのことを思ってその保存食を作ってくれたのだとわかり、すばるはとても嬉しくなる。
「これなら、キャンプとかに持っていくのもいいんじゃないかな」
「そう? だったら、今度はもっと色んな材料を使って挑戦してみようかしら。ユーグレナとか」
「……ああ、懐かしい名前が出てきたね」
そう言えば、彼女はかつてミドリムシパンなる食べ物を作ったこともあったなぁ––と、すばるは目を細めて思い出す。
「まあ、それはそれとして。はい、食後のケーキとジュースもどうぞ」
「わあ、ケーキまで用意してくれたんだね。嬉しいな」
まさかケーキまで用意してくれているとは思わず、すばるは顔をほころばせる。
「こっちはお店で買ってきたものだけどね。それじゃあ改めて––すばるくん、ハッピーバースデー!」
ジュースで乾杯し、二人で食後のケーキを楽しんだ。
近況などを語り合っているうちに、どんどんと時間は流れ––。
「ああ、虫の音が聞こえる。もう夜だね」
「あら、本当ね」
気がつけば、夜になっていた。
いつもなら、すばるもこのあたりでお暇をするところだ。
だが、今日はすばるの誕生で、そしてハロウィンの前日でもあった。
「……ところで、神野さん。今夜、何か予定はある?」
「……? いいえ、特に何もないけれど……どうして?」
「うん。じつは、明日はハロウィンだからか、商店街の方もイルミネーションが綺麗な所があるんだよ」
そう言って、すばるは夜のとばりが落ちた窓の外の暗がりに視線を向ける。
秋の夜は深く、空は濃紺に染まっている。
この空の下で、二人でイルミネーションを眺めるのはきっと素敵だろう––とすばるは思った。
だから––
「よかったら、これから一緒にどうかな?」
そう言って、すばるは美野梨にそっと手を差し出した。
美野梨は少し驚いたように目を見開いて、それからふっと微笑み、静かにひとつ頷くと差し出されたすばるの大きな手を握り返してきた。
そして、二人は、イルミネーションで彩られた夜の商店街へと歩き出した。
これが––後に知る人ぞ知るハロウィンイヴの怪事件の序章になったりならなかったりするのだが––
それはまた、別のお話である。
【了】
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あとがき
担当マスター:
水月 鏡花
ファンレターはマスターページから!
というわけで、ご参加いただいた皆さん、お疲れさまでした。
お久しぶりの水月鏡花です。
今回は久しぶりのリアクションということで、とても懐かしい気持ちで執筆させていただきました。
少し浦島太郎のような気分で、いつもより不思議な感覚での執筆となりましたが、そのときの気持ちがリアクションに少しでも良い影響を与えていたらいいなと思っています。
どうか少しでも皆さんに楽しんで頂けますように。
それでは、最後になりましたが、ご参加いただいた皆さんと、「らっかみ!」に関わる全ての方に感謝を。
では、また次のあとがきでお会いできることを楽しみにしております。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
水月 鏡花
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月07日
参加申し込みの期限
2019年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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