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10月の☆ハッピーバースデー
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●10月10日
その日、
跡野 茉莉
は17歳の誕生日を迎えた。
(……今日はいったいどこに行くのかなぁ?)
親友の
回田 はつな
との待ち合わせ場所に向かいながら、茉莉は無表情のまま小さく首を傾げて考えていた。
今日は、はつなと二人で、ささやかな誕生日パーティーをすることになっていた。
だが、はつなからは、店の詳細は何も聞かされていなかった。
待ち合わせ場所にて、はつなと合流し、そこで「どんなお店に行くの?」と訊ねてみても彼女は「素敵なカフェだよ~」としか教えてくれなかった。
そして、ようやくたどり着いた店を見て、茉莉は驚いた。
「ここがそのカフェで~……どしたの?」
はつなが、茉莉のごく小さな表情の変化に気づき、そう問いかけてくる。
「私も前に散歩中にこのお店を見かけて、素敵だなぁと思っていたけれど、入ったことがなくて」
言いながら、茉莉は店に入り、しげしげと店内を観察する。
表情からはわかりにくいが、行きたかった店に親友が誘ってくれたという小さな奇跡に、茉莉はどこかくすぐったいような何とも言えない喜びを感じていた。
* * *
はつなは、店内の様子をしげしげと観察する茉莉の様子を見て、自分のお店のチョイスは間違っていなかったらしいことに安堵していた。
(喜んでくれてるみたいで良かったよ~)
それから、二人で案内された席につくと、取り急ぎケーキと紅茶を注文した。
「ここのケーキ、すっごく可愛いんだよ~」
はつなが楽しそうに話しているのを、茉莉は静かに聞いていた。
あまりに無表情で、何も聞いていないようにも見えるが、じつはちゃんと真剣に耳を傾けてくれている。
親友のはつなにはそれがわかるし、だからこそ親しい友人になれたのだと思う。
そうしている間に、ケーキがやってきた。
「あ、写真撮ろ~。はい、茉莉ちゃんも一緒に撮るよ~、ハッピーバースデー!」
はつなは、にこにこと楽しそう笑いながら、茉莉と想い出の写真を撮影した。
写真の茉莉の表情は、相変わらず無表情に見えたが、決して楽しんでいないわけではないのだと思えた。
写真を撮った後は、二人で取りとめのない話をしながらケーキを食べた。
相変わらず茉莉は無表情だったが、彼女なりに喜んでくれているようで、はつなはそれが嬉しかった。
そうして、ひとしきり他愛もない話に花を咲かせたところで、はつなはハタと気づいた。
今はもう10月。
二人の高校生活はすでに折り返し地点を過ぎている。
つまり、あと一年と半年足らずで、自分達は寝子島高校を卒業する。
そろそろ自らの将来を自分で決めなければならない時期に来ているのだ。
(将来……とりあえず大学行こって思ってたけど、後は特に考えてないや)
(……そういえば、茉莉ちゃんは将来のこととか、どう考えてるのかな?)
ふと気になって、はつなは思い出したように問いかけてみる。
「茉莉ちゃん、進路って決まってる~?」
「……進路?」
親友からのやや唐突な質問に、茉莉はふとケーキを口に運ぶ手を止めて聞き返す。
「うん。私、大学行くってこと以外、まだ何も決めてなくて……」
はつなの言葉に、茉莉はしばし考え込むような仕草を見せる。
やがて、
「えっと……なりたいものはまだ分からないけど、大学でみつけられたらいい……かな」
と、彼女の口からは、今のはつなとほとんど変わらない答えが返ってきた。
そのことに、はつなは少しホッとする。
自分のやりたいこと、なりたいものが見つけられないのは自分だけではないのだ、と親友から教わった気がした。
「そか……あ、ごめんね、折角のお誕生日に! はい、仕切り直そ~」
はつなは努めて明るくそう言って、話題を180度転換した。
それから、二人はしばらくの間、本当にとりとめのない話題を語り合った。
それは、本当にとりとめのない、けれど今という時間にしか出来ない、かけがえのない時間であった。
* * *
カフェからの帰り道、はつなはふと立ち止まってカバンの中身を確かめた。
「……? はつなちゃん?」
ふいに立ち止まったはつなに、茉莉が足を止めて振り返る。
そんな茉莉を見て、はつなは「にひっ」と笑い––
「はい、茉莉ちゃん、お誕生日おめでとう~!」
と、可愛らしくラッピングされた小さな箱を差し出した。
(……プレゼント。用意してくれてたんだ)
茉莉は差し出された小箱と親友の顔をしばらく見比べてから––
「……ありがとう」
と、小さな声で言った。
表情は相変わらず変わらない。
けれど、茉莉はそのサプライズプレゼントをとても嬉しく思っていた。
「開けてもいい?」
「もちろんだよ~」
はつなの許可を得てから、茉莉は丁寧にラッピングされた小箱のリボンを解いていく。
箱の中から出てきたのは––淡いピンク色をしたスティック型のリップクリームだった。
「……かわいいリップクリーム」
ほぅ、と息を吐くように茉莉は言った。
デザインは、いかにもはつならしい、可愛らしいもの。
だけど、それでいて、きちんと茉莉の好みにも合っている。
本当に一生懸命に選んでくれたのだということが伝わってきて、茉莉は思わずそのクリームをギュッと握りしめる。
「それ、天然素材のリップクリームなんだ~。単に乾燥した時だっていいし~、それに……」
と、そこで、はつなが言葉を区切る。
茉莉が、顔を上げて、はつなの顔を見る。
「それに……勇気が欲しい時とか。これつけてたら無敵だよ。私がついてる、みたいに思って」
はつなのその言葉に、茉莉はわずかに目を見開いた。
茉莉のリアクションが、ただそれだけだったがために、はつなは一瞬不安そうな顔になった。
「……あ、あれ~? もしかして、あんまり好みじゃなかった……かな?」
「……ううん。違うよ。ただ……」
と、茉莉はそこで言葉を区切る。
自分は感情表現が得意な方ではない。
だけど、いや、だからこそ––茉莉は今の自分の気持ちをきちんと言葉にしないといけない。
伝えないといけない、と思った。
「……ただ?」
と、はつなが少し不安げに続きを促してくる。
それに、茉莉は彼女の目を見て、はっきりとした口調で続ける。
「……ただ、私にはこんなにも心強い親友がいるんだなって思って……」
そう言うと、今度は、はつなが目を大きく見開かせた。
驚いたのだろう、と茉莉は思う。
自分でも、とても驚いている。
決して饒舌ではない、感情表現が得意ではない自分の口から––こんな言葉が飛び出してくるなんて。
(このプレゼントのおかげ、かな)
はつなから貰ったリップクリームを小さく握りしめる。
すると、不思議とそこから勇気が自分の内側に流れ込み、全身に漲ってくるような気がするのだ。
「……本当にありがとう。将来のことなんて、まだまだわからないことだらけだけど……。それでも、私達はこれからも歩いてゆける、よね」
茉莉がそう言った、刹那だった。
「うひ~……!」
はつなの感極まったような喜びの声とともに、パァッと手品のようにあたり一面に美しい草花の花弁が舞い散った。
「……きれいだねぇ」
その幻想的な光景に茉莉は目を細めて風に舞う花びらを目で追う。
夕日に照らし出され舞い散る花びらは、少しずつ大人になっていく二人の少女へのエールにも見えた。
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担当ゲームマスター
水月 鏡花
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年10月07日
参加申し込みの期限
2019年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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