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【演劇祭】ＮＫ３-寝子高３年連合- 海賊奇譚
★海賊奇譚（避けられぬ邂逅～氷神の刀～水と炎１）
『まほろば海賊団』と『東雲海賊団』。
それぞれが駆る船は、雷鳴轟く孤島を目の前にして、何の因果か巡り合いを果たしました。
２艘の船が上陸したのは、ほぼ同時。
顔を合わせるや、最初に口を開いたのは、『東雲海賊団』の真艫です。
「やぁやぁ、そこにいらっしゃるのは『まほろば海賊団』の皆様ではありませんか」
飄々と、おどけた口調と態度。
けれど真艫の目は、揺るがぬ色を湛えて、『まほろば海賊団』の楔と蛍を捉えます。
互いの目的は、同じ。
けれど、雷神の刀は、この世にたった一振りしか存在しないのです。
楔が、色気を漂わせる目元に鋭さを乗せて、呆れたような息を吐きました。
「また貴方達ですか、懲りませんね」
「おや、それは俺の台詞ですよ。しかし……相変わらず美しいですね。その、氷の刀」
収集家の眼差しになって、真艫は楔の氷神の刀、その白い鞘を見つめます。
楔が、不愉快そうに眉根を寄せました。
「……私の刀はあげませんよ」
「それは残念。なら、今回の雷の刀は――、」
俺たちに譲っていただけませんかね？ と、真艫が紡ぐことは叶いませんでした。
「雷神の刀も、奪わせません」
と、楔が、ぴしゃりと言い切ったのです。
今度は真艫の方が、少し呆れた調子で、小さく首を傾けます。
「わかってはいましたが、頑なですね」
「愛しい刀を保護するのは、刀を愛する者の義務ですから」
◇
志波 武道が刀を抜き放とうとするのを見留め、呉井 陽太は、次の曲に備え、照明のスイッチに指をかける。
陽太の選んだ、抜刀する音が、舞台上に響いた。
武道の演技と音響の融和に、束の間、見惚れる陽太。
そうして陽太は、曲が始まる前にと、ワイヤーアクションの指示を担当する宇佐見 望月へと声を投げた。
「望月君も、そろそろ出番だねぃ」
「任せろ、陽太ちゃん！ ……って、ダンスは、正直不安だけど」
陽太の言葉に苦笑交じりに応じて、望月は、
「あ、俺様が指示出してから二拍でワイヤー引いてね」
なんて、他の裏方仲間に指示を飛ばす。
その声を耳に、陽太は、こく、と唾を飲んだ。
（ミュージカルとワイヤーアクションを合わせるシーンももうすぐだ。頑張ろう）
舞台上で、武道が曲の始まりの合図となる台詞を口にする。
陽太が、武道にしっかりとスポットライトを当てるや、穏やかな曲が流れ始めた。
◇
刀を抜き、ゆったりとした動きで、楔が舞います。
剣舞を思わせるその動きに、『東雲海賊団』の団員達すら見惚れました。
楔の唇を、流麗な歌声が揺らします。
刀身に宿す 煌めきは蒼く
打ち震える心 その美しさに
氷神の力 私を魅了し
氷神の力 神々しく瞬き 敵を斬る
さあ 凍て付く愛 その身に感じなさい
歌い終えるや、楔は、愛しい刀を緩やかに振るいました。
◇
（氷の演出、頼んだぜ……！）
武道が、そう胸の内に呟きながら刀を振るうのと同時、
――パキィィィン！
澄んだ、氷が割れるのを思わせる音が響き、氷のエフェクトが投影される。
それに合わせて、『東雲海賊団』の団員を務める役者達が、よろよろと倒れた。
◇
楔の一撃が、『東雲海賊団』の団員達を、いっぺんに何人も倒しました。
「どうしても、あちらさんとはぶつかるんだな」
猛者を前に、水簾の声が抑えようもなく弾みます。
一つ息を吐いて、真艫は、
「ほらほら、水簾。海賊団一のバーサーカーであるおまえの実力を見せてやれ」
と、水簾に刀を抜くことを許しました。
そうこなくっちゃな！ と刀を抜き放った水簾の目が、獰猛に光ります。
「皆、勝って奪えばいいだけの話だ。そうすれば、三振り揃って万々歳だしな」
その時、水簾の懐に、抜刀した蛍がとび込んできました。
刀と刀の、激しくぶつかり合う音が、恐ろしく辺りに響きます。
「あ？ 何だ、炎神の？」
「うちの船医を傷つけられると、困るのよ。……まあ、そう簡単にやられる人じゃないけど」
「ああん？ よくわからねぇが……先ずは、あんたのその炎神の刀、俺が貰ってやるぜ！」
水神が荒くれなら他の神はどうなのか知りたいと、水簾はにやりとしました。
「ま、どんな刀でも、使いこなしてやる自信はあるけどな」
「さあ、どうかしらね」
「ちっ。いけすかねぇな」
蛍のクールな態度に舌を打って、水簾は叫びます。
「さぁ、どんどんいくぜぇ！ おら、死にたくなきゃさっさと道あけな、三下ども！」
◇
桐野 正也の叫びを合図に、団員を演じる面々が、その気迫に臆した様子で舞台の端に移動する。
それに乗じて、団員に扮した望月と北里 雅樹も、舞台へと躍り出た。
『まほろば海賊団』と『東雲海賊団』。
