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【演劇祭】少年座 『カマル王子とブドゥール姫』
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漸く結ばれたカマル王子とブドゥール姫の二人は、ハーレダーンへと向かう為の旅をしていた。
しかし、その途中のある朝。カマル王子が突然行方不明となってしまっていた。
「嗚呼……。あの人はどこへ行ってしまわれたのかしら」
アカリ扮するブドゥール姫が嘆きの言葉を観客席へと投げかける。
その嘆きようの演技と言えば、本当に伴侶がいなくなってしまったかのようだ。
「っ。紅瑪瑙の御守がない。一体なぜ……?」
昨日の夜までは確かにあったお守り。それがカマル王子の失踪と同時にブドゥール姫の元からなくなったとなれば因果関係があるのは間違いない。
だが、一体この二つの事柄にどんな関係があるのかは幾ら考えても解らない。
そのような考えを振り払うようにブドゥール姫は頭を振るう。その様子は今はもっと大事な事があるのだと言うかのようである。
「あの人がいないと知れたならきっと良くない事になってしまう……」
そうなのだ。カマル王子がこの旅でいなくなってしまったと知られてしまうと大きな問題に発展しかねない。それだけは避けなければならなかった。
それまで嘆いていたというのに、次の瞬間、観客席に見えるように顔を上げたアカリ――ブドゥール姫のその顔には確かな決意が浮かんでいた。
「王子が残した荷物からターバンを持ってきなさい。そうして私の髪を男に見えるようにせよ」
静かに、しかし強い威厳のある言葉を最も信頼する側仕えの娘に告げるブドゥール姫。
カマル王子とブドゥール姫はそっくりと言える程に似ている。彼女はそれを利用して自分がカマル王子になり、この側仕えの娘に自らに成りすませるという事を考えついたのだ。
それを受け、ブドゥール姫の顔を見た側仕えの娘は何も言わずただ、頭を下げるのだった。
側仕えの娘が頭を下げるのを見て、ここからが本番だとアカリは考えていた。
何せここからは男性を演じる女性を演じなければならない。台詞だけではなく偶にでる些細な仕草で時々女性であることを見てる人に思い出させるという演技をしなければならないのだ。
場面転換の為に一旦照明が暗くなったところで、衣装を変える為にアカリは静かにしかし、素早く行動を開始する。
一方、奪われた紅瑪瑙の御守を取り返す為に白き巨鳥を追いかけたカマル王子へと場面は転換する。
彼は巨鳥を追いかけた先で、キリスト教徒に征服された港町へと辿り着いていた。
その町ではイスラム教徒はカマル王子以外にはただ一人の庭師しかいない。そんな町でイスラム教徒だとバレてしまえば必ず殺されてしまうだろう。
しかし、無我夢中で巨鳥を追いかけてきたカマル王子は帰り道が解らず、仕方なく港にイスラムの船が来るまで庭師の手伝いをしながら待つ事にした。
「船に乗せて貰う対価ならばこれでどうだ?」
「ふむ、金が十個か。……良いだろう、乗せてやる」
彰尋が演じるカマル王子が差し出した十個の金を見て、無精髭を生やした男はニヤリと笑いそう言う。
この無精髭の男は港町へとやってきた黒檀の島とハーレダーンへと向かうイスラム船の船長であり、彼の船に乗る為にカマル王子は手伝いをしていた庭師の仕事中に見つけた金を差し出したのだ。
「何か載せる物はあるか?」
船長が金を確認しながらカマル王子に尋ねる。
どうやら船にはまだ積み荷の余裕があるようで、もし何かあるのならばついでに積むという事なのだろう。
「ならば、これを載せてくれ」
そう言ってカマル王子が差し出したのはありったけのオリーブが詰め込んである幾つもの壺だ。
「これは……オリーブか?」
「そうだ」
頷いて答えるカマル王子に訝し気な視線を向けるも、了承をしてから部下である船員達へと壺を積み込ます指示を出す船長。
実はこの幾つものの壺の一つにはオリーブの下の底に紅瑪瑙の御守が隠してあり、更にカマラルザマーンと彫ってある物があるのだ。
自身が乗り込むというのに、何故こんな物を用意したのかと言えば万が一に備えてと言う事になる。
だが、壺に詰める物をオリーブにしたのには別の意味もある。自分と御守りが同時に消えた時、きっとブドゥール姫は嘆いた事だろう。だから、その慰めにと彼女が大好きなオリーブを用意したのだ――と、彰尋は解釈していた。
元となった物語にはそういう描写は存在しない。だけど、きっとオリーブを選んだ理由はある筈だと考えたのだ。
船員が壺を運んでいく。それを様々な感情が混ざった視線で見送るカマル王子。
それにはこのシーンに対する彰尋の想いもまた入っているのかもしれない。
しかし、運命は再びカマル王子とブドゥール姫を弄ぶ。
船が出港する直前。いよいよ船に乗り込もうというタイミングで、世話になった庭師が急死してしまったのだ。
船長には事前に出港の時間までに来なければ置いて行くと言われていたが、それでもカマル王子は庭師をそのままにしておく事は出来なかった。
結果として、時間に間に合わないと解っていながらカマル王子は庭師を弔う事を選択する。
「帰れずにすまない……けれど、きっと君なら見つけてくれるだろうあのオリーブ達と、御守を」
遠くに去りゆく船を見送り、カマル王子はそう呟く。その言葉の中にはブドゥール姫への想いが溢れているのが観客にもはっきりと解る程に感情が籠められたものであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
昂祈
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
5人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月21日
参加申し込みの期限
2019年09月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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