それぞれが駆る船は、雷鳴轟く孤島を目の前にして、何の因果か巡り合いを果たしました。
２艘の船が上陸したのは、ほぼ同時。
顔を合わせるや、最初に口を開いたのは、『東雲海賊団』の真艫です。
「やぁやぁ、そこにいらっしゃるのは『まほろば海賊団』の皆様ではありませんか」
飄々と、おどけた口調と態度。
けれど真艫の目は、揺るがぬ色を湛えて、『まほろば海賊団』の楔と蛍を捉えます。
互いの目的は、同じ。
けれど、雷神の刀は、この世にたった一振りしか存在しないのです。
楔が、色気を漂わせる目元に鋭さを乗せて、呆れたような息を吐きました。
「また貴方達ですか、懲りませんね」
「おや、それは俺の台詞ですよ。しかし……相変わらず美しいですね。その、氷の刀」
収集家の眼差しになって、真艫は楔の氷神の刀、その白い鞘を見つめます。
楔が、不愉快そうに眉根を寄せました。
「……私の刀はあげませんよ」
「それは残念。なら、今回の雷の刀は――、」
俺たちに譲っていただけませんかね？ と、真艫が紡ぐことは叶いませんでした。
「雷神の刀も、奪わせません」
と、楔が、ぴしゃりと言い切ったのです。
今度は真艫の方が、少し呆れた調子で、小さく首を傾けます。
「わかってはいましたが、頑なですね」
「愛しい刀を保護するのは、刀を愛する者の義務ですから」
◇
志波 武道が刀を抜き放とうとするのを見留め、呉井 陽太は、次の曲に備え、照明のスイッチに指をかける。
陽太の選んだ、抜刀する音が、舞台上に響いた。
武道の演技と音響の融和に、束の間、見惚れる陽太。
そうして陽太は、曲が始まる前にと、ワイヤーアクションの指示を担当する宇佐見 望月へと声を投げた。
「望月君も、そろそろ出番だねぃ」
「任せろ、陽太ちゃん！ ……って、ダンスは、正直不安だけど」
陽太の言葉に苦笑交じりに応じて、望月は、
「あ、俺様が指示出してから二拍でワイヤー引いてね」
なんて、他の裏方仲間に指示を飛ばす。
その声を耳に、陽太は、こく、と唾を飲んだ。
（ミュージカルとワイヤーアクションを合わせるシーンももうすぐだ。頑張ろう）
舞台上で、武道が曲の始まりの合図となる台詞を口にする。
陽太が、武道にしっかりとスポットライトを当てるや、穏やかな曲が流れ始めた。
◇
刀を抜き、ゆったりとした動きで、楔が舞います。
剣舞を思わせるその動きに、『東雲海賊団』の団員達すら見惚れました。
楔の唇を、流麗な歌声が揺らします。
打ち震える心 その美しさに
氷神の力 私を魅了し
氷神の力 神々しく瞬き 敵を斬る
さあ 凍て付く愛 その身に感じなさい
歌い終えるや、楔は、愛しい刀を緩やかに振るいました。
◇
（氷の演出、頼んだぜ……！）
武道が、そう胸の内に呟きながら刀を振るうのと同時、
――パキィィィン！
澄んだ、氷が割れるのを思わせる音が響き、氷のエフェクトが投影される。
それに合わせて、『東雲海賊団』の団員を務める役者達が、よろよろと倒れた。
◇
楔の一撃が、『東雲海賊団』の団員達を、いっぺんに何人も倒しました。
「どうしても、あちらさんとはぶつかるんだな」
猛者を前に、水簾の声が抑えようもなく弾みます。
一つ息を吐いて、真艫は、
「ほらほら、水簾。海賊団一のバーサーカーであるおまえの実力を見せてやれ」
と、水簾に刀を抜くことを許しました。
そうこなくっちゃな！ と刀を抜き放った水簾の目が、獰猛に光ります。
「皆、勝って奪えばいいだけの話だ。そうすれば、三振り揃って万々歳だしな」
その時、水簾の懐に、抜刀した蛍がとび込んできました。
刀と刀の、激しくぶつかり合う音が、恐ろしく辺りに響きます。
「あ？ 何だ、炎神の？」
「うちの船医を傷つけられると、困るのよ。……まあ、そう簡単にやられる人じゃないけど」
「ああん？ よくわからねぇが……先ずは、あんたのその炎神の刀、俺が貰ってやるぜ！」
水神が荒くれなら他の神はどうなのか知りたいと、水簾はにやりとしました。
「ま、どんな刀でも、使いこなしてやる自信はあるけどな」
「さあ、どうかしらね」
「ちっ。いけすかねぇな」
蛍のクールな態度に舌を打って、水簾は叫びます。
「さぁ、どんどんいくぜぇ！ おら、死にたくなきゃさっさと道あけな、三下ども！」
◇
桐野 正也の叫びを合図に、団員を演じる面々が、その気迫に臆した様子で舞台の端に移動する。
それに乗じて、団員に扮した望月と北里 雅樹も、舞台へと躍り出た。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年09月15日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年09月22日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年09月22日 11時00分
